1試合毎予想 2018年 全国高等学校野球選手権大会

【予想編】2018年夏の甲子園決勝 大阪桐蔭(北大阪)vs金足農(秋田)

投稿日:

大阪桐蔭(北大阪)vs金足農(秋田)

予想  51%  49%

〇3-1   作新学院  〇5-1      鹿児島実

〇10-4  沖学園    〇6-3      大垣日大

〇3-1   高岡商   〇5-4      横浜

〇11-2  浦和学院   〇3-2      近江

〇5-2    済美     〇2-1      日大三


史上初となる2度目の春夏連覇を狙う大阪桐蔭と東北勢初優勝を狙う金足農。第100回大会の決勝戦はこれ以上ないくらい興味深い組み合わせとなった。

 

大阪桐蔭は準決勝でエース柿木が完投。序盤打ち込れるも変化球を有効に使った投球で立ち直った。今夏の安定感は3本柱のなかでも抜けており、決勝戦も先発が予想される。終盤の短いイニングならば、リリーフに根尾を立てて速球で押し切れるだろう。3人の投手を使い分けてきたため、疲労のたまり具合も浅く、西谷監督としては狙い通りの展開のはず。あの1987年のPL学園をほうふつとさせる投手陣で優勝を狙う。

対する金足農打線は準決勝でも2点どまりに終わったとはいえ、徹底したバント戦法で得点圏にランナーを進めた。ひと昔前の古き良き高校野球を受け継いでいる感のある攻撃だが、吉田輝という絶対的エースがいるからこその「1点ずつ確実に刻む攻撃」なのだろう。日大三との試合では終盤8回にスクイズの失敗も見られたため、そのあたりを改めて洗いなおしたいところ。この試合も3番吉田輝や4番打川、6番高橋あたりの右打者の活躍がカギを握っていそうだ。

 

一方、金足農の吉田輝はさすがにアベレージのスピードは落ちてきたものの、変化球中心にうまくカウントを取って日大三打線を料理。勝負所で繰り出すストレートはいまだ140キロ台後半を記録しており、ボールの質自体は落ちていない。相手打者を見て攻め方を変えるクレバーさも持っており、投手としての総合力の高さを見せつけた。決勝では大阪桐蔭打線を1試合トータルでいかにうまく抑え込むか。捕手・菊池との連携が重要となりそうだ。

対する大阪桐蔭打線は済美のエース山口直を相手に序盤は攻めきれなかったが、中盤のチャンスを活かして攻略。勝負所で仕事のできる打者が揃っており、相手のスキを逃さないしたたかさはどこのチームよりも上だろう。失投を逃さずとらえるのはもちろんのこと、大阪桐蔭の各打者が吉田輝のギアチェンジした時の真っすぐをとらえきることができるのか。今から想像しただけでもワクワクする勝負であると同時に、勝敗のカギを握っているだろう。最強世代と呼ばれた男たちの集大成を見せる時となりそうだ。

 

注目された第100回大会もいよいよクライマックス。どちらが勝っても史上初がつく戦いとなるが、頂に立つのは果たして…


大阪vs秋田 甲子園対決

春 大阪1勝   秋田1勝

夏 大阪4勝   秋田1勝

計 大阪5勝     秋田2勝

対戦成績は大阪勢が5勝2敗とリード。秋田勢としてはこれまで大阪勢に煮え湯を飲まされる戦いが続いた。1984年夏の準決勝では金足農がKKコンビのPL学園をあと一歩まで追いつめながらも桑田(巨人)の逆転2ランで敗北。1991年夏の3回戦では秋田が菅原の好投で2点リードであとアウト一つの状況にまで迫りながら、4連打で同点に追いつかれ、延長戦の末競り負けた。勢いに乗った大阪桐蔭はこの大会で初出場初優勝を果たしている。

記憶に新しいところでは2006年選抜で前田健太(ドジャース)を擁するPL学園と前年秋の東北王者・秋田商が対戦。PLが前田健太の意表を突くホームスチールで先制点を挙げると、小刻みに加点して前田の1失点完投で逃げ切った。これまでの印象的な戦いはすべて大阪勢が勝利。秋田勢のリベンジなるか、それとも大阪勢がまたしても強さを見せるのか。注目の一戦だ。

 

主な卒業生

大阪桐蔭…中村剛也(西武)、岩田稔(阪神)、西岡剛(阪神)、平田良介(中日)、中田翔(日本ハム)
浅村栄斗(西武)、山足達也(オリックス)、藤浪晋太郎(阪神)、澤田圭佑(オリックス)、森友哉(西武)

金足農…石山泰稚(ヤクルト)、小野和幸(西武)、足利豊(ダイエー)

 

思い出名勝負(1984年夏の甲子園準決勝)

金足農

1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 0 0 0 0 0 1 0 0 2
0 0 0 0 0 1 0 2 × 3

PL学園

 

金足農    水沢

PL学園    桑田

 

1984年夏の準決勝第2試合は桑田・清原(ともに巨人etc)のKKコンビを擁するPL学園と秋田から初出場の雑草軍団・金足農の対戦だった。

PL学園は前年夏の優勝を経験した桑田・清原が主力となり、盤石の強さを見せていた。選抜は決勝で岩倉の山口に完封されたとはいえ、投打ともに全国的に抜きんでた存在だった。清原は1回戦の享栄戦で3ホームランを放ち、桑田は4試合連続で1失点の好投。高校時代の桑田のボールが最も速かったのがこの高校2年の夏と言われている。また、ショート旗手・セカンド松本を中心に守備も安定。王者・PLにスキは全く見当たらなかった。

一方の金足農は1年生から主力を務めてきた水沢長谷川のバッテリーやショートの工藤を中心に、成熟の時を迎えていたチームだった。初出場とはいえ、選抜では優勝した岩倉に4-6と善戦。当時、東北地区では最も地力の高いチームであり、夏の甲子園でも初戦で2年前の準優勝校の広島商を圧倒。バントを巧みに織り交ぜる攻撃と水沢のシュートを有効に使ったピッチングで勝ち上がり、準決勝までコマを進めていた。

 

試合は金足農が初回にいきなり先制点を奪う。立ち上がりからバスターで桑田をかく乱しにきた金足農は2番大山が桑田のグラブをはじくヒットで出塁。送った後に4番長谷川の打球はショート手前でイレギュラーするラッキーな当たりで1点を先制する。

その裏、金足農バッテリーは2アウト2塁の場面で4番清原との勝負を避けて四球。後続の桑田を打ち取って、ピンチを脱する。投手・桑田をかく乱し、打者・清原とは勝負を避ける。PLとしては最もやってほしくない作戦を当時まだ30台と若かった嶋崎監督は実行に移した。

しかし、桑田は抜群のフィールディングと状況判断で金足農の作戦をうまくやり過ごすと、ピッチングも立ち直り、金足農打線を2回以降は無失点に封じ込んでいく。ただアンラッキーなヒットが続くなど、どこかリズムに乗り切れない印象ではあった。

そして、それ以上にPLにとって想定外だったのは金足農のエース水沢の好投。右打者のインサイドを突くシュートボールを2種類駆使し、打者の懐をついてから外角のボールを泳がせる。PLとしては最も苦手とする内外の出し入れで勝負するタイプの投手であった。

試合は1点リードのまま序盤5回を終了。PLファンとしては何とも不穏な空気のまま試合は進んでいた。

ところが、グラウンド整備を終えた後の6回の攻撃で流れが変わり始める。6回裏、PLは勝負をかけて3番の鈴木に変えて代打の清水哲を起用。大会のラッキーボーイ的な存在の男が高めに浮いたカーブをとらえてヒットで出塁すると、エラーも絡んで1,2塁とチャンスを広げて打席には6番の北口。アウトコースのみに絞っていた北口は外角に完璧に決まった真っすぐをはじき返してライトへのタイムリーヒットで同点。

北口はこの試合PLのヒット5本の内3本を放ち、タイミングが合っていたとはいえ見事なバッティング。金足農の長谷川はマスク越しに「さすがPL、嫌な打順に嫌な打者がいる」と舌を巻いた。

しかし、この試合先手を取り続けるのは金足農。同点に追いつかれた直後の7回表に6番斎藤の投手強襲の当たりで四球のランナーを2塁に進めると、7番原田の打球は再び桑田のグラブをはじいて1点を勝ち越し。決して大きな当たりは出ないのだが、この日は金足農にことごとくツキが味方したような打球が続いた。

金足農としては理想的な試合運びで終盤に突入し、球場はいよいよPLが危ないという空気に包まれていた、しかし、8回裏にその流れが暗転する。1アウトから4番清原を予定通り四球で歩かせてランナー1塁とし、打者は桑田。この試合は外角のカーブをひっかけさせて打ち取っていたため、外のボールになるカーブを捕手・長谷川は要求。しかし、水沢の投じたボールは吸い込まれるように真ん中高めに入る。そのボールを桑田が逃すはずもなく、完璧に救い上げた打球はレフトポールを巻く逆転2ランとなった。

土壇場で試合をひっくり返したPLは9回表を桑田が3人で退けて3-2と逆転勝利。薄氷を踏む思いで2年連続の決勝にコマを進めた。

 

PL学園としては桑田の勝負強さに救われた格好の試合となったが、この土壇場の底力こそPLの精神野球の強さだったのだろう。ただ、この時PLの運命はすでに尽きていたのかもしれない。連投によって指のまめを作っていた桑田は決勝で出血をしながらのピッチングとなってしまった。また、そのPLを破ったのが名将・木内監督に率いられ、PLとは対照的なのびのび野球で勝ち上がった取手二高だったのも印象的であった。抜群の総合力を誇り。KK在籍の3年間で実は最も強かったのではと言われていたこの年のチームは全国の頂点に立つことなく、その1年間を終えた。

対する金足農はあと一歩のところで決勝進出を逃してしまったが、間違いなく全国トップレベルのチームであった。あのPL学園をここまで追いつめるだけの力を持ったチームは全国でも数えるほどしかなかっただろう。主将の長谷川も「やってみたら同じ高校生だった」との言葉を残しており、十分PLと渡り合えた実感をもったコメントだった。ただ選手たちはやり切った充実感にあふれていたが、嶋崎監督だけは今もこの勝負を勝てた勝負であり、このチームが全国の頂点に立てるチームだったと後悔をしているそうだ。

 

そして、34年の時を経て全国の頂点に迫る金足農に再び立ちはだかるのは同じ大阪の大阪桐蔭高校。全国の頂点に君臨する大阪勢と雑草軍団の対決から目が離せない。

 

-1試合毎予想, 2018年, 全国高等学校野球選手権大会

Copyright© 世界一の甲子園 , 2019 All Rights Reserved Powered by AFFINGER4.