1試合毎予想 2018年 全国高等学校野球選手権大会

【予想編】2018年夏の甲子園2回戦 慶應(北神奈川)vs高知商(高知)

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慶應(北神奈川)vs高知商(高知)

予想  50%  50%

〇3-2   中越   〇16-14  山梨学院


初戦を投手戦で勝ち抜いた慶應と打撃戦を勝ち抜いた高知商。対照的な勝ち上がりの両校の対戦となった。

慶應は選抜の初戦敗退の悔しさを晴らす初戦突破。エース左腕・生井は左腕からの威力のある速球とタイミングを外すチェンジアップを武器に終盤まで2点に抑える好投。ヒット数こそ浴びたものの、大事なところで制球を誤らないコントロールは選抜の敗戦が活かされていた。一方の高知商打線は16安打と活発な打撃で初戦を突破。2番を打つ1年生の西村は鋭いスイングから3安打を放ち、決勝点もたたき出した。上位から下位まで切れ目なく続く打線は脅威。山梨学院の好左腕・垣越を打ち崩しており、左投手も苦にすることはないだろう。

一方、高知商のエース北代は3者凡退のイニングと大量失点のイニングにわかれるという極端な内容。暑さによるものなのかはわからないが、制球を乱す場面が目についた。ストレートと打者のバットを差し込むツーシームには威力があるだけにコントロールさえ間違わなければ大けがはないはずだ。慶應打線の核となるのは1番宮尾と3番下山の2人。ともにシュアな打撃で初戦の中越戦の全得点に絡んでいた。宮尾はサヨナラ打も放ち、波に乗っているだけにこの試合でも期待大だ。初戦は相手の継投に惑わされた感があったが、今回は一人エースなだけにその心配はなさそうだ。

両県を代表する伝統校同士の一戦。応援も盛り上がる戦いとなりそうだ。


神奈川vs高知 甲子園対決

春 神奈川3勝   高知3勝

夏 神奈川2勝   高知4勝

計 神奈川5勝     高知7勝

対戦成績は高知勢が7勝5敗とリード。しかし、平成に入ってからは神奈川勢が大きく勝ち越しており、横浜高校が明徳義塾に3連勝、高知高校にも1勝と相性の良さを発揮している。今回は慶應と高知商という伝統校同士の対戦となるが果たして…

 

主な卒業生

高知商…藤川球児(阪神)、須藤豊(巨人)、江本孟紀(阪神)、鹿取義隆(巨人)、中西清起(阪神)

慶應…白村明弘(日本ハム)、山本泰寛(巨人)、加藤拓也(広島)

 

思い出名勝負(2004年夏の甲子園3回戦)

横浜

1 2 3 4 5 6 7 8 9
2 0 0 0 0 1 1 1 2 7
3 0 0 1 0 0 0 0 1 5

明徳義塾

 

横浜     涌井

明徳義塾   松下→鶴川

 

1998年夏、2003年選抜に続き3度目となった両校の対戦。2004年夏の優勝争いを左右する一戦が幕を開けた。

明徳義塾は6季連続となる甲子園出場。経験豊富な面々を中心に戦力は充実しており、2年ぶりの夏制覇を現実的に視界にとらえていた。ただ、選抜は守備の乱れか敗れたこともあって、大胆なコンバートを実施。捕手だった田辺をレフト、サードの梅田を捕手、レフトの久保田をサードと主力3人の守備位置を入れ替えた。これで守備が締まったことで安定感が向上。梅田は捕手をやることによって膝の使い方を学び、打撃にも生かされた。初戦は盛岡大付に大勝すると、2回戦は大会屈指の左腕の熊本工・岩見(広島)を終盤に攻略して4-3とサヨナラ勝ち。2度敗れている横浜へのリベンジに燃えていた。

一方の横浜は夏は3年ぶりの甲子園出場だった。選抜を目指した秋の大会ではエース涌井(ロッテ)が炎上して7-8と新鋭の横浜隼人に敗退。悔しさをばねに練習したナインたちは春季大会で横浜隼人にコールドでやり返すと、勢いそのままに春季関東大会を制覇。夏の神奈川大会では日大藤沢・桐蔭学園・桐光学園と立て続けに強豪と当たる死のブロックに入ったが、涌井が我慢強く投げぬいて競り勝ち、準決勝・決勝は打線が爆発。昨夏敗れた横浜商大との準決勝では相手エースの田沢(レッドソックスなど)を完全攻略して16-3と大勝し、攻守に充実していた。甲子園初戦では報徳学園の長身左腕・片山(楽天)を攻略して8-2と大勝すると、2回戦は京都外大西と延長の大接戦。エース涌井が終盤のピンチを三振でしのぐと、10回裏に2年生の4番橋本がセンター越えのサヨナラ打。劇的な勝利で3回戦進出を決めた。

 

試合は立ち上がりから両チームが激しく攻め合う展開。横浜はランナーを一人置いて前の試合サヨナラ打の4番橋本が打席へ。明徳義塾の右サイドの2年生松下(西武)の甘いスライダーをとらえると、打球はセンターバックスクリーンへ飛び込む先制2ランとなり、横浜が先手を取る。

しかし、2度にわたって敗れている明徳義塾もただで引き下がるわけにはいかない。その裏、4番田辺のヒットなどで2人走者をためると、5番久保田は高めに浮いた変化球を完璧にとらえる右中間へのタイムリー3塁打であっという間に同点。さらに春以降、スタメンに名を連ねる巨漢の2年生中田(中日)がレフト前へのテキサスヒットを放って逆転。いきなり試合をひっくり返した。

その後、明徳義塾の松下はサイドからの切れのあるボールで、涌井は威力のあるストレートを中心に立ち直って2回、3回と試合は0が並んだが、落ち着いたかに見えた試合が突然動いたのは4回裏だった。明徳義塾は1アウトから6番中田が高めのストレートを流し打つ。切れてファールになったかと思った打球はしかしそのまま伸びていってなんとレフトポール際に飛び込むソロホームラン。涌井もまさかといった表情で明徳が追加点を挙げる。

さらに攻勢をかける明徳義塾は5回裏にラストバッターの野村の2塁打などで1アウト1,3塁のビッグチャンスを迎える。ここで打席には1年生から主力の3番梅田。絶体絶命の場面だったが、涌井が見事に覚醒する。梅田の苦手とする高めのストレートで空振り三振に奪うと、続く4番田辺もスライダーで連続三振。大事な場面で流れを引き寄せる見事なピッチングを見せた。

この涌井の好投で流れをつかんだ横浜は、疲れの見え始めた明徳義塾の2年生・松下を徐々にとらえだす。6回に3番石川(横浜)の2塁打と5番赤堀のレフト前タイムリーで1点差に迫ると、7回表には満塁と攻め立てて4番橋本はなんと押しだしのデッドボールで同点に。明徳としては相手の勢いを止めきれない展開になってしまった。

そして、この流れを継続させたのは中盤以降の涌井の好投。5回の連続三振からなんと12者連続でのアウトを記録。140キロ台中盤のストレートと切れ味抜群のスライダーの前に強打者ぞろいの明徳義塾の打者たちから完全に快音が消えた。

こうなると追いついたものと追いつかれたものの勢いの差は歴然。8回表には1番佐藤の勝ち越しタイムリーが飛び出して初回以来のリードを奪うと、9回表には2番手で登板したエース鶴川に痛打を浴びせて石川・橋本の連打などで2得点。明徳義塾も最終回に6番中田の3本目となる長打を皮切りに1点を返すも反撃もそこまで。横浜が3度目の対戦も制して、7-5でベスト8進出を決めた。

 

横浜は涌井の好投に打線が応えて見事な試合運び。特に中盤以降の涌井の投球は投手としての底知れない力を感じさせた。これで優勝へ向けて大きな関門を超えたように見えた横浜だったが、すでに県大会から投げ続けていた涌井の疲労はピークになっていた。準々決勝で駒大苫小牧に7回で14安打を浴びて6失点。いつもは中盤から立ち直るのだが、この試合は終始打たれ続け、7番にはサイクルヒットを記録されてしまった。一人エースで勝ち続ける難しさを痛感させられた夏となった。

一方、明徳義塾は3度目の対戦も横浜の軍門に下る結果に。序盤は理想的な展開だったが、中盤以降の涌井のピッチングには脱帽するしかなかった。試合後の馬淵監督は「投手の燃料切れや」とのコメントを残したが、やはり5回の攻めで得点できなかったことが非常に大きかっただろう。2年ぶりの全国制覇を達成する力は十分あっただけに惜しい展開だった。このあと翌年は高知大会で優勝しながら不祥事で出場辞退に。明徳義塾は苦しい時代を迎えることになる。

 

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