2019年 各大会優勝予想 選抜高等学校野球大会

【予想編】2019年春の選抜高校野球

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昨年は記念すべき夏の100回大会を迎え、大阪桐蔭の史上初となる2度目の春夏連覇や金足農の剛腕・吉田の活躍で高校野球界は大いに盛り上がった。それとともに一つの区切りがついて、今年は新たな歴史のスタートの年ということもできそうだ。

昨年は絶対王者の大阪桐蔭をどこが倒すかに注目が集まってきたが、今年の高校球界ではそこまでの存在のチームはいないだろう。そんな中で、昨秋以降は高校球界のBIG4と呼ばれる投手に注目が集まってきた。大船渡の佐々木、星稜の奥川、創志学園の西、そして横浜の及川である。今選抜ではこのうち、奥川と及川が姿を現すこととなった。彼らがどれだけ活躍できるかに注目が集まる。

果たして91回の選抜大会の優勝争いはどのような様相を呈するのか、探っていきたい。

優勝候補本命

V候補の筆頭格は星稜と言えそうだ。今年度NO.1と言っても過言でない完成度の高さを誇るエース奥川を中心に昨年からの主力が5人残る面々は強力。間違いなく総合力は大会上位に位置するだろう。

奥川は昨年の春夏の甲子園を経験し、秋は貫禄十分の投球内容であった。力感のないフォームから繰り出す140キロ台後半の速球と130キロ台のフォークボールを前に他校の強打者は手も足も出なかった。神宮大会ではそこまで練習試合を含めても負けなしだった中国王者の広陵を11奪三振でシャットアウトする完璧な投球内容を見せた。どことなくフォームが2014年の日本文理のエース飯塚(DeNA)を思い起こさせる、完成度の高いエースだ。

この奥川の存在だけでも脅威だが、さらに昨夏の甲子園で済美との劇的な試合を経験した左腕・寺沢、大型右腕の寺西、中学日本代表の萩原と豊富な陣容を誇っており、連戦を勝ち抜くうえで申し分ない布陣となっている。奥川と小学生時代からバッテリーを組む捕手・山瀬が彼らの持ち味をどれだけ引き出せるかがカギとなりそうだ。

打線は1年生からレギュラーに定着した4番内山を中心に、山瀬、奥川、福本などセンスのある打者が並ぶ。内山には2年生ながら主砲としての役割が求められそうだ。1番を務める東海林は俊足が武器の格好のリードオフマン。一発のある選手も多く、得点力は例年以上だ。ただ、神宮の決勝では札幌大谷の投手陣の前に1安打に抑え込まれたように、試合の中での修正力をつけていくことが今後の課題か。

これまで甲子園で数多くの名試合を演じてきた北陸の名門・星稜。投攻守に安定した力を持ち、奥川という絶対的エースも擁する今季は、念願の頂点に手をかけるまたとないチャンスと言えそうだ。石川県勢初の全国制覇に期待が高まる。

対抗馬

星稜を倒す一番手グループはどこになるのか。次にあげる4校が対抗馬となりそうだ。

練習試合も含めて無敗で中国王者に登りつめた広陵星稜に負けず劣らずバランスの取れた好チームだ。

投手陣は3人の好投手を擁し、質量ともに豊富だ。最速148キロを誇るエース河野はすでに昨夏に甲子園のマウンドを経験済み。コントロールもよく、安定した投球内容を見せる。強気の投球が光る左腕・石原と同じく左腕で球威の光る森と三者三様ながら全員140キロ以上をマークしており、レベルの高さがうかがえる。神宮大会では星稜打線の集中打に石原がつかまってしまったが、選抜では同じ轍を踏まないだろう。

打線は大物うちこそいないものの、4番の中村を中心につながりが持ち味。宗山は2年生ながらミート力の高い好打者だ。また、金沢や中富、渡部ら俊足の選手も多く、機動力を絡めた攻撃ができるのも強みだ。神宮では星稜・奥川の前に抑え込まれてしまったが、秋の段階で対戦出来たことが何よりの収穫。広陵らしい攻撃を甲子園で見せたいところだ。

コールド負けを喫したとはいえ、勝った星稜の選手が広陵の強さを認めていたことが印象深い。伝統校が4度目の春の栄冠を狙う。

近畿王者の龍谷大平安は夏春連続の甲子園出場。2014年以来5年ぶりの選抜優勝を視界にとらえている。夏の甲子園に出場していたこともあって新チームの始動は遅れ、経験者は水谷と北村の2人のみという状況だったが、勝ち上がりながら強さを増していった。

投手陣は2人の左腕が支える。カーブが持ち味の左腕・豊田は近畿大会初戦で天理の強力打線を相手に3失点の粘投で勝利を呼び込んだ。一方、野澤はスリークオーターから繰り出す切れのあるストレートが武器。近畿大会では準決勝・決勝と好投を見せ、チームを優勝に導いた。互角の力を持つW左腕が切磋琢磨して力を伸ばしている。

打線は4番水谷、5番奥村が中心。水谷は昨年は1番打者としてチームに貢献していたが、新チームでは主砲として4割を超す打率でチームを牽引した。5番奥村は新2年生ながら長打力と勝負強さを兼ね備える期待の選手だ。そのほかにも三尾、羽切らポテンシャルの高い選手を擁しており、まだまだ伸びしろはありそうだ。

神宮大会では優勝した札幌大谷相手に初回にミスを連発して5失点。守備の乱れが響いてしまって敗れたが、逆に言えばミスがなければ優勝校に互角以上にやり合えていたということ。チームの雰囲気も元気があり、まだまだ強くなりそうなチームだ。

龍谷大平安と同じく夏春連続の甲子園となる明石商業も怖い存在。3年前のベスト8を超えて頂点まで駆け上がる力を持つ。

投手力の高さは出場校中でも屈指のレベル。宮口・中森の強力2枚看板を擁する。1年生ながら昨夏に甲子園のマウンドを踏んだ中森はMAX145キロを誇る本格派。ストレートでぐいぐい押す投球スタイルで勝負所で三振を狙って取ることができる。もう一人のエース宮口も140キロ台の速球を持ち、こちらはチェンジアップやスライダーなど変化球のコントロールにもたける。ともに本格派ながらタイプの違う両投手が明石商のマウンドを守る。

打線は上位打線を中心に強力。昨夏に1年生ながら1番を務めた来田は俊足強打のトップバッターとして新チームでもチームを引っ張る。2番水上、3番重宮と並ぶラインアップは打率・走力・勝負強さを兼ね備える。もともと犠打を使って着実に走者を進める野球が持ち味だが、今年は多彩な攻撃も可能な布陣だ。4番安藤を中心に長打力のある打者もそろえており、投手陣に確実に援護をもたらしそうだ。

レベルの高い兵庫県内で10年近く上位を守ってきた安定感は他の追随を許さないものがある。明徳義塾で永年コーチを務めた狭間監督のもと、堅実な負けない野球で頂点を狙う。

昨秋、全国の頂点に輝いて高校野球ファンを驚かせたのが札幌大谷。優勝争いから外すことはできないだろう。

投手陣は実に多彩な顔触れを擁する。エース西原は北海道大会では苦戦したものの、神宮では全国の強豪を相手に会心のピッチングを披露。長身から繰り出すキレのあるストレートにスライダー、チェンジアップを織り交ぜて決勝では星稜の強力打線をわずか1安打に封じ込めた。そのほか、右サイドの太田や長身左腕の阿部など多彩な顔触れを擁しており、相手打線との相性に応じて投手を代えることができる。船尾監督の采配にも注目が集まる。

打線は北海道大会から神宮大会まで好調をキープ。西原、石鳥の中軸はともに打点を荒稼ぎする勝負強さを見せ、その二人につなぐ1番北本のスピード、2番釜萢の打率の高さは他校にとって脅威だろう。下位打線も力があり、何より神宮の初戦で平安のミスに付け込むすきのなさ、北海道大会終盤に見せた数々の逆転劇と、全盛期の駒大苫小牧をほうふつとさせる勝負強さを打線全体が持ち合わせている。選抜での好投手との対戦が楽しみだ。

ともに甲子園経験を持つ船尾監督と五十嵐部長のもとで着実に力をつけてきた札幌大谷。秋の実績がフロックでないことを選抜の舞台で示したいところだ。狙うはもちろん北海道勢初の選抜制覇だ。

名門校、虎視眈々

以上挙げてきたチームが一番手だが、過去選抜で優勝ないし準優勝の経験がある名門校も黙ってはいないだろう。昨秋は不本意な負け方をした4チームだが、選抜では躍進が期待される。

2年連続の選抜出場をつかんだ東海王者の東邦は昨年初戦敗退のリベンジを誓う。

今年も投手陣には若干の不安はつきまとう。4番の石川が昨秋はエース格としてチームを牽引。MAX144キロの球威を誇るが、いかんせん急造投手であることからサイドスローや上手投げなど投球フォームに苦心した。しかし、最後は上からの投げ方がしみ込んでいき、ある程度コントロールも身についてきた。本来エース格であるべき左腕・植田はMAX142キロの力のある速球を持っており、彼の復調が東邦優勝のカギを握っているだろう。

一方の打線は今年も強力だ。高校通算39ホームランを誇る3番石川はここ数年で見てもトップクラスに位置する強打の内野手。一昨年秋の東海大会では選抜4強入りすることになる三重との準決勝で逆転サヨナラホームランを放つなど、勝負強さも兼ね備える。石川と同様に昨年から主力を張る4番熊田も打点25を数えており、この二人のコンビは出場校中でも屈指だろう。そのほかにも長屋、松井、坂上ら力のある打者が並んでおり、打力ではどこと当たっても引けを取らない力を持っている。

昨年は花巻東の軟投派左腕・田中大を打てずに初戦敗退を喫するなど、ここのところは甲子園でもなかなか上まで勝ち上がり切れない戦いが続いている。悔しさをばねに平成最初の選抜王者が最後の選抜でも栄冠を狙う。

最速153キロ左腕・及川を擁する横浜ももちろん優勝候補の一角だ。関東6校目の選出とはいえ、他校にとっては最も不気味な存在だろう。

高校生投手の四天王の一角にあがる及川は最速150キロを超す速球と130キロ台の切れのあるスライダーを擁し、そのどちらも一級品のボールだ。しかし、スライダーの曲がりが大きいこともあって関東大会の春日部共栄戦では真っすぐを狙い打たれてコールド負けを喫した。反省を活かすべく、現在はチェンジアップなど球種を増やしつつ、スライダーの曲がりにも改良を加えている。本番での快投が期待される。控えの木下、松本にも力があり、全国屈指の投手陣を形成する。

打線は下級生が多く並ぶ布陣ではあるが、県大会決勝では関東優勝の桐蔭学園に圧勝しており、力はある。4番にどっかり座る内海は確実性と長打力を兼ね備えるスラッガー。昨夏の甲子園ではランニング3ランを放つなど、大舞台も経験済みだ。中軸には冨田、度会と左の好打者が並んでおり、彼らの力を活かすためにも1番を予定している津田、小技の効く2番小泉でどれだけチャンスを作れるかが重要になりそうだ。

夏は3年連続出場中も、選抜は2014年以来5年ぶりとなる。平田監督になってから初の全国上位進出へ、格好のチャンスと言えそうだ。

履正社は準優勝した2017年以来の選抜出場。過去最高成績となれば、優勝しかないだろう。

エースは最速145キロを誇る左腕の清水。スライダー、カーブと変化球の制球にも優れており、過去の履正社の好投手と比べても実力は引けを取らない。近畿大会の準々決勝では福知山成美の強力打線を完全に封じ込めて見せた。右腕の植木は大阪大会決勝で王者・大阪桐蔭を相手に完投勝利を飾るなど、力のあるストレートを武器に好投を見せている。左右の両輪が機能すれば、優勝を狙えるだろう。

打線の中心となるのは3番小深田、4番井上のコンビだ。小深田は昨夏に1年生ながらレギュラーを勝ち取った左の好打者。率も残せてチャンスにも強い。井上は立派な体格から放つ長打が持ち味で、近畿大会では満塁弾を放っている。2人には2014年準優勝時の3番吉田、4番中山(ヤクルト)のような活躍が期待される。その他にも打撃もいい好捕手の野口や成長株の池田、野上らセンスあふれる打者が並んでおり、得点力は例年と比べてもそん色ないだろう。履正社らしいそつのない攻撃が見られるかも注目したい。

過去2度の準優勝時はともに甲子園経験者がいたが、今年は全員が初体験だ。しかし、大阪桐蔭を倒すなど個々のポテンシャルの高さは全国屈指。大阪代表として9校目の優勝校となれるか、注目だ。

近畿からもう1校、智辯和歌山も昨秋は近畿大会でコールド負けしたものの、選抜では立て直してきそうだ。

投手陣は左腕の池田泰から右腕の池田陽への継投が基本線。池田泰は2年生ながら昨秋は重要な試合での先発をすべて務めてきた。球速はそこまでではないものの、打者のインサイドを強気に突くことができ、投球の幅を広げつつある。右腕の池田陽はすでに昨年に選抜の舞台を経験済み。決勝では大阪桐蔭を相手に好投を見せた。真っすぐに力があり、制球が安定していればそうそう痛打を食らうことはないだろう。複数投手制の智辯和歌山らしく、ほかの投手も台頭してきそうだ。中谷監督の英才教育を受けた捕手・東妻のインサイドワークにも期待が高まる。

打線は例年通り強力。センスあふれるトップバッターの細川から何でもできる2番西川、3番主将の黒川、チームの中心の4番捕手の東妻、秋は5割を超す打率を残した根来と昨年からのメンバーがごっそり残っており、攻撃力は大会でも屈指だ。6番の佐藤、9番綾原ら勝負強さを兼ね備えており、上位から下位まで穴がない。昨夏は優勝候補に挙げられながらも近江の継投策の前に打線が封じ込められて敗れ去った。その教訓を活かし、選抜では強打爆発と行きたい。

昨年からセンターラインがほぼ残っており、経験値は高い。中谷新監督になって初めての甲子園だが、元プロ選手出身の監督らしく実戦に即した高等戦術も叩き込んでおり、新たな智辯和歌山が見られそうだ。

その他有力校

上に挙げたチーム以外にも優勝争いに加わってきそうなチームは多い。V候補を食う力は十分に持っている。

東北王者の八戸学院光星は今年も強力打線を擁して、東北勢初優勝を狙う。

投手陣は多彩な顔触れを擁する。エース後藤は変化球を交えて打たせて取るタイプ。投球術で抑えるすべに長けており、秋の試合では防御率1点台と試合を壊さない安定感が光った。そのほかには右の技巧派の山田、下山や左腕の横山などそれぞれ特徴を兼ね備えた投手を擁しており、継投も完投も可能だ。歴代の光星の投手をみても投球のうまい投手が多く、技巧派投手をうまくつないで試合を相手打線を封じていきたい。

打線には昨夏の経験者が多く残っており、威力抜群だ。3番の武岡は左打席からシュアな打撃で一発も放てる好打者。神宮、東北大会決勝と大事な試合で勝負を決めるホームランを放ってきた。4番の近藤も神宮でホームランを放っており、長打力で他校を圧倒できる。脇を固める打者には伊藤、島袋ら上位陣から大江、原らの下位までミート力の高い打者が並んでおり、相手投手は息が抜けないだろう。今年も光星らしい強打で甲子園を席巻したい。

2012年の準優勝以来、初戦は突破するものの上位まで勝ち上がりきれない戦いが続いている。この選抜でこそ東北勢初優勝を成し遂げたいところだ。

2003年の選抜以来、久々の甲子園を勝ち取った桐蔭学園も有力候補。関東王者として堂々甲子園に乗り込む。

投手陣は左スリークオーターの伊礼が軸。1塁プレートを踏んで角度をつけた状態から右打者のインサイドに投げ込むクロスファイヤーが持ち味だ。エース不在の状態から関東大会で大事な試合の先発を任され、競争から一歩抜け出たと言えそうだ。神宮では筑陽学園打線に捕まってしまったが、選抜では雪辱を晴らしたいところだ。そのほか、鈴木や萩原など多くの投手を要するが、伊礼が中心となって投手起用がまわっていきそうだ。

打線の中心は何と言っても3番の森だろう。関東大会では常総学院戦で逆転サヨナラ満塁弾を放つなど、勝負強さと長打力を兼ね備えたスター選手だ。ショートの守備でもチームを牽引しており、攻守にわたってチームの中心と言える。同じく長打力治る4番の上川と2人でチャンスをものにしたい。そして、チャンスメークする冨田、山本の出塁もカギを握る。神奈川大会、関東大会を通じて終盤の勝負強さを発揮してきただけに甲子園でも同様の戦いを見せたいところだ。

昨秋は神奈川大会で横浜に大敗したものの、反省を活かして関東大会を勝ち上がった。神宮での敗戦も糧にできるか、注目だ。

同じく関東で久々に復活を果たしたのが春日部共栄だ。選抜は実に22年ぶりの出場だが、優勝争いに絡む力を持つ。

エースの村田は4番も務めるまさにチームの大黒柱。最速146キロを誇る剛腕はスライダー、チェンジアップなど変化球の制球にも長け、昨秋は関東大会決勝までほぼ一人で公式戦を投げぬいた。選抜出場の投手の中でも実力上位の好投手と言えるだろう。関東決勝では疲れで打ち込まれたため、選抜ではペース配分も考慮しながらうまく投げぬいていきたいところだろう。また、2番手以降の投手の台頭も待たれる。

打線も軸となるの4番の村田。関東大会で横浜の及川から一発を放つなど、パワフルな打撃でチャンスをものにする。俊足の黒川、木村の1,2番が出塁し、村田と3番平尾が返すのが共栄の得点パターンだ。仮に彼らが凡退しても5番石崎、6番平岡と勝負強い打者が続き、まさに打「線」として機能している。2005年の甲子園では大阪桐蔭のエース辻内(巨人)を打ち崩したように、伝統的に強力打線を誇る春日部共栄。甲子園でも本領を発揮したい。

本多監督が出場できず、少し暗雲が立ち込めた感もあったが、甲子園本番でそれを払しょくする活躍を見せられるか。浦和学院花咲徳栄に埼玉の主役を持っていかれているなかで、存在感を見せる選抜にしたい。

初出場ながらV候補・星稜と互角に渡り合ったのが福井・啓新。際立ったプレーヤーはいないが、総合力の高い好チームだ。

エースの安積は抜群の制球力を持つ好投手。内外、高低と自在に投げ分けることができ、チェンジアップで緩急も付けることができる。昨秋はスタミナに課題があったが、冬場の投げ込みで克服しつつある。右サイドの浦松は横手からの独特の球筋で打者を幻惑。試合終盤にリリーバーとして出てくることが多く、相手打線の勢いを止めることができる。2人とも見た目以上に打ちにくい投手だ。

打線は長打こそ少ないものの、昨秋は土壇場での勝負強さが光った。濱中、刀根の1,2番が出塁し、穴水、竹原の3,4番が返すのがパターンだが、チーム全体での指示の徹底がなされていることがこのチームの強みだろう。思い切った攻撃スタイルで活路を見出し、小技も絡めて傷口を広げていきたい。星稜の奥川から終盤同点に追いついたように、最後まであきらめない粘り強さも併せ持っている。

伝統校・常連校の出場が多い福井県からの初出場校は2013年の春江工以来。しかし、上位陣を食う力は十二分に持っている。

四国王者の高松商は準優勝した2016年以来2年ぶりの出場。その時に続く上位進出を狙いたい。

エース左腕の香川と本格派右腕・中塚の2枚看板を擁する投手陣は力がある。ともに最速140キロを超す球威と多彩な変化球を持っており、2人とも完投能力がある。香川は四国大会で明徳義塾をねじ伏せるなど強豪相手にも物おじしない精神力の強さが光る。中塚は主にリリーバーとして試合の終盤をしっかり締めくくる。球威のある速球で相手打線を封じ込めることができる。この2人が競い合いながら力をつけていき、全国の頂点まで駆け上がりたい。

打線は準優勝した3年前ほどのパワフルさはないものの、勝負強さと粘りは決して侮れない。香川では英明の好投手・黒河を相手に少ないチャンスをものにし、四国では明徳義塾相手に終盤に逆転勝利を飾るなど数字には表れない力を持っている。出塁率の高い1番飛倉が出塁し、打撃もいい3番香川や長打力のある立岩、岸本が返していくのが得点パターンだが、下位の浅野、新居も粘り強い打撃を見せており、つながりのある打線を形成する。3年前とは一味違った打線を見せてくれそうだ。

名将・長尾監督のもと着実に強さを増している高松商。あの準優勝以来、県の高校野球にも活気が戻ってきており、この選抜での躍進にも期待がかかる。

 

九州王者の筑陽学園も投打に力を秘める。初出場だが、優勝する力を持っているチームだ。

投手陣は力のある3人のエースを擁しており、強力だ。エースの西は130キロ台ながら重い球質のストレートと切れのある変化球を擁し、安定感のある好投手だ。3人エースだが、実績・経験でわずかにエース争いをリードしていると言える。スライダーの切れが光る左腕・菅井、ストレートの速さではチームⅠの西舘も秋の公式戦でしっかり結果を残しており、3人の誰をマウンドに上げても安心して試合を任せられそうだ。相手チームの特徴に応じての起用となるだろう。

打線は昨秋は終盤まで相手投手に無得点に抑えられる試合が多く、苦しんだ。しかし、力がないわけではなく、神宮の初戦では桐蔭学園の投手陣を捕まえてコールド勝ちを飾るなど、集中打で他を圧倒する力を秘めている。ともに甲子園で決勝に進出した親を持つ1番の中村と6番の福岡はサラブレッドらしくスピードと長打を兼ね備えた好打者。4番の江原はここぞという場面での一打を放つ、頼れる主砲だ。下位にも一発のある打者が並んでおり、秋の好投手との対決を肥やしにさらに力をつけたいところだ。

2003年夏の初出場時はダルビッシュ擁するV候補の東北を相手に、初回に7点を奪われながら一時1点差に詰め寄る好勝負を演じた。その時以来の甲子園でまずは甲子園初勝利を、そしてその先の上位進出を狙う。

 

強力打線を擁する明豊は自慢の打力で上位進出をうかがう。

投手陣は左右2人ずつの4人の投手を擁しており、枚数は豊富だ。その中で中心となるのは左腕の若杉と右腕の大畑になるだろう。若杉は小柄な体から投じる切れのある変化球が武器。九州大会では先発でしっかり試合を作った。大畑はリリーフで好投を見せ、見事な火消し役を演じた。そのほか、狭間や岡本も含めて4人の投手陣が切磋琢磨すれば、さらに力をつけていきそうだ。得点が期待できるだけに4人で最少失点に抑えたい。

打線は九州大会の4試合すべてで2桁安打を放ち、強打ぶりをアピールした。主砲の4番野邊、5番薮田を中心にどこからでも長打が飛び出し、パンチ力がある。1イニングに複数得点を挙げることもしばしばで、多少の劣勢はものともしないたくましさがある。1番野上、2番宮川の出塁が重要になってくるだろう。智辯和歌山出身の川崎監督のもと、強打のメソッドが確実に伝統として浸透しつつある。2017年夏のような劇的な打撃を見せたい。

夏は3度の8強入りを果たしている強豪だが、春は2度の出場で1勝どまり。選抜でも上位まで勝ち進みたいところだ。

ダークホース

優勝戦線をかき回す可能性のあるチームも多数存在する。

神宮大会枠で出場を決めた札幌第一札幌大谷と互角の勝負を演じており、全国の舞台でも十分やれる力を持っているだろう。

エース野島は2年生時からエース格として活躍した経験豊富な投手。伸びのある速球とスライダー、チェンジアップが武器だ。北海道大会決勝では札幌大谷の打線につかまってしまっただけに、選抜でこの悔しさを晴らしたい。また、畠山と上井の2人も公式戦の登板は豊富で、野島が苦しい時は必ず彼らの力が必要になってくるだろう。変化球が武器の右サイドハンド近藤も控えており、層は厚い。捕手・村田のインサイドワークも非常に重要だ。

打線は全道大会で4試合連続2桁安打を記録し、強打を印象付けた。旧チームから主力を担う4番村田は左打席からの長打でチームに流れを呼び込む。高校通算24本のホームランを放っており、今大会屈指のロングヒッターだ。村田に加えて、大坪・大宮のクリーンアップもチャンスに強く、彼らの前にランナーをためて得点していきたい。秋は元気のなかった新2年生の活躍もカギとなる。

過去の甲子園では前評判が高いながらもなかなか結果に結びつかなかった札幌第一。今回は本来なかったはずの出場だけに、肩の力を抜いてリラックスして望めそうだ。

盛岡大付はベスト8入りした2年前以来の出場。持ち前の打力で再びの上位進出を狙う。

昨秋にエース格として活躍したのは左腕・阿部。ストレートと多彩な変化球をコーナーに巧みに投げ分ける投球で、秋の大会では防御率1点台を記録した。投手力優位といわれる選抜で、こういうタイプの投手が好投を見せることはよくある。そのほか、本格派の木内や大谷、制球力のある石井も控えており、冬を超えてどの投手が台頭するか注目だ。

県大会で大船渡の剛腕・佐々木を打ち崩した打線は強力。選抜でも速球派の投手に苦労することは少ないだろう。1番峰と3番岡田が中心となり、勝負強い打撃でチャンスを演出。あとを打つ平賀や小野寺といったパワーヒッターが長打で返す。2年前ほどの迫力はないものの、打線のつながりの良さは全く引けを取らない。高い得点力で試合の主導権を握りたい。

2年前は投打に充実した戦力で春夏8強入り。黄金時代到来へ今年も結果を残したい。

山梨学院は関東4強入りで夏春連続の甲子園出場。同校初となる甲子園2勝を狙う。

基本線は4人の投手による継投となる。それぞれタイプが異なるだけに相手打線にとっては厄介だ。技巧派左腕・相澤、ストレートに力のある左腕・駒井、右サイドからの切れのあるスライダーが武器の佐藤、同じく技巧派の右腕・中込と4者4様の投球を見せてくれる。相手の特徴を見定めたうえでの吉田監督の手綱さばきに注目だ。

打線の中心は何と言っても4番の野村。山梨のデスパイネの異名を持つパワーヒッターは昨夏の高知商業戦で一発を放ち、すでにその怪力ぶりを全国にアピールしている。1番渡邉、2番菅野、3番相澤の3人が相手投手をかき回し、この絶対的大黒柱の前にチャンスを演出したい。6番の小吹も長打力があり、選抜では上位打線を打つ可能性もある。昨夏打ち負けた経験をばねに、今年は最後まで相手に主導権を渡さない打撃を見せたい。

清峰で全国制覇を達成した吉田監督は春の戦い方を熟知している。山梨学院に移ってから初の全国上位進出を成し遂げる可能性は十分ある。

千葉の名門・習志野は10年ぶりの選抜出場。不気味な底力を秘める強豪が優勝戦線に割って入る。

秋は4人の投手がマウンドに上がった。選抜ではどの投手が主戦格になるかはまだ不明だ。右本格派の飯塚は最速145キロの速球が武器。関東大会初戦で延長戦に突入した桐生第一戦は6回から好リリーフを見せて相手打線をねじ伏せ、選抜へと近づく勝利を手にした。同じく右本格派の杉山、制球力の高い左腕・山内、右下手投げの岩沢と豊富な陣容を擁する。多彩な投手起用で相手打線を翻弄した2011年夏の再現を狙いたい。

攻撃陣は習志野らしい小技を絡めたスタイルで小刻みに得点を重ねる。犠打・盗塁・エンドランなど小林監督が相手の裏をかく戦術を駆使していく。3番主将の根本は高打率をマークしており、公式戦打率はチームⅠ。彼の前にチャンスを演出するためにも、小技と俊足が武器の1番竹縄、2番小澤の役割が重要となる。ただ小技に頼るだけでなく、チーム全体の打力アップは図りたいところだ。

かつて2度にわたって全国の頂を極めた公立の雄・習志野。名将・小林監督のもと試合巧者が大会をかき回す。

国士館も2009年以来10年ぶりの選抜出場。唯一の東京代表として結果を残したいところだ。

投手陣はともに技巧派右腕の白須と山崎の継投で勝負を挑む。白須はコントロールが良く、カットボールでバットの芯を外す投球が持ち味。四死球が少なく安定感が光る。山崎はスライダーとシンカーを使っベースの幅をいっぱいに使って打者を打ち取る。2人とも目立ったボールはないものの、確実に失点が計算できる投手だ。守りの野球が持ち味だけに2人の担う役割は大きい。

打線はパワーこそ不足しているものの、国士館らしい機動力を用いた攻撃で活路を見出す。1番黒川は屈指の俊足の持ち主であり、彼が塁上にいるだけで相手守備陣にはプレッシャーとなる。唯一昨夏のレギュラーとして残る彼の出塁がチームに勇気を与える。2番渡辺伸がつなぎ、3番冨田、4番黒沢の中軸コンビで返していきたい。下位にも足の速い選手が多く、特にチャンスに強い7番鎌田の活躍には期待が集まる。

かつては出場するたびにベスト4、ベスト8に進出していた「春の国士館」。名将・永田監督のもと復活を期す戦いが始まる。

福知山成美は近畿大会ベスト8ながら京都大会優勝の実績が評価されて選出。5年ぶりの選抜で前回のベスト8を超える活躍を見せたい。

絶対的エースの小橋は制球力とハートの強さが武器。身長も球威も目立つものはないが、アウトコースにきっちり投げ切るコントロールを持っており、投手として大きな武器だ。また、昨春は選抜優勝の大阪桐蔭を相手に2失点完投勝利を収めるなど、強打者にも果敢に向かっていくメンタルの強さも特筆ものだ。そのほか佐喜、橋本など力のある投手も控えているが、監督の信頼が最も厚いのは小橋だろう。

打線は8強入りした2006年夏や2014年春ほどの強打ではないものの、バラエティーに富んだ攻撃ができるのが強みだ。3番東原はバットコントロールに優れ、チャンスできっちり仕事のできる職人タイプ。小技のうまい2番人知とのコンビでチャンスをものにする。下位打線にも坂、神内など打力のある面々が揃っており、中軸を務める4番原、5番井戸の調子が上がればさらに得点が望めそうだ。近畿大会では履正社の左腕・清水を打てなかっただけに左投手の攻略もカギとなる。

過去2度の選抜ではともに初戦突破を果たしている福知山成美。今大会もまずは1回戦を突破して、そこからの上位進出を目指したい。

市立和歌山も近畿大会は8強どまりだったが、智弁和歌山龍谷大平安といった全国屈指の強豪とクロスゲームを演出。全国で戦える力は十分に持っている。

エースを務めるのは2年生左腕の岩本。昨秋は公式戦の大事な試合をほぼ一人で投げぬくタフネスさを見せた。130キロ台ながら手元で動くストレートと切れのあるカーブ、スライダー、ツーシームで抑える投球スタイルが彼の武器だ。2005年選抜出場時のエース左腕田島を思い起こさせる投手だ。控えは野手兼任の柏山だが、選抜は岩本一本でいくことになりそうだ。

近畿大会で強豪相手に互角の勝負に持ち込めたのは一にも二にも打線の奮起があったからだろう。広角に打ち分ける3番緒方、パワーヒッターの4番柏山を中心に上位から下位まで切れ目がない。2番下井田、8番瀧谷らつなぎの打順に好打者を配置しており、つながりの良さは全国でも引けを取らないだろう。確実に得点してエース岩本を援護したい。

夏の練習試合ではなかなか勝てない時期もあったが、敗戦を糧に強くなった。和歌山は智辯和歌山だけではないことを見せたいところだ。

2年連続出場の松山聖陵は3度目の甲子園で悲願の初勝利を狙う。

投手陣はエース根本と2年生平安山の二枚看板が軸。過去2度の出場ではアドゥワ(広島)、土居(ロッテ)といった長身の絶対エースを擁しての出場だったが、今回は継投が基本になりそうだ。根本も過去のエースにたがわず188㎝の長身投手だが、多彩な変化球を投げ分ける技巧が光る投手だ。一方、2年生の平安山は力のある真っすぐでぐいぐい押すスタイル。根本の変化球に相手打線が慣れてきたところで真っすぐ主体の平安山につないでいきたい。

打線は昨年同様に機動力豊か。パワーも兼ね備える1番大村が切り込み、2番坂本とのコンビはスピード感がある。そして、田窪、折田の中軸が返すのがパターンだ。下位を打つ8番岸田も俊足を誇り、そこで作ったチャンスを1番大村が返すことも多い。打線のなかで役割分担がきっちりなされており、各々が自分の仕事をこなすことで得点力が上がっていった。昨年の選抜は2桁安打を放ちながら、得点につながりきらない場面もあったが、今年はその轍は踏みたくないところだ。

昨年は近江打線の前にエース土居がつかまってしまい、主導権を奪えず敗れた。今年は序盤からペースを握って優位に試合を進めていきたい。

大分も3度目の甲子園出場。この選抜で初の甲子園1勝を狙う。

エース長尾は1試合平均1個ほどの四死球しか出さないコントロールが持ち味。ストレートのスピードは120キロ台でも抑えられるのは制球力があってこそだ。昨秋はほとんどの試合を一人で投げぬいたように、そのスタミナも特筆ものだ。九州大会準決勝では優勝した筑陽学園にも延長戦まで持ち込んでいる。3番捕手の江川のインサイドワークもよく、打てそうで打たれないバッテリーだ。

打線は上位偏重のきらいはあるものの、その上位打線は強力。大型のトップバッター足立が出塁し、3番江川、4番中尾と強打の中軸が返していく。九州大会準々決勝では神村学園を相手にコールド勝利を飾るなど、その力は過去の大分高校の中でもトップクラスに入るだろう。秋は元気のなかった下位打線がつながればさらなる得点も見込めそうだ。

過去2度の甲子園では日本文理中京と強打のチームに圧倒されて敗れた。この選抜ではその悔しさも晴らしたいところだ。

旋風なるか

東海大会準優勝の津田学園は決勝で東邦に大敗したものの投打に実力は秘めており、勝ち上がる可能性は十分にある。

エースの前はMAX148キロの速球が武器。多彩な変化球を持つものの、バロメーターはやはり真っすぐで抑え込めるかだろう。回転数も多く、本調子ならばそう簡単には痛打されない。力みのないフォームのため、打者はタイミングが取りづらい。2番手には軟投派左腕の栄が控えており、前が打ち込まれた時は救援で火消しにかかる。横手から140キロを投じる降井も控える。

打線の中心は4番の前川。昨秋の東海大会では3試合連続のホームランを放ったが、打撃に大味さはなくミート力の高さも兼ね備える。3番藤井は1年生時に夏の甲子園を経験しており、彼ら2人が津田学園の得点源となる。1番の大音は50メートルを6秒フラットで走る快足の持ち主。中軸の前に得点圏で回していきたい。

2017年夏の甲子園では初戦で見事なサヨナラ勝利。津田学園らしい元気のある野球でまずは初戦突破を狙う。

米子東は実に23年ぶりの選抜出場。かつて選抜準優勝の経験もある古豪が全国の舞台に挑む。

エース左腕の森下は球速は130キロ台だが、粘り強い投球スタイルで昨秋は接戦続きの中国大会を投げぬいた。内外角を丁寧につく制球力にも優れており、見た目以上に打たれ強い投手だ。右打者のインサイドを突く気の強さもあり、選抜での好投が期待される。土岐、岡本の2投手も伸び盛りであり、選抜での登板があるかもしれない。

チーム打率こそ高くないものの、中国大会では準決勝までの3試合で平均7点を挙げており、得点力は高い。軸は4番福島悠だ。中国大会では5割に迫る打率で9打点を挙げ、紛れもなくチームの得点源であった。3試合で決勝打点を挙げるなど勝負強さもピカイチだ。岡本、山内の1,2番は出塁率が高く、下位の土岐、福島康も粘り強い打撃を見せる。チーム全体にしぶとい打撃が浸透しており、小柄ながら決して侮れない打線だ。

県下屈指の進学校ながら確かな力を秘める米子東。全国の強豪相手にどんな試合をするか注目だ。

市呉は2年ぶり2度目の選抜出場。前回大会に続く初戦突破を狙う。

技巧派右腕の沼田仁はインサイド・アウトサイドにきっちり制球出来るコントロールが持ち味。武器のスライダーは切れ味抜群で、右打者のアウトサイドに逃げるボールは大きな武器だ。昨秋は公式戦をほとんど投げぬいたようにスタミナも抜群だ。フィールディングもよく、投手としての総合力が高い。選抜でも好投が期待できる。

打線は広島のチームらしく、盗塁やエンドランなど機動力を存分に生かした野球を展開する。また、上位から下位まで切れ目がなくすべての打順の選手が満遍なく打点を稼いでいるのも特徴だ。その中でも4番の沼田歩は左打席から大事な場面で一打を放つことが多く、彼の前に1番塩田、2番上垣内がチャンスを作って回していきたい。

2年前は開幕戦に登場し、至学館に延長の末に勝利を飾った。今大会もね部り強い野球でまず1勝を狙う。

 

2002年夏に出場経験のある日章学園は選抜初出場。まず甲子園1勝を狙う。

投手陣はエース石嶋と技巧派右腕・寺原の2枚看板で形成する。石嶋は九州大会で九州国際大付の強力打線を相手にリリーフで好投。緩急をつけた粘りの投球で見事な火消し役を演じた。寺原は球速こそないものの、こちらもカーブを巧みに使って相手打線をかわす。2人とも完投能力があり、畑尾監督の采配に注目だ。

打線は昨夏の宮崎大会で聖心ウルスラの好投手・戸郷(巨人)を打ち崩したメンバーが残り、強力だ。140キロ台の速球と切れのいいスライダーを想定して練習してきただけに、並の投手ならとらえることは可能だろう。現に九州大会ではMAX145キロを誇る九州国際大付の剛腕・下村を攻略。特に1番福山から5番石嶋までのラインアップは抜群の得点力を誇る。4番平野の一発にも期待が高まる。

昨年からのメンバーが多く残っており、経験は豊富。チームワークもよく、団結力で上位進出を狙う。

21世紀枠

石岡一は茨城から初出場。甲子園初勝利を狙う。

エースは最速147キロを誇る本格派の岩本。均整の取れた体格から投じる速球とスライダーを武器としており、明秀日立・土浦日大・藤代といった県内の強豪と渡り合った。投球回数を上回る数の三振を奪っており、全国の強豪との戦いに期待が高まる。

打線は2年生の4番飯岡、5番武田、6番中山の3人がポイントゲッター。飯岡は打力だけでなく、50メートル6秒2と快足も誇る。1番酒井、2番古屋、3番滑川の3人も足が速く、上位陣の機動力は確実に計算できる。強打のチームに打ち負けなかった打力は全国でも十分通用しそうだ。

昨年は茨城から初出場の明秀日立が2勝をマークした。その活躍に石岡一も続きたいところだ。

富岡西は昨秋の四国大会で4強入り。念願の甲子園出場を果たした。

エースの浮橋は最速140キロの伸びのある速球にスライダー、カーブ。チェンジアップ、カットボールと多彩な変化球を持つ本格派右腕だ。21世紀枠とはいえ、浮橋の実力は確実に全国レベルだろう。課題の立ち上がりをうまく切り抜ければ、好投が期待できる。

打線でも軸となるのは4番の浮橋。フルスイングから長打を生みだす打撃で、要所でチームを勝利に導く一打を放ってきた。3番坂本、1番山崎ら上位陣のスイングは鋭さがあり、浮橋の前にチャンスメークして回していく。四国大会では打ち勝って4強を勝ち取っただけに、全国の舞台でもその強打は見ものだ。

徳島大会ではなんどもあと一歩のところで跳ね返されてきたが、いよいよ念願の舞台を踏む富岡西。彼らの活躍に期待が高まる。

熊本西は1985年夏以来の甲子園。その時に続く初戦突破を狙う。

エースの霜上はオーソドックスな右の本格派。最速137キロの速球にカーブ、チェンジアップ、スライダーを交えて打たせて取る。接戦での勝負強さがあり、熊本西の絶対的エースとして君臨する。中学時代には捕手もしていたように、配球の術も心得ている。

打線でも中心は霜上。4番堺と5番中本と形成する中軸は強力だ。下位にも勝負強い打者が並んでおり、何より最後まで試合をあきらめない粘り強さを持っている。甲子園でも粘りの攻撃を見せたいところだ。

全員が地元出身で仲の良さもチームの特徴。昨夏の金足農のような活躍が期待される。

-2019年, 各大会優勝予想, 選抜高等学校野球大会

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