1試合毎振り返り 2018年 全国高等学校野球選手権大会

【振り返り編】2018年夏の甲子園  佐久長聖vs旭川大高(2日目第4試合)

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1回戦 大会2日目第4試合

佐久長聖

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
2 0 0 0 0 0 0 2 0 0
0 1 2 0 0 0 0 0 1 0

旭川大

11 12 13 14
0 0 0 1 5
0 0 0 0 4

 

佐久長聖   林→小嶋→北畑

旭川大    沼田→楠茂

ついに大会史上初のタイブレークの試合が誕生した。両チーム死力を尽くした激闘は佐久長聖が延長14回に決勝点をたたき出し、4年ぶりの初戦突破を果たした。

試合

強力打線の佐久長聖が旭川大の剛腕・沼田をとらえられるかが焦点だったなかで、いきなり佐久長聖が初回に先手を取る、1番真銅がコンパクトな打撃で沼田のストレートをとらえてセンター前ヒットで出塁すると、パスボールで進塁後に2番上田の絶妙なバントが失策を呼んで、真銅が生還。打者2人で1点を奪う。さらに4番・西藤の当たりが三遊間を緩い当たりながら抜けていって2点目。上位打線が沼田の得意とするボールに力負けせずに2点を先取する。

しかし、2回以降は旭川大・沼田は立ち直る。140キロ台を常時記録するストレートと低めに制球されたスライダーで3回には初回にヒットを打たれた1番真銅、4番西藤をそれぞれ三振と併殺に打ち取ってリズムに乗る。

これに呼応するように打線も奮起し、2回裏には5番佐々木涼のレフト線への2塁打と7番沢口のライト前ヒットで1点。初回からこちらも140キロ台のストレートで押す佐久長聖のに対して食らいつく。3回裏には2アウトから四球でランナーを出すと、3番菅原・4番持丸の連打に相手の暴投も絡んで逆転に成功。の高めに甘く入るボールを逃さずに攻略に成功した。

その後は両投手が好投で0行進が続く。旭川大の沼田は噂にたがわぬ好投を披露。佐久長聖打線も4回表には5番樋口・6番斎藤の連打でチャンスを作るが、スコアリングポジションにランナーを背負ってからの集中力が高く、相手のバントミスにも助けられてピンチ脱出。逆に佐久長聖は4回までに3つの併殺を記録してしまい、沼田攻略のチャンスを逃してしまう。

一方、佐久長聖のも打ち込まれながらもなんとか踏ん張る。5回裏には捕手・小山の好送球でランナーを刺すと、その後2安打に四球で満塁のピンチを招くが5番佐々木涼を打ち取って事なきを得た。旭川大としてはこの回の攻撃で1点でも取れていれば展開は変わったか。また、ショートの上田は再三の好守備でを盛り立ててアウトを重ねていった。

旭川大・沼田の前になかなかチャンスを作れない佐久長聖は7回表には6番斎藤が左中間を破る長打性のあたりを放つも3塁を狙ってタッチアウト。後半に入って初球から積極的に打ちに来る相手に対して、沼田中筋のバッテリーは初球をボールの変化球で入るなどして相手打線をうまくかわしていく。内野陣も難しい打球を再三の好守でしのぎ、両チームとも高い守備力で守り合う展開となった。

しかし、8回表に思わぬところから試合は暗転する。2アウトから2番上田のレフトへの微妙なヒットと3番上神の四球で1,2塁となり、打席には4番西藤。PLのノックアウトマーチが鳴り響く中、西藤が放ったレフトへのフライは風に流されてまさかの落球。逆転のPLの応援歌が不穏な空気を運んできたか、思わぬプレーで佐久長聖が試合をひっくり返した。

佐久長聖は7回に小嶋、8回から北畑と長野大会を勝ち抜いた3本柱を惜しげもなく投入。全員が140キロ台を記録するストレートを投げ、力の投球で逃げ切りを図る。しかし、土壇場9回裏に今度は旭川大が粘りを発揮。先頭の沢口がコンパクトな打撃でセンターにはじき返すと、送って1アウト2塁で打席には沼田を好リードしてきた捕手・中筋。粘って外角の変化球をうまく拾った打球はレフト線ぎりぎりに落ちる同点のタイムリーヒット。勝負強さを見せて試合を振り出しに戻す。

そのまま延長戦に突入した試合は旭川大の2番手の左腕・楠茂と佐久長聖の3番手・北畑が好投。楠茂は出所の見にくいフォームから内外への投げ分けで佐久長聖打線を封じれば、北畑は140キロ台の速球を武器に攻めの投球。10回裏には3四球で満塁のピンチを招いたものの、後続を何とか打ち取ってピンチを脱出。またしてもショート上田の好守に助けられた。

そのまま試合は11回、12回と両チーム無得点に終わり、ついに長い高校野球の歴史の中で初となるタイブレークに突入した。

無死1.2塁から始める攻撃となり、両チームともまずはセオリー通りに送りバントを試みた。佐久長聖はバント失敗で一度チャンスをしぼみかけたものの、ファーストへの微妙な当たりが失策となり満塁に。しかし、ここは楠茂が低めへの投球を徹底して後続を打ち取った。一方の旭川大は犠打を成功させて1アウト2,3塁のチャンスを作ったものの、期待の2.3番が凡退。初めてのタイブレークのイニングは両チームとも得点を上げることはできなかった。

タイブレークを見ていると、ころころと状況が変わるなかでいかに冷静に守ることができるかが大事になると感じたが、各チームはこういう状況に応じた練習を普段からよくこなしているであろうし、タイブレークになったからと言って野球の質が変わるようなことはないように感じた。

そして、長かった試合も14回にようやく決着を見る。1番真銅が絶妙なセーフティバントで出塁して無死満塁のビッグチャンスを築くと、ショートで再三の好守を見せていた2番上田が高いバウンドのセカンドゴロを放って3塁ランナーが生還。5-4と1点をリードする。その裏、旭川大の攻撃を北畑が最後は併殺に切って取ってゲームセット。大会史上初となった試合はお互いの攻守が光った好ゲームであった。

 

まとめ

佐久長聖は終盤は再三のピンチを招いたものの、ショートの上田を筆頭とした守備陣の好プレーが投手陣を支えて競り勝った。PL学園出身の藤原監督により攻撃野球が浸透してきた佐久長聖だったが、守備がしっかりしていてこその野球であることを改めて感じさせた内容であった。3番手右腕の北畑は2年生ながらサヨナラのピンチを幾度も乗り越える強心臓ぶりを発揮。歴史に残る好勝負を制した佐久長聖が4年ぶりに夏の勝利をもぎ取った。

一方、敗れた旭川大も8回の落球こそあったものの、内外野とも幾たびにもわたる好プレーでエース沼田と左腕・楠茂を支えた。試合内容は全く劣っておらず、旭川大に勝利が転がり込んでもおかしくない内容であった。沼田は140キロ台の速球にキレもあり、さすが北の剛腕と言われるだけの好投手だった。今回も勝利をつかむことはできなかったが、こういう内容の試合を続けていれば1993年以来の甲子園勝利をつかむ日も遠くないだろうと感じさせた。

 

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