1試合毎振り返り 2018年 全国高等学校野球選手権大会

【振り返り編】2018年夏の甲子園 下関国際vs木更津総合(13日目第3試合)

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3回戦 大会13日目第3試合

下関国際

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 2 0 0 0 0 0 1 1 4
0 0 1 0 0 0 0 0 0 1

木更津総合

 

下関国際   鶴田

木更津総合  根本→篠木

機動力野球の下関国際と打力が売りの木更津総合。高い総合力を持つ両チームの対戦は持ち味を発揮した下関国際がエース鶴田の好投もあり、木更津総合を振り切った。

試合

木更津総合の先発は2年生の速球派右腕・根本。立ち上がり、下関国際の1番浜松にそのストレートをライト前にはじき返さ、2番甲山にもエンドランを決められて無死1,2塁とピンチを招く。しかし、続く3番川上の犠打を失敗させ、ショート神子の好判断もあって打ち取ることに成功。4番鶴田、5番吉村も落ち着いて打ち取り、ピンチをしのぐ。

対する下関国際の鶴田は2番神子のヒットなどで1,2塁のピンチを招くが、4番野尻をアウトコースへのツーシームをひっかけさせて併殺打に打ち取り、こちらもピンチをしのぐ。下関国際の浜松-甲山の二遊間は安定した守備力を誇る。

初回から激しく攻め合う両チーム。先取点が是が非でもほしい展開の中、得点の門をこじ開けたのは下関国際だった。2回表、6番木村の死球と7番西山の犠打失策で無死1.3塁とチャンスを広げると、8番品川のファーストゴロエラーで1点を先制する。木更津総合としては立て続けにエラーが続いての嫌な失点。さらに9番佐本が進塁打を放って1アウト2,3塁とすると、1番主将の浜松がきっちりレフト前にはじき返して2点目を挙げる。

先制点を与えてしまった木更津総合は今大会初めて追いかける展開に。左打者が鶴田のツーシームに苦しむ中で3回裏に右打者の1番が仕事を果たす。鶴田のアウトコースのツーシームを豪快に引っ張ると、打球はレフトスタンドへ飛び込むソロホームラン。自身、2回戦の興南戦に続く一発となり、1点差に詰め寄ることに成功する。

ここから試合はやや木更津総合が押し気味の展開となる。木更津総合は根本が140キロ台中盤の速球を武器に、変化球でも徐々にカウントが取れるようになって力で下関国際打線を抑え込む。4、5回は合わせて4三振を奪うなど、真っすぐは分かっていても詰まらされる力があり、来年が楽しみな投手だ。

根本を援護したい木更津総合打線だが、下関国際のエース鶴田を捕まえられそうで捕まえきれない。4回裏には3番山中、4番野尻がともに逆方向へ連打して無死2.3塁と大きなチャンスを築くものの、鶴田の我慢強い投球と下関国際の硬い守備陣の前に得点を挙げることができない。このあたりに接戦を勝ち抜いた下関国際の強さが垣間見えた。

5回にも内野安打と死球で木更津総合はチャンスを築くが、ここでも鶴田の踏ん張りの前に無得点に終わる。木更津総合の各打者は徐々に鶴田のボールに対応し始めるが、勝負所でのインサイドの真っすぐと外角を突くツーシームに左打者が苦戦。上位に4人並ぶ左打者陣をピンチで抑えたことが大きかった。7回裏にはファーストへのファールフライで2塁からタッチアップを狙った走者をファーストの佐本が見事な送球で刺し、またも下関国際守備陣の牙城を崩しきれない。

追いつけそうで追いつけない木更津総合は先発の根本が7回まで126球の熱投。結局、2回に失点は2回の2点のみで、先発の役割を十二分に果たした。しかし、代打を出した関係で8回から2番手の1年生右腕・篠木に交代すると、その継ぎ目を下関国際が逃さず攻め立てる。8回表に先頭の甲山が四球で出塁。盗塁と犠打で1アウト3塁となると、4番鶴田に今大会初ヒットが出て追加点をたたき出す。投打の要に1本が出たことはチームにとっての鶴田にとっても非常に大きかった。

点差が2点となった木更津総合は8回裏に3番山中の四球と5番神山のヒット、6番太田の四球で満塁のチャンスを築く。終盤に入って左打者が鶴田のツーシームをとらえだしていたが、続く7番代打の松山がセカンドゴロに倒れてこの回も無得点に終わる。この当たりもセカンド浜松の堅実な守備が光り、中盤以降毎回スコアリングポジションにランナーを進めながら得点には至らない。木更津総合としてはもどかしい展開であった。

大きなピンチをしのいだ下関国際は9回にさらに追加点を挙げる。先頭の8番品川がライト前へのヒットで出塁すると、送って1アウト2塁から1番浜松が右中間を破るタイムリー2塁打を放ち、勝負を決定づける4点目。この日は金足農-横浜戦もそうだったが、風の影響で右方向への打球がよく伸びた。主将がベスト8を大きく手繰り寄せる一打を放った。

3点のリードをもらった下関国際・鶴田は9回裏も代打・富島がヒットを放つが、最後は1番がまたしても下関国際の併殺網にかかって3アウト。下関国際が徹底した守りの野球で木更津総合の猛攻を封じきり、ベスト8進出を決めた。

まとめ

下関国際はエース鶴田を堅い内野守備で支えての勝利。機動力を活かした攻めも見事で、山口県勢としては2005年の宇部商以来のベスト8進出を果たした。鶴田は再三ランナーを背負ったが、勝負所でコントロールを間違わなず、守備陣も甲山-浜松の二遊間が難しい打球を難なくさばくなど硬い守備でエースを盛り立てた。足を絡めた攻めもはまり、先手を取れたことも大きかっただろう。好投手・堅守・機動力と山口県らしい好チームが接戦を見事に勝ち抜いた試合となった。

一方、木更津総合は9安打を放って好投手・鶴田を攻め立てたが、あと一本が出ず。先発した右腕・根本は自慢の真っすぐを武器に仕事を果たしただけに惜しまれる展開となった。1,2回戦と打線が先制して常にいい流れの中で戦っていたが、この日は初めて追いかける展開で焦りがあったのかもしれない。流れの引き寄せ合いに負けた印象の試合であった。ただ、激戦の千葉を3年連続で勝ち抜いて甲子園でも勝ち上がる姿はすっかり強豪校の貫禄がついてきた印象がある。新チームには根本・篠木と甲子園を経験した投手が残り、来年も木更津総合らしいチームで戻ってくることを楽しみに待ちたい。

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