1試合毎振り返り 2018年 全国高等学校野球選手権大会

【振り返り編】2018年夏の甲子園 大阪桐蔭vs浦和学院(14日目第1試合)

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準々決勝 大会14日目第1試合

大阪桐蔭

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 1 1 0 1 6 0 1 1 11
0 0 0 0 2 0 0 0 0 2

浦和学院

 

大阪桐蔭   根尾→柿木

浦和学院   渡辺→永島→河北→渡辺

2012年の選抜以来の対戦となった東西の優勝候補同士の一戦。中盤の集中打で浦和学院を突き放した大阪桐蔭が大勝で4強一番乗りを果たした。

試合

焦点は2試合連続無失点ピッチングの浦和学院・渡辺を大阪桐蔭打線がどう仕留めるかであった。その渡辺は立ち上がり大阪桐蔭の強力打線を相手に自慢のスライダーで2三振を奪うなど、3者凡退で退ける絶好の立ち上がりを見せる。

一方、大阪桐蔭の先発は2回戦の登板となる根尾。こちらも初回に浦和学院の上位打線を相手にストレート主体の投球で四球こそ与えたものの3人で切り抜ける。初回は両チームとも静かな立ち上がりであった。

そのムードを一変させたのは2回表の根尾の打撃であった。1アウトから打席に入ると、渡辺の高めのストレートをとらえた打球は逆方向へぐんぐん伸びて左中間スタンドに突き刺さる先制のソロホームラン。渡辺に今大会初となる失点をつける、大きな先取点であった。この逆方向へしっかりはじき返せる打撃が根尾の持ち味の一つだろう。

さらに3回表にも渡辺を攻めつける大阪桐蔭打線は、先頭の9番井阪のヒットを足掛かりに野選も絡んで1アウト満塁のチャンスをつかむと、4番藤原のファーストへの内野安打でもう1点を追加。しかし、続く満塁のピンチで渡辺根尾・石川を外野フライに抑え込んで最少失点で切り抜ける。渡辺は3回戦の完封の疲労もあってストレートが高めに浮きがちであったが、大阪桐蔭打線を相手に前半よくしのいでいた。

なんとか渡辺を援護したい浦和学院打線だが、根尾の荒れ球の前になかなか的を絞り切れない。2回、4回と先頭打者を出すもののランナーを進めることができず、無得点に終わる。ここは大阪桐蔭相手ということもあって1点ではなく複数得点を狙っての強攻策だったが、要所でコーナーに決まる根尾のピッチングの前にチャンスを広げることはできなかった。

すると、5回表に大阪桐蔭は再び長打で試合を動かす。それまでインコース攻めで当たりを封じ込められていた4番藤原がインサイドややボール気味のストレートをはじき返した打球は、ライトスタンドへ飛び込むソロホームランとなり、大阪桐蔭がリードを3点に広げる。この打撃には浦和学院バッテリーも唖然とした表情。あのコースをホームランされたのではたまったものではないだろう。個人的には2006年夏の3回戦の青森山田vs駒大苫小牧戦、苫小牧の3番中沢の同点ホームランが思い出された。

ショッキングな一打を浴びた浦和学院だが、関東の強豪校としてただで引き下がるわけにはいかない。5回裏、6番後藤の四球と7番上野のうまい流し打ちで下位打線からチャンスを作ると、8番小町のショートゴロの間に1点を返す。さらに2アウト2塁からキーマンの一人でもある1番中前のセカンドへの打球が二塁手の手前でイレギュラーしてライトに転がる間にもう1点。5回を終わって1点差に詰め寄ることに成功する。

序盤から大阪桐蔭が押し気味に進めていた試合だったが、この回の攻撃で一気に1点差に詰め寄ったことは試合の流れの上で非常に大きかっただろう。大阪桐蔭としても嫌な展開になりつつあったが…

グラウンド整備が終わり、流れが変わりやすい6回表に大阪桐蔭が一気に攻勢を仕掛ける。先頭の7番山田が四球を選び、犠打で送ったところで浦和学院は左腕の永島にスイッチ。しかし、その永島が連続四死球を与えて1アウト満塁とピンチが広がると、2番青地から4番藤原まで3者連続のタイムリーヒットで一挙5得点。アウトコースのボールに対して体を開かずにセンターから逆方向へはじき返す打撃で左腕投手を攻略した。この回、3番手の河北からもタイムリーヒットが飛び出して9-2と大きくリードを広げた。

反撃したい浦和学院だが、6回から2番手で登板した柿木の力のある速球の前に中盤以降なかなかランナーも出すことができない。柿木はこれで2回戦から3試合連続のリリーフ登板となり、救援経験も豊富。浦和学院としても6回から再び元気十分の150キロ投手に出てこられては苦しかっただろう。

追撃の手を緩めない大阪桐蔭は8回には藤原がこの日2本目のホームランを、そして9回には石川がソロホームランを放ち、この試合1チーム4本のホームランを記録。長打で圧倒した大阪桐蔭が浦和学院のリベンジを許さずに4強進出を決めた。

まとめ

大阪桐蔭はこれで対関東勢は春夏合計で19勝2敗(負けたのは斎藤佑樹の早稲田実と早川隆久を擁した木更津総合)。無類の関東キラーぶりを発揮している。一発長打で相手の守りのリズムを奪い、中盤には継投のスキをついて畳みかけるなど、主導権の奪い方が巧みなチームであることを実感させられた。投げては根尾から柿木への継投で浦和学院の強力打線を5安打2失点に封じ込めた。特に柿木の安定感は大会に入ってからますます増しており、3人の投手の中でも頭一つ抜けた存在になりつつある。王者が盤石の内容で4強進出を果たした一戦となった。

対する浦和学院は2,3回戦と零封勝ちし、万全の状態で臨んでいたが、やはり大阪桐蔭の壁は厚かったというところだろう。エース渡辺は過去2戦と比べてボールが高く、2本のホームランを被弾。5回裏には反撃を見せて流れを引き寄せかけたかに見えたが、6回の継投で左腕の永島が制球に苦しんだことが痛かった。だが、この回の攻撃についても大阪桐蔭の分厚く粘り強い攻撃を褒めるべきと言えるだろう。

昨夏、花咲徳栄に夏の全国制覇の先を越された浦和学院。しかし、この夏はそのライバルよりも甲子園に長り、仙台育英へのリベンジも果たした。実力の高さは十分見せた夏だったと言えよう。来年以降も県内のライバルと切磋琢磨しながら、夏の頂点への戦いは続く。

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