1試合毎振り返り 2019年 選抜高等学校野球大会

【振り返り編】2019年春選抜  山梨学院vs札幌第一(3日目第3試合)

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1回戦 大会3日目第3試合

札幌第一

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 1 1 0 1 0 0 0 0 5
10 2 0 3 2 2 0 5 × 24

山梨学院

 

札幌第一  山田→野島→近藤→畠山→上井→斉川

山梨学院  相沢→佐藤→中込→木村

実力校同士の一戦は初回から山梨学院打線が猛打を見せて札幌第一を圧倒。4番野村の2ホームランなど24安打24得点という記録的な猛打で豪快に初戦を突破して見せた。

試合

試合は初回で体勢が決まった。札幌第一はエース野島ではなく、右腕・山田が先発。意表を突いた起用であったが、これが裏目に出た。

山梨学院は先発左腕の相沢が初回のピンチを0点に抑えると、その裏に1アウトから2番菅野がインサイド甘めのストレートを思い切り引っ張って打球はライトスタンドへの先制ホームランとなる。これが猛攻ののろしとなった。山田は変化球の制球に苦しみ、ストライクを取りに来た甘いストレートをことごとくとらえられる。菅野から四球を挟んで7番栗田まで5連打。山梨学院の吉田監督もエンドランを敢行するなど、相手投手の苦しむ場面を逃さない采配が光った。

逆に札幌第一の菊池監督としては継投を視野に入れていただろうが、山梨学院の息もつかせぬ連打の前になかなか交代のタイミングをつかみづらい状況になってしまった。結局、先発の山田は打者一巡の猛攻で6安打を浴びて降板。甲子園の先発マウンドは苦いものとなった。札幌第一はエース野島をマウンドに送って流れを変えようとするが、一度傾いた情勢は変わらない。2番菅野のタイムリーの後、3番野村に特大の3ランを浴びて初回で早くも10点の差がついた。

山梨学院はホームランを放った3番野村の長打力はさすがの打球であったが、それ以外の打者の技量も素晴らしかった。コンパクトなスイングでセンターから逆方向への打球でヒットを連ね、それでいて投球に押し負けないパワーも擁していた。吉田監督が自信を持つのもうなずける強打ぶりであった。

一方、初回でエース野島が降板してした札幌第一は2回以降、打線が必死の反撃を見せる。2回は先頭の5番大宮の逆方向へのヒットからチャンスメークすると、8番近藤が低めの変化球をうまく拾って初得点。さらに3回には先発した山田が汚名返上とばかりにセンター前にテキサスヒットのタイムリーを放って2点目を挙げた。ただ、大量失点したこともあって攻撃の選択肢が狭まったことが否めず、併殺打や牽制アウトなどで大量得点には至らなかった。

それに対して、山梨学院の打線は4回以降も複数得点を重ねる。相手の絶対的エース野島がマウンドに上がれなくなったことも大きく、札幌第一が繰り出す投手陣かtらことごとく得点を重ねた。打つだけでなく、四球をもぎ取ってランナーをため、犠飛を打つべき場面では犠飛を放つなど、そつのない攻撃が目についた。6回を終わって早くも得点は19点に達していた。

なかでも2番の菅野と3番野村の働きは出色。菅野は左中右とすべての方向に打球を打ち分けて、チャンスメークも自分で決めることもできる理想の2番打者であり、ここ数年のトレンドともいえる「攻撃的2番」の役目をきっちりと果たした。また、野村は8回に回ってきた第6打席で再びアウトコースのストレートをセンターにはじき返し、2本目のホームランをマーク。腕が伸びて自分のポイントでとらえた打球は確実にスタンドへと届いた。「山梨のデスパイネ」の異名にたがわない飛距離であった。

大量リードを許した札幌第一も最終回に意地の反撃を見せる。山梨学院の中込木村から代打・木田以降の4連打で2点を返し、この試合計11安打で5点をマーク。このままでは終われないという、各選手の意地が見られたような攻撃であった。しかし、最後は2番斎川の併殺打で試合終了。山梨学院がともに大会記録となる24安打24得点の猛攻で、初戦突破を果たした。

まとめ

山梨学院は2006年の決勝の横浜高校以来となる20得点以上を記録。派手な記録に目を奪われがちになるが、攻撃の内容は決して大味ではなく、点差が開いても逆方向への打撃を貫きとおした。清峰時代に小柄な選手が多いにも関わらず、パワフルな打線で全国を席巻した吉田監督にとっても、より選手の集まりやすい私立校で理想の打線が出来上がったことだろう。心配された投手陣は大量リードもあって、安定したピッチングを展開。全国に「強打の山学」を全国にアピールした一戦となった。

一方、札幌第一にとっては投手陣のやりくりの失敗が最後まで尾を引いてしまった。先発の山田は投球練習からボールが高めに浮き、最後まで自分のリズムをつかめずに降板。また、2番手で登板したエース野島はホームランを打たれて早々にマウンドを降りることとなったが、チーム内での実力を考えると、グラウンドの中には残しておくべきだった。しかし、打線は最後まで反撃の姿勢を崩さず5点を返したように、決して全国レベルの力を持っていないわけではない。思えば、1998年の夏に準優勝した京都成章も選抜では岡山理大付に2-18と大敗を喫したところからスタートした。札幌第一にも夏のリベンジのチャンスは当然残っており、捲土重来を期待したい。

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