1試合毎振り返り 2019年 選抜高等学校野球大会

【振り返り編】2019年春選抜  明石商vs国士館(5日目第1試合)

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1回戦 大会5日目第1試合

国士館

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 1 0 0 0 0 0 1
0 3 0 0 0 0 1 3 × 7

明石商

 

国士館  白須→山田→石橋

明石商  中森

東西の強豪同士の一戦は明石商がエース中森の快投で序盤から試合のリズムをつかんで快勝。3年ぶりの選抜で再び初戦突破を果たした。

試合

明石商の先発は昨夏も甲子園のマウンドを経験した2年生エースの中森。初回から最速146キロのストレートを武器に国士館の上位打線のバットを押し込み、多彩な変化球も駆使して打ち取っていく。肘の使い方が柔らかく、無理のない投げ方から投じる切れのあるボールはとてもまだ2年生とは思えないほどの威力を見せた。

これに対して、国士館は昨秋はすべての試合を継投で乗り切ってきた。先発の白須はイニングと同じだけのヒットは浴びたものの、手元で動くボールを武器に打たせて取る投球でピンチを切り抜けてきた。こちらも初回はマークしていた3番重宮を併殺に打ち取って0点でしのぐ。

2回表に国士館は先頭打者の四球にヒットも絡めてチャンスを作るが、犠打失敗などもあって得点機を逃す。すると、2回裏に入って明石商打線が白須を捕まえる。例年は犠打を主体とした手堅い攻撃が持ち味だが、今年は各人の打力にも狭間監督は自信を見せる。2アウトから6番岡田がアウトコースのスライダーをうまくミートして内野安打で出塁すると、7番河野は高めのボールをきっちりライトへはじき返してチャンスを拡大する。

この回、白須は決して制球が乱れていたわけではないが、明石商の各打者の粘り強い選球と塁上からのプレッシャーで徐々にカウントを悪くしてしまう。8番清水には四球を与えて満塁となると、打撃もいい9番中森にも連続となる四球となって押し出しで1点を献上する。さらに満塁から注目の強打者の1番来田にライトへの2点タイムリーを浴びて3-0。白須の球数は2回で50球に達しており、明石商の分厚い攻撃がじわじわと相手を追い込んでいった。

援護点をもらった中森は球威のある真っすぐとコーナーに決まるスライダー、チェンジアップ、フォークで国士館打線を牛耳る。なんとか突破口を見出したい国士館打線は4回に反撃を開始。先頭の4番黒沢が振り逃げで出塁すると、5番森中は高めのボールをコンパクトなスイングでセンターに落とし、チャンスを広げる。その後、2アウト1,3塁となって、8番白須が2回裏のお返しとばかりにアウトコースのストレートをきれいにセンターへはじき返し、1点を返す。

畳みかけたい国士館は、9番伊藤のセーフティバントが内野安打となって満塁となる。機動力野球全開の理想の攻撃で1番黒川に回したが、ここは中森の球威に押されてライトフライ。国士館にとってはあと一押しができず、同点のチャンスを逃した。

ピンチをしのいだ明石商は中森が5回以降ヒットこそ打たれるものの、得点圏に走者を許してからギアを入れ替える投球で決定打を許さない。5回には2アウト1,3塁のピンチを招くが、6番鎌田の痛烈な当たりはファーストの正面を突き得点には至らなかった。

対する国士館・白須も緩急を活かした投球で3回以降は明石商打線を抑え込んでいく。明石商にサイン違いやバントミスなどもあり、6回裏にはスクイズ失敗のダブルプレーなどらしくない攻撃も見られた。とはいえ、国士館はサード伊藤の好守備などチーム全体で粘り強く守っている印象だった。中盤以降、両チームの守り合いの展開が続いた。

次の1点が先に欲しい局面となったが、7回裏についに試合が動いた。明石商は四球にバッテリーミス、そして犠打とノーヒットでチャンスをつかむ。ここで国士館は2番手の田をマウンドに上げるが、1番来田への投球が暴投となって大きな4点目が入る。3回以降しのぎにしのいできた国士館だったが、この回はミスから点を失ってしまった。

追加点を挙げて落ち着きを取り戻したか、8回裏にとどめを刺しに行く。先頭の5番溝尾がヒットで出塁すると、犠打で進塁後に下位打線が3者連続で四死球をもぎ取る粘り腰。押し出しで1点を追加すると、1番来田の犠飛と2番水上のテキサスタイムリーでこの回3点を追加した。各人が自分の役割を心掛けて四球を取れる場面では取り、打つべき人が打つという理想の攻撃であった。

中森は結局、国士館打線に9安打を浴びながらも1失点で完投。奪三振10で四死球1とチームに守りのリズムをもたらす投球で、2年生ながら貫禄の投球内容であった。明石商が前回大会に続き、らしい野球で初戦を突破したい試合であった。

まとめ

明石商は投打に抜け目のない内容で、2回目の出場ながら、まるで甲子園で何十勝もあげているような老獪な野球を見せた。中盤にやや攻撃にミスが目立ったとはいえ、スタメンの各人が野球を実によくわかっていると感じさせられた。選球眼の良さや次の打者へのつなぎの意識など、相手チームにとっては真綿でじわじわ首を絞められているような感覚だっただろう。エース中森も要所で球威のある速球をコーナーに集め、緩急もまじえて国士館打線に決定打を許さず。名将・狭間監督が作り上げてきた兵庫の常勝チームが全国にその強さをアピールした。

対して10年ぶりの出場となった国士館は敗れたとはいえ、試合内容は決して悪くはなかった。打線は中森の高めに浮くボールによく食らいついて9本のヒットを集め、機動力も絡めて明石商守備陣を苦しめた。守りでは終盤に崩れてしまったとはいえ、中盤までは粘り強く2点差で食らいつくしぶとさを見せ、東京王者としての誇りは見せたと言っていい内容だっただろう。力及ばずながらも自分たちのできることはしっかり行えており、こういう野球を続けていれば、次は10年もたたずに再び甲子園に戻ってこれるのではないだろうか。こちらも名将の永田監督のもと、捲土重来に期待したい。

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