1試合毎振り返り 2019年 選抜高等学校野球大会

【振り返り編】2019年春選抜  東邦vs広陵(8日目第1試合)

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2回戦 大会8日目第1試合

東邦

1 2 3 4 5 6 7 8 9
2 0 4 0 0 0 3 3 0 12
0 0 0 0 0 0 0 2 0 2

広陵

 

東邦   石川→奥田→植田→道崎

広陵   河野→石原→森→高

選抜優勝経験のある強豪同士の対戦は東邦打線が序盤で広陵のエース河野を攻略。思わぬワンサイドゲームで東邦が2005年以来となるベスト8進出を決めた。

試合

投打に充実する強豪同士。2回戦屈指の好カードは投打のバランスで上回る広陵がやや優位かと思われた。

しかし、初戦で150キロを計測し、完封勝利を挙げた河野に対して東邦打線が襲い掛かる。1回表、東邦は2番杉浦が追い込まれながらも粘って四球を選ぶ。3番石川はサードゴロでランナーが入れ替わるも、4番熊田の打席ですぐに盗塁を敢行。立ち上がりから攻めの姿勢を見せる東邦は4番熊田もフルカウントから四球をもぎ取ると、5番吉納・6番長屋がそれぞれスライダー、ストレートをとらえて連続タイムリーを放ち2点を先制する。

河野は初戦と比べてストレートの走りは今一つだったが、決して制球を乱していたわけではなかった。各打者に対してストライク先行の投球はできていたが、決め球の精度をやや欠いた印象はあり、東邦の各打者の粘りの前に根負けしてしまった。逆に言えば、河野に本来の調子を取り戻させなかった東邦の積極性が上回ったということだろう。

これに対して、東邦の石川は初回から快調な投球を見せる。ややスリークオーター気味の角度の腕の振りから繰り出すボールは両コーナーに決まり、安定感のあるピッチングを展開。2回には死球とヒットでピンチを招くものの、後続を落ち着いて抑え込む。

ペースを握った東邦は3回表に役者が仕事を果たす。3番石川が高めに浮いた変化球を巻き込むと、打球はレフトスタンドへ飛び込むソロホームラン。2年生時から注目されてきた長距離砲がついに甲子園の舞台で一発を放った。これで勢いに乗った東邦打線はなおも河野を攻め立てて、3安打で1点を追加。マウンドから引きずり下ろすことに成功すると、この回代わった2番手の石原からも2点を加え、序盤で試合の大勢を決めた。高めに浮いた変化球を逃さない東邦打線の破壊力が広陵投手陣を上回った。

大量リードをもらった石川は3回以降も快調なピッチングを展開する。大会前はやや投手力が不安視されていた東邦だったが、この日の石川の投球を見ているとその考えを改めなくてはならないと感じさせられた。決して、投手らしい投げ方ではないが、きっちり内外角にコントロールするあたりは天性の野球センスを兼ね備えていると言える。昨秋の試合で練習試合も含めて1敗しかしなかった広陵の打線を完璧に抑え込んだ。

中盤こそ無得点に終わった東邦打線だが、7回に入って再び猛爆する。7回には石原、8回にはから長短打を絡めて3点を奪い、ノックアウト。ただ打つだけでなく、盗塁やエンドランも積極的に絡める縦横無尽な攻撃で広陵のハイレベルな3本柱を完全に攻略して見せた。昨年は花巻東の田中大にひねられて敗れてしまったが、その面影は微塵も感じさせないしたたかな攻撃であった。

なんとか反撃したい広陵は8回に3番手で登板した速球派左腕の植田を捕まえる。先頭の2番中富がセンターへの3塁打で出塁すると、さらにランナーを一人ためて打席には選手宣誓を果たした主将の秋山植田の高めに浮いたボールをとらえると、打球はライトオーバーのタイムリー3塁打となって2者が返り、スコアボードに初めて0以外の得点を刻んだ。

しかし、広陵の反撃もここまで。東邦は9回には4番手で道崎が広陵の攻撃を3人で退けて試合終了。12-2と大差で強豪対決を制し、ベスト8進出を果たした。

まとめ

東邦としては攻撃型チームの強みを発揮した試合となった。大会前は投手力を含めた守りの面でやや不安を抱えていたが、攻撃陣が序盤から積極的な打撃と走塁で広陵投手陣を崩し、流れを「強奪」した。特に高めに浮いた変化球はことごとく長打にする確実性は改めて他校の脅威だろう。エース石川はリードにも守られて安定した投球を展開。昨秋はフォーム固めに苦労したが、選抜での2試合を通じてコントロールの良さを見せ、不安を払拭した。投打に盤石の内容を見せた東邦が優勝戦線に堂々割って入る一戦となった。

一方、広陵にとっては思わぬ大差で敗れる結果となった。河野は1回戦に比べると調子が悪かったとはいえ、やはり東邦打線の破壊力を褒めるほうが先だろう。昨秋は星稜のエース奥川の投球の前に圧倒されたが、この春は機動力も含めた東邦の攻撃力の前にひれ伏す結果となった。打線は石川の安定したコントロールの前に無得点に終わったが、それも序盤の大量ビハインドが生んだ心理的な影響はあっただろう。投攻守に総合力の高いチームなだけに、この敗戦を糧として夏に勝ち上がりたいところだ。

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