1試合毎振り返り 2019年 選抜高等学校野球大会

【振り返り編】2019年春選抜  東邦vs明石商(10日目第2試合)

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準々決勝 大会10日目第2試合

明石商

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 0 0 0 0 2 0 2
0 0 0 0 0 0 3 1 × 4

東邦

 

明石商  中森

東邦   石川

明石商・中森、東邦・石川と、ともにエースが先発した強豪同士の熱戦は終盤に両チームともホームランが飛び出す展開に。最後は相手のミスで追加点を挙げた東邦が優勝した平成元年以来となる決勝戦進出を果たした。

試合

東邦はエース石川が4試合連続で先発のマウンドに。立ち上がり、前の試合でサヨナラホームランを放った1番来田を変化球主体の投球で打ち取ると、当たっている明石商の上位打線をうまく打たせて取って3人で攻撃を退ける。

対する明石商の中森は準々決勝で160球完投勝利を挙げており、疲れが心配されたが、こちらもチェンジアップを有効に使った投球で初回を3者凡退に打ち取る。立ち上がりが課題と言われていた中森だったが、力を抜いた投球で東邦打線をうまく料理した。

ここから両チームとも0行進を続けるも、明石商がやや押し気味で試合は推移していく。3回には8番宮口のヒットと死球で1,2塁のチャンスを築くもここは当たっている2番水上の犠打を石川の好フィールディングで封殺。3番重宮もシュート回転するストレートで詰まらせてショートゴロに打ち取る。4回には先頭の4番安藤に2塁打が飛び出すも、明石商自慢の犠打を失敗させて3塁へすら進ませない。石川の微妙に動くボールの前にさしもの明石商打線も手を焼いた。

対する明石商・中森は疲労でいい具合に力が抜けたか、手元でキレるストレートを武器に強打の東邦打線を封じ込める。今大会圧倒的な打撃を見せてきた東邦の攻撃を真っ向から抑えたのは中森が初めてだろう。3回にはこちらも好フィールディングで併殺に仕留めるなど、こちらも投手としての総合力の高さを見せる。先輩捕手・水上の好リードも光った。

しかし、6回に入って東邦は徐々に中森の投球にアジャストし始める。7番吉納、9番山田と下位打線が中森の抜いたボールをはじき返してチャンスを作る。この回は得点にこそならなかったものの、中森攻略の足掛かりを作った攻撃であった。

すると、7回表のピンチを石川がしのいで迎えた7回裏についに東邦が得点の扉をこじ開けた。中軸が四死球を選んで作った2アウト1,2塁のチャンスで打席には7番の吉納。先ほどセンターへのヒットを放っていた2年生がアウトコースのストレートを逆らわずにはじき返すと、打球は左中間スタンドではねる先制の3ランホームランとなって東邦が一気にリードを奪う。2ボールからストライクを取りに来るボールを逃さずとらえた一撃。中森にとってはあまりにも手痛い一発となった。

決勝進出へあと2イニングとなった東邦だが、明石商も黙ってはいない。8回表、2アウトから3番重宮が甘く入った変化球を右中間へ2塁打とすると、あたりを取り戻し始めた4番安藤が初球のインハイをフルスイング。打球はライトスタンドへ飛び込む2ランホームランとなり、一気に試合はわからなくなる。手堅さだけでなく強打も加わった今年の明石商打線を象徴する攻撃であった。

これ以上の失点は防ぎたい明石商だったが、8回裏にあまりにも痛い失点を喫する。1アウトから1番松井が四球で歩かせると、続く2番杉浦の犠打は小飛球に。これを水上がバウンドさせて併殺に取ろうとしたが、ファーストへの送球がそれてしまう。さらに外野からセカンドへの送球も弾んでしまうwエラーとなり、1塁ランナーが一気にホームへ生還。もったいない形で追加点を許してしまった。

2点を追う明石商は先頭の6番清水が四球で出塁。あと一人出塁すれば1番来田まで回る形となったが、最後は下位打線が3者連続三振。適度に荒れた石川の投球を最後までとらえきることができず、東邦が難敵を制して30年ぶりとなる決勝戦進出を果たした。

まとめ

東邦にとっては明石商相手に大量点は望めない中、終盤のワンチャンスを生かす理想の展開となった。中森相手にしっかり狙い球を絞って攻略した攻撃は見事であった。勝負強さを兼ね備えた往年の東邦の強さが戻ってきたような印象を受けた。そして、石川を中心に内外野を含めた堅い守りで先制点を許さなかったことも勝利の大きな一因だろう。選抜で無類の強さを発揮する東邦がいよいよ頂まであと一つのところまで上り詰めた一戦となった。

一方、敗れた明石商は実力は十分発揮できた大会であったが、やはり攻守に小さなミスが出たことが最後の一戦に響いたか。特に攻撃の軸となる犠打が失敗に終わったことは痛かった。中森は疲れのある中で懸命のピッチングを見せたが、終盤に浮いたボールを逃さなかった東邦の攻撃が上回った。惜しまれる敗戦となったが、この大会で選抜では2度目の上位進出を達成。今年は打線に長打力も付き、投手陣も厚みを増した。全国で十分戦えることを示し、今後の戦いに期待を持たせる内容の大会であった。

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