1試合毎振り返り 2019年 選抜高等学校野球大会

【振り返り編】2019年春選抜  筑陽学園vs福知山成美(4日目第1試合)

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1回戦 大会4日目第1試合

福知山成美

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 2 0 0 0 0 0 2
0 1 0 1 0 0 1 0 × 3

筑陽学園

 

福知山成美  小橋

筑陽学園   西

大会4日目第1試合は西・小橋の両エースによる引き締まった投手戦に。筑陽学園が終盤のワンチャンスを活かし、甲子園初勝利を手にした。

試合

筑陽学園の先発は背番号1の西。立ち上がりややボールが高めに浮き、2回表には6番井戸・8番神内にヒットを浴びて1アウト1,3塁のピンチを招く。スクイズも考えられた場面だったが、ここは福知山成美は強硬策を選択。8番岡田はサードゴロ併殺に切って取られ、先制のチャンスを逃した。福知山成美にとってはやや安易な攻撃になってしまったか。

一方、福知山成美は絶対的エース小橋が先発。コントロールが持ち味の右腕は初回を無難に切りぬけるが、2回裏に制球がやや甘くなって筑陽学園打線に捕まる。1アウトから6番野田が甘く入った変化球を引っ張って出塁。さらに7番福岡も初球の甘いボールをとらえてヒットでつなぐと、8番進藤はフルカウントから低めのスライダーを引っ張って三遊間を破り、先制点をもぎ取る。

筑陽学園はコントロールのいい小橋に対して、カウントを取りに行くボールを積極的にたたく打撃が光った。好球必打の精神が先制点を呼びこんだと言えるだろう。しかし、続く満塁のピンチは小橋がしのぎ切って最少失点で切り抜ける。

先制点を奪われた福知山成美だが、打者2巡目に入って西をとらえ始める。3回裏のピンチをファースト井戸の好守でしのいで流れをつかむと、4回表は先頭の3番東原がショートへの内野安打で出塁。後続が凡退して2アウトとなり、嫌な流れになりかけるが、6番が真ん中寄りのスライダーを引っ張ってレフト線を破り、2アウト2,3塁とチャンスを迎える。この場面で7番神内は間髪入れずに初球のスライダーをセンターに返し、2者生還して逆転。好調な下位打線がつながり、福知山成美らしい強攻で試合をひっくり返した。

逆転された筑陽学園だったが、3回までに小橋に5安打を浴びせたように、こちらもただでは引き下がらない。小橋の落ちるボールを序盤から見極めて2つの四球を選ぶと、セカンドランナー石川の三盗もあって2アウト1,3塁のチャンスを迎える。ここで2番福島が粘ってアウトコースのスライダーを三遊間に流し打ち、レフトへの同点タイムリーを放つ。筑陽学園も初出場ながらしぶとい同点劇は、さすが九州王者と思わせる攻撃であった。

その後、両チームともランナーは出すものの、なかなか前の塁に進められない展開が続く。ヒットもやや崩されての当たりが目立ち、この辺りは両チームのバッテリーのうまさが目立つ展開となった。

1点の重みがより増してくる展開の中、投球数で30球以上は上回る小橋にやや疲れが見え始める。7回裏、簡単に2アウトを取ってから4番江原に四球を与えると、暴投で2塁へ進塁。ここで、この日当たっている5番野田が真ん中寄りのストレートを完璧にとらえてセンターオーバーのタイムリー2塁打を放つ。ランナー2塁となり、やや前に来ていた外野の頭を超えていった。福知山成美にとっては四球とミスが絡んだ失点であり、悔やまれる場面であった。

勝ち越し点をもらった西は尻上がりの調子を上げて2失点で完投。右打者へのスライダーと左打者へのツーシーム、そして伸びのある速球をうまく活用し、5回以降は散発の2安打に封じ込める好投で筑陽学園に甲子園初勝利をもたらした。

まとめ

筑陽学園は接戦を制して、見事甲子園初勝利を手にした。制球力のある小橋に対して、カウント球を逃さずたたく積極性に機動力野球を絡めて、3点を「もぎ取った」という表現がふさわしい攻撃であった。投げてはエース西が後半になるにつれて調子を上げていき、捕手・進藤の好リードもあって完投勝利をマーク。3人の投手を擁する筑陽学園のなかでも最も安定感のある投手がきっちりと仕事を果たした。攻守にわたって初出場とは思えない老獪な野球で、新しい歴史を刻んだ。

福知山成美は戦前は不利の予想もあったなかで、健闘した内容の試合であった。小橋はコントロールにやや乱れはあったものの、我慢強くコーナーを突く投球で九州王者の打線を3点に抑えた。ただ、打線は4回にワンチャンスをものにして逆転したが、2回の併殺打を含めてやや粗さの見える攻撃になってしまった、福知山成美らしさといえばらしさなのだが、一発勝負の夏に向けて解消していきたい課題ではある。龍谷大平安をはじめとして強豪ぞろいの夏の京都を勝ち抜けるかは、攻撃の質と小橋以降の2番手投手の台頭にかかってきそうだ。

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