• 上宮vs育英 1997年選抜

    2020年05月31日

    近畿勢同士のドラマチックな死闘!

    新チーム結成以降、練習試合も含めて負けなしという強さを発揮してきた上宮。前年夏はPL学園の前川(近鉄―オリックス)のまえにあと一歩で甲子園を逃したが、新チームにメンバーが多く残り、強さを発揮。1番渡辺(ロッテ)、主将・三木(近鉄―オリックス)、多井ら強打者を擁する打線と山田(巨人)、建山の2枚看板で近畿・神宮ともに優勝。4年ぶりの頂点を狙って選抜に乗り込んできた。

     

    初戦は好投手・青山を擁する横浜商と甲子園で8年ぶりとなる再戦。序盤先行されるも、集中打で6点を奪って逆転。終盤には4番多井にホームランが飛び出し、74で快勝した。続く2戦目は明徳義塾と対戦。明徳の2年生左腕・寺本(ロッテ)に苦しめられるも終盤に先制。リリーフした高橋(ヤクルト)も打ち込み、多井に2試合連続のホームランも飛び出すなど60と完璧な試合内容。貫禄の戦いぶりでベスト8進出を決めた。

    一方、対戦相手の育英も前年夏は県大会決勝まで勝ち進みながら、神港学園に大敗。悔しさをばねに秋は近畿大会決勝まで勝ち上がった。しかし、王者・上宮の前に101と大敗。再びあと一歩で頂点を逃した。守りを強化して臨んだ選抜初戦は浦添商の好左腕・上間に苦戦するも守りの差で42と勝利。左腕・柳原のカーブがさえた。続く2回戦の国学院栃木戦は雨の中での試合となったが、3番上田、4番衣川、5番市位のクリーンアップが7打点を挙げる活躍。95で打ち勝って、上宮へのリベンジの切符を手にした。

    最終回に奇跡を起こした上宮がサヨナラで4強進出!

    1997年選抜準々決勝

    育英

    1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
    0 2 0 1 0 0 0 2 0 0 5
    0 0 0 2 0 0 0 0 3 6

    上宮

     

    育英  柳原→菅田

    上宮  建山→山田

    試合は序盤、育英が前年秋に抑え込まれた上宮の建山を打ち込む。12塁のチャンスを作るとここまで大会ノーヒットの東が左中間に2点タイムリー2塁打。4回にもセンターオーバーの2塁打で出塁の伊藤が暴投で生還して30とする。

     

    苦しいスタートとなった上宮だが、打線が反撃。4番多井のヒットエンドランが相手外野手のエラーも誘って1点を返すと、満身創痍の7番前田がタイムリーを放って32。すぐに食らいつく。

     

    その後は一進一退の攻防が続いたが、7回裏に育英はピンチで柳原が相手4番の多井を見逃し三振にとって流れをつかむと、8回表スクイズと柳原自身のタイムリーで2点を追加。これで勝負あったかと思われたが…

     

    9回裏上宮は2アウト12塁から3番主将の三木がセンターへはじき返して2点差。ここで打席にはそこまで3三振の4番多井。柳原のアウトコースのストレートを逆らわずにはじき返すと、打球はレフトオーバーに。ランナーが一人返り、もう一人のランナーが飛び出したところを刺そうと投げたボールが悪送球となって同点のランナーがホームイン。土壇場で上宮が同点に追いついた。

     

    こうなると試合の流れは上宮に。最後は10回裏、ランナー13塁から代打・康原がセンターへはじき返して、上宮が見事なサヨナラ勝利を収めた。

     

    この大会は近畿勢がベスト85校、ベスト43校残り、無類の強さを発揮した大会だった。育英としてはあと一歩まで王者を追い詰めながら土壇場で勝利を逃した悔やんでも悔やみきれない試合となった。

     

    一方、勝った上宮は続く準決勝で同じ近畿の天理に21と競り負けて敗退。夏に期待は持ち越されたが、大阪大会序盤で関大一に32とまさかの敗退。1年間勝ち続けることの難しさを感じさせられた。

    その関大一は2年生のメンバーが多く出場しており、翌年エース久保(DeNA)を擁して春準優勝、夏ベスト8と素晴らしい結果を残した。そして、その関大一を選抜決勝で倒した松坂(西武など)擁する横浜は公式戦を44連勝で駆け抜け、上宮が成し遂げられなかった1年間無敗でのフィニッシュを決めたのであった。

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