• 今治西vs文星芸大付 2007年夏

    2年連続で実現した好投手対決

    2007年の3回戦で2年連続の対戦となる顔合わせが実現した。前年は今治西打線が猛爆して123と圧勝を収めたが、この年は力が拮抗していた。

    文星芸大付は当時2年生で今治西打線に打ち込まれたエース左腕・佐藤(横浜)が大きく成長。右打者のインコースへのクロスファイヤーを磨き上げ、2年連続で栃木代表の座をつかむと、1回戦では山崎(オリックス)、岩崎(ソフトバンク)とのちにプロ入りする2投手を向こうに回して堂々の完封勝利。続く沖縄・興南戦も強気のインサイド攻めを見せ、2試合で19三振を奪い、昨年進めなかった3回戦に勝ち上がってきた。

    一方、今治西は3季連続の甲子園。エースで4番の熊代(西武)を中心に一枚岩の強さを見せ、この大会も優勝候補の一角。1回戦は八代東を相手に1イニング7得点の猛攻を見せると、2回戦ではランナー2塁からのエンドランでもぎ取った1点を熊代が2安打完封で守り抜き、近江を1-0と下してこちらも順当に勝ち上がってきた。

    最終回のエース対決で飛び出した1発で今治西に軍配

    今治西

    文星芸大付

     

    今治西    熊代

    文星芸大付  佐藤→菊池

    今治西vs文星芸大付 2007年夏 – 世界一の甲子園ブログ

    序盤は文星のエース・佐藤が快調に飛ばし、奪三振ショーを見せる。前年1イニング8失点を奪われた鬱憤を晴らさんとばかりに5回で10三振を奪い、今治西の打者はインコースの真っすぐに手も足も出ない。

     

    打線は3回裏、9番赤川の四球と1番荒井のエンドランなどで満塁のチャンスをつかむと、暴投で労せず1点を先取。さらに高校途中で転向してきた4番菊池にタイムリーが飛び出し、2点を先行して今治西を追い詰める。リベンジ達成へ視界良好だった。

     

    しかし、6回に上位打線が徐々に佐藤の球をとらえ始める。選抜で常葉菊川・田中に毎回の17三振を奪われた屈辱を胸に鋭いスイングを身に着けてきた。9番武内、2番濱元のヒットでランナーをためると、3番主将の福岡が真っすぐをとらえた打球はセカンドの横を抜けてあっという間に右中間へ。今治西が一気に同点に追いついた。熊代を助けようと磨き上げてきた練習のたまものともいえる打球だった。

     

     その後はお互いのせめぎ合いが続くも、同点のまま最終回へ突入し、1アウトで打席には熊代。打席のなかで必ずインコースのストレートが来ると読んでいたのだろう。インローに来た真っすぐをゴルフスイングのように救い上げた打球はレフトスタンドへ一直線。熊代にしかできないといったバッティングで大きな勝ち越し点を手にした。

     

    今治西はその後、相手守備の乱れにつけこむすきのなさも見せ、結局この回4点を勝ち越し。14もの三振を奪われながら、最後は相手投手をノックアウトして見せた。

     

     3回戦ながら今大会屈指の左右の好投手が投げ合った見ごたえある投手戦だった。

    まとめ

    その後、今治西は準々決勝で広陵と対戦。前年の練習試合で勝利していた相手だったが、広陵の機動力も絡めた分厚い攻撃の前に熊代がこらえきれず、1-7と完敗を喫した。しかし、公立校ながら走攻守にまとまった野球で3季連続出場を達成。国体では決勝で広陵にサヨナラ勝ちでリベンジし、初優勝を飾るなど、今治西の一時代を築いた。

     

    一方、文星芸大付も2年連続出場で力強い野球を見せた。今でこそ作新学院が黄金期を築いているが、このころまでの栃木県勢はなかなか勝てない時代が続いていた。その空気をぶち破ったのは、強気の左腕エースを中心に連続出場したこの文星芸大付だったのではないだろうか。

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