• 大会No.1投手(1985年選抜) 渡辺智男(伊野商)

    2020年09月20日

    KKコンビ擁するPL学園が絶対的優勝候補だった1985年の選抜大会。その中にあって高知から初出場で颯爽と勝ち上がり、初優勝を果たしたのが渡辺智男(西武)がエースで4番を張る伊野商業だった。初戦から東の横綱と言われた東海大浦安、九州王者の鹿児島商工、同じ四国のライバル西条を倒して勝ち上がったが、それでもまだ伊野商がクローズアップされる気配は薄かった。それだけPL学園の存在が絶対的だったからだ。

     

    迎えた準決勝のPL学園戦。不安視されていた二遊間の守備にミスが出て、桑田(巨人)から伊野商が2点を先制すると、渡辺の剛腕がうなりを上げる。中学時代に左肘軟骨の剥離骨折をしたことにより、高校ではセーブして腕を振っていた。しかし、この試合はPLが相手ということもあってリミッターを外すと、スピンの効いたとんでもないボールがミットに突き刺さり始める。

    特にそれまで甲子園通算8ホームランを放っていた清原(西武)に対しては、ストレート一本の真っ向勝負ではヒットはおろかバットにも当てさせない。怪物と称されてきたスラッガーを完膚なきまでに抑え込み、伊野商は3-1で勝利。衝撃のジャイアントキリングを成し遂げた渡辺は決勝では自らホームランを放って完封し、見事初出場初優勝の快挙を成し遂げたのだった。