• 智辯和歌山vs国士館 2000年選抜

    大会No.1左腕を打ち崩した集中打

    智辯和歌山の強打が全国を席巻した2000年の高校野球。その中でも強烈な印象を残したのが大会No.1左腕の国士館・小島を相手にした逆転劇であった。

    智弁和歌山は前年秋の近畿大会で初戦敗退からの選出。東洋大姫路のサイドスロー山脇にひねられ、1-3で敗れた。しかし、その2日前まで国体で戦い優勝。すぐに移動して試合という強行日程であったため、状況はかなり不利であった。選考委員はその事情を考慮し、打線のポテンシャルを評価して選出。武内池辺後藤のクリーンアップは全国屈指である。

     

    初戦敗退で選んでもらったプレッシャーもあったという智弁和歌山だが、初戦は丸亀相手に打線爆発。24安打20点を奪い、20-8と大勝した。ただ、投手には不安を抱えており、この試合も17安打8点を食らっている。

    一方、国士館は春に滅法強いチーム。4度出場し、ベスト4が2回、ベスト8が1回という上位進出率の高さ。今回も長身左腕・小島(広島)を中心とした守りと機動力を活かした攻撃で勝利を狙う。

    また、両校は4年前の選抜でも準々決勝で対戦しており、その時は智辯和歌山・高塚(近鉄)と国士館・高野の投げ合いで延長13回の死闘となり、最後は相手のミスにも漬け込んで3-0と智弁和歌山が勝利している。

     

    8回に一気の集中打

    2000年選抜2回戦

    智弁和歌山

    国士館

     

    智辯和歌山  中家→白野→山野

    国士舘    小島→中村

    焦点は智弁の強打を小島がどう抑えるか。特に4番の池辺に対する攻めが勝敗を分けそう。

    逆に智弁はある程度の失点は覚悟しなくてはいけないだろう。

    1回表小島は智弁和歌山の2番堤野、3番武内を連続三振に取る。1回戦で豪打を見せた智弁和歌山に対して、小島が貫禄を見せる。

    その裏智弁和歌山の先発の2年生中家を攻める国士館は5番大木、6番須藤が甘く入ったストレートを捕らえ、連続タイムリーで3点を先制する。智辯としては与えたくない先制点を献上してしまった。流れに乗った国士館は、2回裏に小島のカーブを狙うと言っていた池辺の強烈な当たりをセカンド松浦がスーパーキャッチ。守りの国士館たる所以を見せる。

     

    小島は角度のあるストレート、ブレーキの効いたカーブにチェンジアップを混ぜ、智辯打線を封じこうんでいく。4回に4番池辺に高めのカーブをライトスタンドへ運ばれるが、その1点のみに抑え込む。7回にはチェンジアップで池辺を三振に切って取る。

     

    すると、初回以降我慢強く抑えていた智弁和歌山・中家だったが、2番伊藤のセンター前タイムリーでついに追加点を許す。3点差となり、小島の調子を考えるともう厳しいかと思われた。

     

    しかし、ここから智弁和歌山の反撃が始まる。1アウト1,2塁から小関のライト前タイムリーで2点差にすると、さらに2アウト満塁からバッターは4番池辺。カーブをたたかれていた小島はストレート勝負。打ち取ったあたりだったが、ファーストベースに当たってイレギュラー。打球が跳ねる間に2者生還し、試合は振り出しに戻った。

    これで気落ちした小島を智辯は逃さない。各打者が狙い球を絞り、高めの甘い球を逃さず痛打連発。5番後藤、6番山野、7番井口、8番青山と結局池辺から5者連続タイムリーを放って一気に試合を決めた。

     

    その裏、国士館も4番キャッチャー北村のタイムリーなどで2点を返すも、9-6で智弁和歌山が勝った。

     

    まとめ

    終盤まで抑え込まれながら、わずかに開いた風穴をこじ開けた智弁和歌山の打力は見事だった。我慢強く待球し、狙い球を絞って振りぬく。8回に堰を切ったように打ち出したのは決して偶然ではないだろう。しかし、7回まで1点に抑えた小島も実力を十分に示した。