• 激戦ブロック 2009年夏

    2020年04月11日

    花巻東・菊地雄星(マリナーズ)や明豊・今宮健太(ソフトバンク)、中京大中京・堂林(広島)などスター選手が多く顔をそろえた2009年夏の選手権大会。この大会も強豪校が同じブロックに偏った大会だったが、特に明豊と花巻東のブロックに強豪が集まった印象が強い。その中でも明豊のブロックにはのちにプロ入りした選手が多く存在し、この大会の最激戦区であった。

     

    明豊は打倒花巻東の執念を燃やしている。前年からのメンバーが多数残り、自信満々で臨んだ選抜で菊池雄星擁する花巻東に4-0と完敗。3番の強打者・今宮(ソフトバンク)は雄星のインコース真っすぐに歯が立たなかった。悔しさをばねに成長し、春以降で30ホームランを記録。通算で62ホームランの九州の怪童である。1平井4阿部6河野ら経験豊富な面々で組む打線は破壊力抜群。控えまで好打者が揃い、層が厚い。投手陣は右の速球派・今宮に左の技巧派・野口、伸び盛りの2年生山野(広島)と駒が揃っている。この代になって負けた相手は清峰・今村(広島)、花巻東・菊池(西武)、興南・島袋(ソフトバンク)と錚々たる顔ぶれ。特に興南・島袋に春季九州大会で3-0と完封されたのは、選抜以上に悔しかったそうで、奇しくも甲子園初戦であたる興南戦は絶好の雪辱戦となる。初戦で勢いを得て花巻東と当たるまで勝ち続けるつもりだ。

    四国では伊予のドカベン秋山(阪神)を擁する西条が50年ぶりの優勝を狙っている。エースの秋山は選抜で敗れはしたが、PL打線を相手に1失点に抑え込んだ。春以降体重も絞り、体にキレが出てきている。最速147キロのストレートにはますます磨きがかかっており、期待が持てる。2番手の徳永が故障がちなのが懸念材料か。打線はPL・中野に完封されたが、力はある。もともと「秋山が西条に行くなら」と一堂に集った精鋭集団。1番主将の井下が戻ってきて、本来の形を取り戻しつつある。4番も務める秋山は屈指のパワーヒッター。春季四国大会の明徳戦では好投手・石橋(楽天)からフェンス直撃のタイムリーツーベースを放った。56番の司馬徳永がよく打つため、簡単に秋山を歩かすことはできない。選抜で不完全燃焼に終わった分、夏はリベンジに燃えている。今年の四国の旗頭ともいえるチームが夏こそは優勝を狙う。

    興南は2年生左腕島袋(ソフトバンク)を中心とした屈指のディフェンス力で上位をうかがう。島袋は選抜大会初戦で富山商に敗れはしたものの延長10回で19奪三振をマーク。小さい体ながらトルネード投法でひねりを加えて投げ込む速球は最速142キロ以上の圧を感じる。これにキレのあるスライダー、緩いカーブを交えて沖縄大会では他を圧倒した。春季九州大会でも明豊を完封。九国打線を延長102点に抑えており、難攻不落の投手だ。3年生右腕石川2年前の夏に1年生で優勝投手となった逸材。打線でもチームを牽引する。2年生左腕砂川も安定感がある。問題は打力で甲子園でどれだけ投手陣を援護できるか。選抜では散発4安打で完封負けを喫した。スラッガー真栄平や巧打の我如古国吉2年生に力のある打者が揃い、伊礼は長打力もある成長株。優勝するには3年生の力が不可欠。石川や主将・冨里川の活躍が鍵を握る。5割を超す打率を残した1山元の出塁もカギだ。打線の援護さえあれば、上位進出が見込める。

     

    高知は投打に力強さがあり、決勝ではライバル明徳を下した。左腕エースの公文(巨人)は躍動感のあるフォームからのクロスファイヤーを武器とする本格派で三振も多く奪える。捕手の木下(中日)は公文の持ち味を引き出すリードでエースを盛り立てる。打線は昨年からの経験者の西岡木下の中軸を中心に上位から下位までむらなく打つ。1番の2年生池知は思い切りのいい打撃を見せる切り込み隊長だ。3年連続の出場だが、過去2年は前評判が高いにも関わらず初戦敗退。今年はまず1勝を挙げて、その後上位を狙いたい。

    如水館は3年ぶりの甲子園出場。エース幸野は右スリークオーターからの140キロ台の速球とスライダーで攻め、内角もしっかりついて抑え込む。その他エース格の右腕・西見や左腕・池内ら駒は豊富だ。打線はクリーンアップが強力。3有山はお兄さんが昨年大阪桐蔭の優勝捕手。チャンスに強い左打者だ。4番の宮本は右の長距離砲でリードでも幸野を盛り立てる。5番の幸野も高い打率を残す。ベテランの迫田監督の采配も不気味だ。

    常葉橘は初出場ながらエースで3番の庄司(広島)を中心に力のあるチーム。庄司は2年生時から主戦を務め、前年夏まで甲子園を席巻した常葉菊川の強力打線を相手に県大会で互角に渡り合った力は本物だ。強気の直球勝負で全国の強豪に挑む。打線は2年生が多いが、中学時代から一緒にプレーした選手が多く、まとまりは強い。2年生の4番・牛場は捕手に転向してから間もないが、エース庄司を強気のリードで引っ張り、好守でチームの軸となる。今年の初出場校では最も力のあるチームの一つだろう。

     

    八千代東は激戦区千葉から初出場。東海大望洋の左腕・真下(元DeNA)から9回土壇場の2ランで追いついて下すと、拓大紅陵など強豪校を次々と接戦で競り落とした。エースの村上は直球とスライダーの制球力で打たせて取る。打線は4上條を中心に終盤の好機に強い。驚異的な勝負強さで初戦は優勝候補の西条に挑む。

    旭川大高は北の奪三振マシン・柿田の左腕に期待がかかる。やや変則的なフォームから繰り出す切れのあるボールを武器に北北海道大会では投球回数を上回る三振を奪った。ここ数回は初戦敗退が続いているだけに、1993年以来となる甲子園の勝利を狙う。