• 社vs福岡工大城東 2004年選抜

    好左腕vs強力打線の名勝負

    済美の初出場初優勝に沸いた2004年選抜大会。その大会の準々決勝第二試合は最後まで目の離せない白熱した攻防となった。

    定岡(ソフトバンク)を中心とした強力打線と継投で勝ち進んできた九州王者の福岡工大城東。2回戦の拓大紅陵戦では9回にサヨナラ2ランホームランが飛び出し、劇的な勝利を飾って勢いに乗っていた。

    一方、大前、坪井(日本ハム)の好左腕2人を擁する初出場の社も快進撃。1回戦は大前が17奪三振の快投で福井を退けると、2回戦の鵡川戦では9回土壇場で同点に追いつくと、延長14回に2塁走者の盗塁が9回と同じく捕手の悪送球を誘い、決勝点。死闘を制してベスト8に勝ち進んだ。

    9回にまさかの同点劇も、最後は2年生トップバッターの一振りで決着

    2004年選抜準々決勝

    1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
    1 1 0 0 2 0 0 1 0 0 4 9
    0 0 1 0 0 0 0 0 4 0 2 7

    福岡工大城東

     

    社       大前→坪井

    福岡工大城東  日下→富田→定岡→柴田→草場

    戦前は選手層の厚い福岡工大城東の有利が予想されたが、試合は序盤から社ペースで進む。大前は初回のピンチを切り抜けると得意のスライダーを武器にテンポよくすいすいと投げぬく。

     

    福岡工大城東はチャンスで4番定岡に回すも、2回戦の勝ち越し打で目が覚めたかに見えた主砲からなかなか快音が聞こえない。軸が機能しない城東打線はヒットは出るものの空回りして得点に至らなかった。

     

    一方、非力とみられた社の打線は初回から内野安打に小技も絡めたスモールベースボールで着実に得点。福岡工大城東の継投を後手後手に回し、8回までに5得点を挙げる。2回戦の鵡川戦では相手投手の球威に苦労したが、この日は福岡工大城東の技巧派投手陣をうまく攻略した。

    逆に福岡工大城東は先手を取って相手打線を継投でかわしたかったが、その計画は不発。4番の定岡までマウンドの送るも、相手の攻勢をかわし切れず、4点ビハインドで9回裏を迎えた。

     

    だが、その9回裏に城東打線が猛反撃を見せる。ランナーを一人置いて、7番田口のライトへの打球をライトがそらしてランニング2ランホームランにすると、球場の流れが一変する。スタメンに甲子園での打率が3割を超す打者を6人擁する強力打線が牙をむき、1番柴田(阪神)のセンター前ヒットなどで満塁のチャンスを作る。

    すると、ここまで不振にあえいでいた4番定岡がセンターへ素直にはじき返す2点タイムリー。定岡は大会に入って2本目のヒットながらいずれも2点タイムリーとし、城東が苦しい展開の中、ついに同点に追いついた。しかし、続くピンチで登板した社の2番手左腕・坪井が相手の反撃をせき止め、試合は延長戦に突入した。

     

    このまま流れは城東かと思われたが、競った場面でものをいうのはやはり投手力か。延長11回に社は城東のエース草場を攻め立て、こちらも不振にあえいでいた1番の宮田が勝ち越しのタイムリー3塁打。その後の打者も続いて、一挙4得点を挙げる。その裏の城東打線の反撃を坪井が何とか2点に抑え、地元兵庫の県立校が初出場でベスト4入りを決めた。

     まとめ

    社にとって大きかったのは2番手の坪井の好投。大前の陰に隠れていたが、カーブを軸とした好投がチームを救った。初出場ながら県内で常に上位に顔をだしており、兵庫勢の実力の高さを示した一戦となった。

    また、94点差をあっという間に追いついた城東の粘りも見事。杉山監督の指導のもと着実に力をつけ、打力なら間違いなく大会上位に入る好チームであった。

    【好投手列伝】兵庫県篇記憶に残る平成の名投手 2/4 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)