• 箕島vs開星 2009年選抜

    古豪復活を告げた延長戦の勝利

    2009年の選抜で18年ぶりの出場を果たした古豪・箕島。かつて公立勢唯一の春夏連覇を果たしたチームの久々の復活出場にオールドファンの注目も集まっていた。初戦を突破して迎えた2回戦では、優勝候補を撃破して勢いに乗る島根・開星との戦いが待っていた。

    箕島は1991年以来実に18年ぶりの甲子園出場。過去には4度の全国制覇を達成した公立の雄も近年は強豪・智辯和歌山の前に後塵を拝していた。しかし、この年はエース森本、4番西畑を中心にまとまった好チームであり、前年秋の近畿大会では8強で敗退するも、優勝した天理と競り合ったことが評価されて選出された。

    初戦は21世紀枠の大分上野丘を相手に持ち味の着実に得点を挙げ、エース森本の力投で7-3と逃げ切って18年ぶりの勝利を達成。オールドファンを歓喜させる勝利を挙げた。

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    一方の開星は野々村監督の指導の下で年々力をつけ、2007年の夏の甲子園ではついに初勝利を記録した。当時1年生で出場していた橋本が4番捕手となった新チームは秋の中国大会で4強ながらポテンシャルが評価されて選出。ひそかに高評価を与える専門家も多かった。

    そして、その目が間違いでなかったと証明されたのが初戦の慶応義塾戦。好投手・白村(日本ハム)を擁し、神宮大会を制覇した優勝候補を相手に、3番松林、5番本田の中軸が2点タイムリーを放って白村をKO。エース春木はシュートを武器に慶應打線を1点に抑え、見事なジャイアントキリングで選抜初勝利を手にした。

    粘りの野球で山陰の強豪を撃破

    2009年選抜2回戦

    箕島

    1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
    0 1 0 1 1 0 0 0 0 0 1 4
    1 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 3

    開星

     

    箕島  森本

    開星  春木

    強打の開星に対し、粘りの箕島がどう対抗するかが注目された一戦。試合は序盤から激しく点を奪い合う展開となる。

    開星は1回裏、1番糸原(阪神)が森本の高めのストレートを強振して右中間を破る3塁打で出塁。前年秋の公式戦で9打季連続ヒットの偉業を成し遂げた2年生の核弾頭が強烈な一打を放つと、2番秋間の犠飛であっさり1点を先制。この時は開星が打棒で圧倒するかと思わせるほどの電光石火の先制劇だった。しかし、その後の満塁のピンチは森本がなんとかしのぐ。

    すると、粘りの箕島も負けてはいない。2回表2アウトからショートゴロエラーのランナーを盗塁で2塁に進めると、8番山本のタイムリー内野安打で同点に。時代は変われども伝統のそつのない攻撃は変わらない。

    しかし、開星の攻撃は鋭く、2回裏にもヒットの8番春木を送って1アウト2塁から、再び1番糸原が強烈な長打を今度は左中間に運び、1点を勝ち越し。1,2回を見るととても森本は持ちこたえられないのではと思わされた。

    だが、粘りが身上の箕島は4回表に8番山本のヒットなどで得た1アウト1,3塁のチャンスにスクイズで追いつくと、5回表には4番西畑、5番井口彗の連打で得たチャンスに相手の失策が絡んで1点を勝ち越す。もらったチャンスを確実に活かす勝負強さを発揮し、試合をひっくり返すあたりに伝統の力を感じさせる。

    このままでは終われない開星は6回裏に6番井原の2塁打をきっかけに同点に追いついたものの、早打ちやサインの見落としなどでチャンスをものにできない。いい当たりの本数では箕島の倍以上は打っている感覚だったが、それでもタイスコアのままという現実は徐々に重圧としてのしかかっていたか。

    一方、箕島ナインは春木のシュートを意識しすぎることなく各打者がしっかり踏み込むことでヒット数は少なくとも徐々に攻略の糸口はつかみ始めていた。試合は延長戦に突入し、迎えた11回表、2塁打の5番井口彗を犠打で手堅く送ると、ラッキーボーイの7番沼の当たりはセンターの前にポトリと落ちてついに箕島が勝ち越しに成功した。

    開星は終盤3イニングはヒットが出ず、森本から11安打を浴びせながらも最後はしりすぼみに終わってしまった。実力的には開星の方が上だったと思うが、箕島の伝統の粘りが生きていることを実感させられたこの日の試合。実力上位の慶応に快勝しながら、次の試合で実力を発揮しきれず敗れた開星ナインを見て、改めて野球の難しさを感じさせられた1日となった。

    まとめ

    箕島は続く準々決勝は優勝した清峰に2-8と力負け。さすがに優勝投手・今村(広島)を攻略する力は残ってなかった。しかし、2回戦で見せた粘りの勝利は、じっくりと守って少ないチャンスをものにするという、伝統の箕島野球そのものであった。その後、2013年夏にも尾藤監督の息子の強さんの指導の下で出場。みかんと漁港の町で育まれた箕島伝説は後輩へと継承されていく。

    一方、敗れた開星は2010年の選抜でも同じ和歌山で21世紀枠の向陽に1-2と惜敗。野々村監督の「末代までの恥」発言が物議を呼び、同年夏にも仙台育英に奇跡の逆転劇を許すなど、悔しい敗戦が続いた。しかし、春夏と甲子園を経験したエース白根(ソフトバンク)を軸に臨んだ2011年夏はV候補の日大三に打ち合いを挑み、8-11と敗れるも感動的な試合を見せ、全国に開星の名を改めてとどろかせた。

    甲子園通算勝利は3勝ながらそれ以上のインパクトを残す開星。再び甲子園でその姿が見られる日を楽しみに待ちたいと思う。

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