【好投手列伝】北海道篇記憶に残る平成の名投手 2/4

平成の名投手

【好投手列伝】北海道篇記憶に残る平成の名投手 1/4 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

【好投手列伝】北海道篇記憶に残る平成の名投手 3/4 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

【好投手列伝】北海道篇記憶に残る平成の名投手 4/4 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

神田朋和(函館大有斗)

函館大有斗を春夏連続の甲子園勝利に導いた本格派右腕。伸びのある速球とスライダーで真っ向勝負する投球が持ち味であった。選抜では中盤に郡山の集中打にあって5点を失ったが、最終回に相手守備陣のまさかのエラーで逆転サヨナラ勝ち。神田の粘りの投球が勝利に結びついた。

連続出場を果たした夏の甲子園では、初戦で牛鬼打線の異名を持つ宇和島東の強力打線を6安打1失点で完投し、函館大有斗として6度目の夏出場で念願の選手権初勝利を手にした。

続く2回戦は前年秋の神宮、選抜大会とともに敗れている東の横綱・春日部共栄が相手。東の横綱を相手にチームは控え投手の片口を先発へ。片口は我慢の投球で共栄の強力打線を2点に抑え、リリーフした神田も無失点で踏ん張ったが、打線が3安打で完封され、3度目の正直はならなかった。ただ、過去2戦は大敗した相手に0-2と僅差の試合ができたことは、チームと神田の成長の足跡を記すものであった。

【函大有斗vs郡山⚾HDフル動画】第69回選抜高校野球大会1回戦「球運非常な結末」 – YouTube

加藤孝典(旭川実)

甲子園大好き芸人 on Twitter: "甲子園5勝の旭実! 甲子園4勝の ...

4年間にミラクル旭実と言われた快進撃でベスト8に上り詰めてから4年。それ以来の全国切符をつかんだ1999年夏は、否が応でも道民の期待は高まっていた。そんな中、エース加藤は安定感ある投球でチームを牽引。縦に割れるカーブと伸びのある速球を武器とするオーソドックスなタイプであったが、離島からの出場に沸いた久賀、初戦で宇和島東から10得点を奪った新潟明訓と、ともに1失点完投で下して見せた。

この大会は複数投手性が叫ばれていた平成中盤には珍しく、一人エースのチームが勝ち上がる傾向が強かったことでも知られている。むしろ継投策に走ったチーム(滝川二や静岡)などが敗退していった。

桐生第一・正田(日本ハム)、樟南・上野(広島)、岡山理大付・早藤、智辯和歌山・井上、柏陵・清水、青森山田・松野など錚々たるエースたちが力尽くまで戦い抜く中、加藤も3回戦までの3試合を一人で投げ抜き、旭川実のエースとしての仕事を全うした。

高校野球 旭川実vs久賀 1999年夏 9回裏~インタビュー 第81回選手権大会 – YouTube

鬼海将一(鵡川)

鵡川に初OBコーチ 02年エース鬼海氏 - 高校野球ニュース ...

21世紀枠として初めて選抜の舞台に登場した2002年の鵡川。前年に宜野座がベスト4入りの快進撃を見せたことで期待値も高まっていた。そんな中、鵡川は初戦で地元・兵庫代表の三木を相手に12-8と快勝。ししゃも打線の愛称で親しまれた打線が序盤で12得点を挙げると、大量リードに守られたエース鬼海は余裕を持って投げ抜き、初出場で甲子園初勝利を手にした。

続く2回戦は名門・広島商が相手に。この試合で鬼海は持ち味を発揮した。初戦で直球がシュート回転していた悪癖を修正し、樟南の好投手・岩崎を攻略した広島商打線を1失点で完投。曲者揃いの打線に仕事をさせなかった。打線が完封されて負け投手になったが、堂々の投球内容で甲子園を後にした。

鵡川 2002春 – YouTube

宮田隼(鵡川)

2002年、2004年、2009年と3度選抜の舞台に登場した鵡川だが、2004年が最もバランスの取れたチームだったのではないだろうか。神宮では翌年の選抜で優勝する済美にも逆転勝ち。大阪桐蔭には5-36と記録的な大敗を喫しはしたものの、全国の舞台での1勝はチームに大きな自信を与えた。

そもそもこの年の北海道の室蘭地区は鵡川、翌年の夏に優勝する駒大苫小牧、プロ注目の左腕・木興(日本ハム)を擁する北海道栄の強豪3チームがひしめき、この中から1チームは甲子園はおろか全道大会にも進めないという激戦区であった。実際、鵡川は5-2で北海道栄を下したが、2-2の9回に3点を勝ち越した辛勝であり、木興に14もの三振を喫していた。鵡川や駒大苫小牧の全国での好結果は決してフロックではなかったのだ。

とにもかくにエース宮田、2年生右腕・成田の投手陣と強力打線を擁して鵡川は2度目の選抜に出場。初戦は21世紀枠の八幡浜が相手だったが、6-3のスコア以上の内容で完勝。宮田は伸びのある速球を武器に中盤までは全く付け入るスキを与えなかった。

続く2回戦は初戦で17三振を奪った2年生左腕大前とのちにプロ入りする3年生左腕・坪井(日本ハム)の好左腕2人を擁する社が相手に。1点のリードをもらった宮田は8回まで無失点でしのぐも、9回2アウトから失策で出たランナーが連続スチールを敢行、三盗時の捕手の送球が悪送球となり、まさかの同点劇を許した。結局、14回に決勝点を奪われたが、大会屈指の好左腕2人を相手に最後まで投げ切った姿は立派であった。

誰も予想しない作戦で同点 9回2アウトランナー無しから – YouTube

鈴木康仁(駒大苫小牧)

駒大苫小牧の初めての全国制覇に貢献したリリーフエース。前年夏に降雨引き分け再試合で倉敷工に敗れた試合でも投げており、先輩たちの悔しさを晴らすべく躍動した。最後の夏は初戦の佐世保実戦で9回無死満塁から3者連続三振を記録。分かっていても打てないストレートはスピードガンでこそ130キロ台だったが、それ以上のキレと球威を感じさせた。

続く3回戦ではPL学園とのV候補対決を制した日大三打線からも13三振を記録。全国屈指の強力打線をもってしても鈴木のストレートは仕留めきれなかった。大会終盤は疲れから失点もかさんだが、味方打線の強力援護(自らも打率5割以上をマーク)に支えられて決勝に進出。

決勝の済美戦はロングリリーフとなったが、辛抱強く投げ抜き、最後は大会屈指のスラッガー鵜久森(ヤクルト)を打ち取ってゲームセット。道産子初優勝のマウンドに堂々と君臨して見せた。

駒大苫小牧 鈴木廉仁のストレート – YouTube

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