大会ベストナイン(2011年夏)

2011年

右投手 原樹里(東洋大姫路)

大会No.1投手(2011年夏) 原樹里(東洋大姫路) – 世界一の甲子園ブログ

シンカーを武器に頂点に上り詰めた日大三・吉永、関西の堅田・水原の2枚看板や準優勝投手の光星学院・秋田に加え、金沢・釜田(楽天)や唐津商業・北方(DeNA)、聖光学院・斉内(阪神)などベスト8を前にして敗退した中にも好投手があまた存在。そんな好投手だらけの2011年夏の選手権において、真っすぐの質が抜群だったのが東洋大姫路・原(ヤクルト)だった。

回転数が多く質の高いストレートはグエン・トラン・フォク・アンなど多くの大エースを育てた名将・藤田監督をして、歴代でもNO.1と言わしめた。兵庫大会では加古川北のエース井上との引き分け再試合を制し、2006年以来の夏の出場権をゲット。甲子園でも2試合で失点はわずか3.しかもすべてランナーを3塁においての内野ゴロでの失点であり、結局タイムリーは1本も許さなかった。

今はヤクルトでシュートボールを武器に活躍しているが、あの頃の真っすぐ主体の投球も見てみたいという気持ちが捨てきれないのも確かである。

【ヤクルト 原樹理】東洋大姫路高校時代の奪三振ショー – YouTube

左投手 浜田大貴(如水館)

それまで甲子園で1大会2勝以上を挙げたことがなかった如水館が一気に躍進した2011年。その戦いの基盤を支えたのがリリーフエース浜田の投球だった。1年夏の甲子園の高知戦では1アウトも取れずに降板するという屈辱を味わったが、最後の夏はすべての試合でリリーフ登板し、3試合連続延長戦という史上初の偉業に貢献した。

左スリ―クオーターから繰り出す切れのあるボールで右打者のインサイド、左打者のアウトサイドで安定してストライクを取ることができ、投球の組み立てを楽にした。3回戦の能代商戦では相手守備陣に再三チャンスを摘み取られる嫌な展開になったが、終盤のピンチを最少失点で切り抜けて逆転サヨナラ勝ちを演出。この大会でのベストバウトとも言える好試合を制し、8強入りを果たした。

2011選手権ダイジェスト 如水館-能代商 – YouTube

捕手 鈴木貴弘(日大三)

選抜で打球が前歯に当たるアクシデントに会いながらもめげなかったファイターが夏もエース吉永を好リードして、2度目の夏全国制覇に導いた。指のまめをつぶした影響で2回戦以降は苦しい投球が続いた吉永だったが、鈴木は強気のリードと好守でエースを援護。3回戦の智辯和歌山戦では1点差に迫られた終盤にフェンスに激突しながらファウルフライをつかみ取り、難敵を退けることに成功した。

打撃でも勝負強さを見せて、打線の切れ目をなくした功績は大きく、決勝戦では終盤に勝負を決定づける2ランホームランを記録。縁の下でチームを支え続けた女房役に野球の神様が用意した最高のご褒美であった。

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一塁手 飯野徹也(作新学院)

名門・作新学院の復活を印象づけた2011年夏。若き指揮官・小針監督のもとで、4番兼リリーフ投手としてチームを牽引したのが飯野だった。打撃では派手さはなくとも泥臭いヒットでつなぐスタイルで、3割後半の打率をマーク。大事な場面で四球を選ぶ選球眼、3回戦で前歯にボールが当たりながらもプレー続行したファイティングスピリッツも見事であった。

また、投げても140キロ台後半の速球を武器に唐津商戦、智辯学園戦と好リリーフ。その後、黄金時代を築くこととなる作新学院の、全国への扉を開いた功労者であった。

2011選手権ダイジェスト 作新学院-智弁学園 – YouTube

二塁手 菅沼賢一(日大三)

強打・日大三のポイントゲッターとして活躍した菅沼。6番打者ながら、内外角問わずに打ち返せる柔軟性と、相手の配球を読み切って仕掛ける思い切りの良さで、中軸の残したランナーを一掃した。特にエース吉永の調子が上がらずに苦戦した開星戦、智辯和歌山戦では大事な場面で快打を放ち、チームの危機を救った。セカンドの守備でも深い位置のボールを華麗にさばいて処理するなど、チームになくてはならない存在であった。

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三塁手 渡辺雄貴(関西)

悲運のイメージが強かった関西を夏初めての4強まで牽引した4番打者。直近2年の選抜ではいずれも初戦で優勝校と当たっていたが、この大会も初戦は選抜準Vの九州国際大付が相手であった。

三好(楽天)-高城(DeNA)のバッテリーと強力打線を擁する強豪を相手に、渡辺は会心の打撃を見せる。三好の甘く入ったボールをホームランにするなど、この試合の関西の3得点はすべて渡辺のバットから生まれた。右のエース水原の好投もあって延長12回サヨナラ勝ちした関西はこれで勢いに乗ってベスト4に進出。渡辺は敗れた準決勝でも8点を奪われた直後の攻撃で2ランホームランを放つなど、最後までチームを勇気づける打撃を見せた。

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遊撃手 宮内和也(習志野)

試合巧者・習志野を牽引したのが、1番ショート主将の宮内であった。いきなり観衆の度肝を抜いたのが初戦の静岡戦。満塁のチャンスで相手の左投手のモーションが大きいことを見抜いた宮内はすぐに小林監督とアイコンタクト。満塁からまさかのホームスチールで追加点を奪い、一気に試合のムードを習志野に呼び込んだ。

その後も、明徳義塾・金沢と強敵を相手にショートの好守備と巧みな打撃・選球眼でチームを牽引。強打で席巻した日大三とは違うタイプの強さを見せた習志野の野球を象徴する存在であった。

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左翼手 遠藤和哉(八幡商)

八幡商に歴史的な逆転劇をもたらした満塁男。8回までわずか2安打に抑え込まれた2回戦の帝京戦。2点ビハインドの9回表に満塁で打席を迎えると、遠藤は思い切りのいいスイングで粘りを見せる。

ドアスイングであるため、渡辺-石川(日本ハム)のバッテリーは果敢に内角を攻めるが、遠藤はフルスイングで痛烈なファウルを放つ。この思い切りの良さでインサイド攻めを封じ、粘った8球目のアウトハイを叩いた打球はライトポール際に飛び込む逆転満塁弾に!一躍大会注目のスラッガーに名乗りを挙げた。

3回戦の作新学院戦は相手に研究され、インサイド攻めで投手ゴロ併殺に取られるなど苦しい内容となる。しかし、最後まで自分のスイングを貫き、最終回に甘く入ったスライダーをとらえると、打球は2試合連続のホームランに!自分の打撃を貫いたスラッガーに満員の観衆から拍手が注がれた。

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中堅手 川上竜平(光星学院)

3番主将、そしてエース秋田と並ぶ投の柱としてチームを牽引した川上。大会序盤は先発投手として試合を作って秋田の負担を減らし、打撃では初戦で満塁弾とランニング3ランを放つ暴れっぷりを見せた。ストレートにはめっぽう強く、大会中盤は好投手との対戦が続いたことでやや不調に陥ったが、準決勝では再び作新学院・飯野のストレートをとらえて3本目のホームランを放ち、面目躍如の活躍を見せた。

当初は高卒プロ入りするような選手ではなかったそうだが、光星学院の冬の猛練習に耐えてぐっと実力がアップ。努力する姿を1学年下の田村(ロッテ)、北條(阪神)に見せ、良き手本とあった。

2011選手権ダイジェスト 光星学院-東洋大姫路 – YouTube

右翼手 高山俊(日大三)

強力打線を誇った日大三打線の中でも最も高いポテンシャルを持っていた打者だっただろう。俊足・強打・強肩を3拍子揃ったタイプであり、選抜までは1番打者を務めていたが、夏は5番打者としてチームを牽引した。俊足の高山が5番に入ることで、下位打線へと流れる1番打者の役割も同時に果たし、日大三打線の切れ目はますますなくなっていった。

大会序盤は3番畔上が不調だったが、高山・菅沼の好調な5,6番コンビが得点を重ねたことで開星・智辯和歌山といった強打を誇る西の強豪にも打ち負けなかった。決勝では光星学院のエース秋田から先制の3ランホームランを記録。細心の注意を払って投げていた相手エースから戦意を根こそぎ刈り取るような、凄まじい当たりを放ち、日大三へムードをぐっと引き寄せた。高山の活躍あっての、この年の日大三の強打であった。

日大三vs開星 2011年夏 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

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