大会ベストナイン(2016年選抜)

2016年

右投手 村上頌樹(智辯学園)

智辯学園に初の全国制覇をもたらしたエース・村上頌樹。最後は自らのサヨナラ打で優勝を勝ち取り、大会のヒーローとなった。1年生時から甲子園のマウンドを踏んでいたが、前年夏は天理の強力打線通じず敗退。秋の近畿大会でも大阪桐蔭打線に9失点し、苦しい時期を過ごした。しかし、今選抜では左からの開きを抑えた投球フォームから右打者のインサイドにきっちりと投げ込める制球力を武器に、5試合でわずか4失点で優勝まで駆け上がった。打撃でも下級生が主軸を務める中で、残したランナーを確実に返し、投打でチームをけん引した。ライバル天理に続き、2校目の優勝校としてその名を刻んだ選抜大会であった。

 

左投手 早川隆久(木更津総合)

西高東低だった今大会において、東日本勢で唯一ベスト8入りしたのが、好左腕・早川隆久を擁する木更津総合であった。ストレートはスピード、キレともに申し分なく、変化球もすべての種類でコントロールよく投げ分けることができた。緩急、内外角の出し入れで、目を見張るボールこそないものの、打てるボールもないという印象の投手であった。2回戦では2012年夏の選手権、前年秋の神宮大会で敗れている大阪桐蔭と対戦。初回に3番吉沢に一発を浴びたものの、以降は得点を許さずにタレント軍団を1失点完投で下した。ちなみに関東勢が甲子園で通算2勝19敗と圧倒的に分の悪い大阪桐蔭に対して、勝利したことがあるのは、あの斎藤佑樹(日本ハム)擁する早稲田実と早川の木更津総合だけである。続く秀岳館戦で逆転サヨナラ負けを喫したものの、総合力で大会No.1の投手だったのは間違いないだろう。

 

捕手 植田響介(高松商)

高松商の快進撃を4番捕手として支えたチームの要が植田響介だった。特に好不調の波が激しいエース浦を巧みな配球でリードし、準決勝では強打の秀岳館打線を延長戦で2点に抑え込んだ。打っては4番として腰の据わった打撃を見せ、準々決勝の海星戦では追い上げを食らう中でホームランを放って流れを変えた。長尾監督のもとに集結したタレント軍団の中心としてチームを引っ張った。

 

一塁手 馬越大地(滋賀学園)

今選抜で初の甲子園勝利をつかみ取った滋賀学園。その主砲としてチームを引っ張ったのが4番の馬越大地だった。頭上でバットをクルクル回す特徴的なフォームから「ヘリコプター打法」と言われたが、タイミングの取り方がうまく、2回戦の釜石戦では豪快なホームランも放った。準々決勝では智弁学園・村上の前に無安打に抑えられたが、今大会話題をさらった打者の一人であった。

 

二塁手 美農晃成(高松商)

強打の高松商を象徴する打棒の持ち主が5番を務める美農晃成であった。左打席から放たれる強烈なスイングから、素晴らしい球足の打球を飛ばし、創志学園・高田(巨人)や秀岳館・有村といった好投手から決勝打を放った。昔と比較すると、大人しい選手が多くなった昨今において、ギラギラした「必殺仕事人」のような雰囲気を醸し出しており、いい意味で異質な選手であった。また、セカンドの守備でもたびたび好守を連発。リリーバーとして143キロを記録するなど、貢献度は最大級であった。

 

三塁手 廣部就平(秀岳館)

2年生ながら秀岳館打線の6番打者として厚みを加えていたのが廣部就平。どっしりとした構えから繰り出すパワフルな打球で相手投手を震え上がらせた。秀岳館名物のスコアをつけながらのロングティーで鍛え上げた長打力で、2回戦の南陽工戦では初戦完封の重富から打った瞬間にそれとわかるホームランを放った。準決勝では最後の打者になってしまったが、13打数5安打4打点と仕事を果たした選抜だった。

 

遊撃手 山口拓紀(海星)

今大会ノーマークながら前年優勝の敦賀気比を倒してベスト8へ勝ち進んだ海星。伝統校ながら以外にも選抜では初めての勝利をマークした中で、ショートとして堅守でチームに貢献したのが山口拓紀だった。出足のいい守備で3試合で無失策と堅い守りを見せた。また、打撃でも下位打線ながら10打数6安打と記録し、準々決勝では4打数4安打の大当たり。攻撃の起点となった。

 

左翼手 岡田悠希(龍谷大平安)

2年生ながら龍谷大平安のクリーンアップをつとめた岡田悠希。ここ数年強打のチームを作り上げている平安打線の中でもそのポテンシャルはけた違いであった。初戦の明徳義塾戦で前を打つ4番橋本が豪快な一発を放った直後に打席に入ると、エース中野の甘く入ったボールを一閃した打球はバックスクリーンに悠々飛び込み、2者連続のホームランに。この時点で点差は2点だったが、あまりの迫力にもはや試合は決したような雰囲気になった。この打席のインパクトが強烈だったためか、その後はまともに勝負はしてもらえず。4試合で6四球という数字がいかに警戒されていたかを物語っていた。

 

中堅手 青木雄大(智辯学園)

智辯学園の9番センターとして投打でチームに貢献したのが青木雄大だ。左打席からのシュアな打撃で準決勝の龍谷大平安戦では3安打をマーク。最終回には逆転サヨナラに向けてチャンスを広げるヒットを放った。また、センターの守備でも好返球で補殺を記録し、通算100勝を狙った平安に流れを渡さなかった。決勝の高松商戦でも先制打を記録し、いぶし銀の活躍で初優勝を手繰り寄せた。

 

右翼手 鳥海嵐万(木更津総合)

エース早川を援護したい木更津総合打線にあって4番としてしっかり結果を残したのが鳥海嵐万だった。大柄な体ながらコンパクトなスイングで9打数4安打とヒットを量産し、大阪桐蔭戦では集中打の出た3回に相手エース高山(日本ハム)から貴重なタイムリーを放った。準々決勝の秀岳館戦でも先制打を放ったが、最後は相手打線の粘りの前にまさかのサヨナラ負け。4番としての結果に手ごたえをつかみながらも、涙をのんだ。

コメント

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