大会No.1投手(1988年選抜) 木村龍治(中京)

1988年

甲子園の中で数々の悲劇的な投手が登場してきたが、中京の木村龍治(巨人)も間違いなくその中に挙がるだろう。ベスト8を前に敗退したが、その投球内容とインパクトの強さは大会でもNo.1の存在感を放った。2年生時から甲子園を経験し、池田や鹿児島商工を下してベスト8に勝ち進み、新チームでは絶対的エースとして選抜に帰ってきた。

 

初戦は高岡商との夏春連続出場同士の対戦となり、相手エース尾山(ヤクルト)との投げ合いを制して、7-2と完勝を収めた。そして、迎えた宇部商との3回戦。木村は立ち上がりから抜群のコントロールと球威でくせ者ぞろいの宇部商打線にヒットはおろか出塁も許さない。そして、8回裏に味方が待望の先制点を挙げ、史上2人目の完全試合達成のマウンドに向かったが…

ここからは多くの高校野球ファンがご存じのように、1アウトから初ヒットを許すと、2アウト後に宇部商の1番坂本に逆転2ランを浴び、パーファクトはおろか勝利までも逃してしまった。

この試合が与えたダメージはことのほか大きく、中京はその年の夏は初戦で7-8でまさかの初戦敗退。これが尾を引いたか、その後県内のライバルに後れを取り、準優勝した1997年の選抜まで春夏通じて1度も出場できなかった。やはり、甲子園の1試合が与える影響はほかの試合とは比較にならないものがある。

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