大会No.1投手（1997年夏）　川口知哉（平安）

長らく低迷期を迎えていた平安に復活の流れをもたらしたのが川口知哉（オリックス）であった。エースで4番で主将と文字通りチームの大黒柱だった男は選抜で8強入りを果たすと、なつの大会ではなぜか公立校ばかりと対戦。石原（広島）を擁する県岐阜商、藤川球児（阪神）のいた高知商、好投手・伊藤を擁した浜松工、強力打線を誇った徳島商、2年連続でベスト4に勝ち進んだ前橋工と骨のある相手ばかりを倒し、この5試合で防御率は0点台と圧巻の投球を展開した。

投球内容以上に注目されたのがそのビッグマウスぶりで2回戦のヒーローインタビューでは「次は完全試合を狙います」とのコメントを出し、注目を浴びた。SNS全盛の現代で同じ発言をしたらと思うと、ゾッとするが…(笑)。しかし、140キロ台の速球に加えて、6種類とあると言われたカーブも自在にコントロールでき、その実力は間違いなく高校生トップレベルであった。最後は疲れから智辯和歌山打線に打ち込まれたが、この大会でNo.1だったことは疑う余地がない投手であった。