激戦ブロック 2010年選抜

2010年

エース島袋(ソフトバンク)を軸に興南が、春夏連覇を成し遂げた2010年の高校野球。しかし、そんな興南も2009年の甲子園では春夏ともに惜敗を喫していた。2010年の選抜で、まずは1勝を期して臨んだ興南を待ち構えていたのは、実力校がひしめき合う死のブロックであった。

興南は昨年春夏連続出場のメンバーが多数残り、経験は豊富。大会N0.1左腕の呼び声高い島袋(ソフトバンク)を今度こそ打線が援護したい。島袋は昨秋の大会で50イニングを投げ、防御率は驚異の0.00。トルネード投法から投げ込む140キロ中盤の切れのある真っすぐに秋の段階では各打者手が出なかった。試合後半のスタミナの問題についても解消してきた。真っすぐにこだわりすぎるきらいはあるが、球の質自体は文句なしでNo.1だ。

問題は打線。昨秋も島袋が投げていなかったとはいえ、宮崎工の技巧派左腕・浜田(中日)をとらえきれず敗れた。県大会では4割を超えた打線も九州大会では打率1割台。昨選抜は延長10回0封され、夏も5安打3得点。全国レベルの投手をどう攻略するかが課題だ。

チームバッティングのできる打線なだけに確実性を挙げていきたい。3番の好打者・我如古と4番で昨夏に明豊・今宮(ソフトバンク)からホームランを放った真栄平に期待したい。沖縄勢として2年ぶりの選抜制覇を狙う。

【好投手列伝】沖縄県篇記憶に残る平成の名投手 2/2 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

夏春連続出場の帝京は強力な投手陣で優勝を狙う。昨夏1年生ながら148キロをマークした伊藤拓郎(元DeNA)は投球回数とほぼ同じ奪三振を記録。快速球に高速スライダーを交え、打者を圧倒する。ここに同じく140キロ台の速球を持つ3年生の鈴木、山崎(DeNA)を加えた投手力は大会でもNo.1ではないだろうか。この贅沢な投手陣をどうまわしていくか、前田監督の腕の見せ所だ。

打線は田口、吉岡の昨夏を経験した1,2番が出塁し、園田、久保田、岡部の左トリオのクリーンアップが返していく。下位を打つ松本はパンチ力があり、ショートの守備にも定評がある。しかし、松本以外の内野の守備が固まっておらず、本番までに何とかしたい。まずはあと2勝に迫った前田監督の50勝に到達し、その後2度目の選抜制覇を狙う。

【好投手列伝】東京都篇記憶に残る平成の名投手 4/5 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

近畿王者・神戸国際大付はエースで4番で主将の岡本(ソフトバンク)を中心に2005年以来の選抜に臨む。岡本はMAX144キロのストレートに手元で大きく曲がるスライダーと小さい変化のスライダー、カーブを交え、コントロールよく試合を作れる完成度の高い投手だ。特にスライダーの切れは抜群で攻略は困難を極める。ここに力のある球を投げる右スリークオーターの大田、カーブのいい2年生左腕大川と質量ともに豊富な投手陣は初戦で当たる優勝候補・帝京と比べてもそん色ない。

打線は破壊力という点では劣るが、足の速い打者が並び状況判断にも優れる。1番の石岡は大柄なトップバッターで、50メートルを5秒9で走る俊足の持ち主。2番に小技のうまい松村が入り、3番の田中が返す。下位を打つ真野や石井は勝負強くつなぐ攻撃が持ち味だ。これまでの神国と違い、もろさの少ない粘り強いチーム。合言葉は「ちゃんとやろ!」できることをしっかりやるスタイルで守備・走塁を固めたnew神戸国際大付を見せる。

【好投手列伝】兵庫県篇記憶に残る平成の名投手 4/4 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

智辯和歌山は高嶋監督の通算最多勝に王手をかけている。記念すべき勝利を挙げて上位を狙いたい。今年のチームには西川遥輝(日本ハム)というスーパースターがいる。1年春から公式戦に出場する天才肌のプレーヤー。しなやかな打撃で長打力も併せ持ち、甲子園通算打率は4割を誇る。これまで両手首の骨折に悩まされてきたが、今大会は初めて万全で迎える大会。本領を発揮したい。

昨夏から上位を形成する1番城山、2番岩佐戸、4番山本がそのまま残る打線は強力。下位の宮川、瀬戸もパンチ力を秘める。課題は投手陣で昨秋は立命館宇治打線に打ち込まれた。左の技巧派・吉元やフォークが武器の藤井、右アンダースローの上野山と駒はそろっている。この中から誰が抜けだすかがチームの浮沈のカギを握る。

智辯和歌山らしく打撃で援護し、勝ち上がりながら投手を育てて優勝を目指したい。

 

今治西は4年連続の選抜出場。神宮大会では粘りの野球で神国、開星を倒して2勝をマーク。過去3回逃しているベスト8進出を狙う。昨年の選抜を経験している左腕・日野は低めに丁寧に集める投球が持ち味。球速こそ速くないが、見た目以上に打ちづらく、そして打たれ強い。2番手の林は130キロ台ながら勢いのある真っすぐで押していく本格派。このタイプの違う2枚看板を上手に使い分けて昨秋は快進撃を見せた。

打線は打率こそ0.288と低いが粘り強さがある。神宮の神戸国際戦では9回2アウトからつないでつないで逆転サヨナラ勝ちをもぎ取った。左打者が7人いるなかで4番の関は貴重な右の大砲だ。3番の好打者浜元とともにチームの中心となる。投打とも迫力こそないが、粘り強さが持ち味。4年連続の経験を活かして上位に割り込みたい。

 

中国大会準優勝の関西は2年生投手がチームを守る若いチームだが、実力は侮れない。エース堅田は昨秋53回を投げて防御率は0.34。低めに徹底的に集める投球で安定感は抜群。三振数も投球回数を上回っている。2番手の2年生水原も140キロを超す真っすぐで押せる本格派。これからが楽しみな投手陣だ。

打線の核になるのは3番の磯本。50メートルを5秒7で走る快足。プロへ行くような選手を何人も見てきた江浦監督をしてこれまでで断トツと言わしめるスピードだ。あまりの快足に相手の守備ミスを誘発してしまうほどだ。4番植田、5番渡辺は長打力があり、1~3番の快足トリオをホームに返す。9番の船守がチーム内で首位打者・打点王と層も厚い。練習試合含め8敗しているが、エース堅田が先発して本気で勝ちに行った試合は無敗。秘めた力はかなり高く、優勝も狙えるチームだ。

【好投手列伝】岡山県篇記憶に残る平成の名投手 3/3 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

高岡商業は昨夏の県大会決勝で南砺福野にまさかの逆転負けを喫したが、その時の主力が残っており、バッテリー中心の守りの野球で北信越大会を制した。エース鍋田は制球力があり、試合を壊さない安定感がある。捕手・松島は3番としても打線を引っ張るチームの要。初戦の強打の智辯和歌山を抑え込めるか注目だ。

 

三重は夏春連続の甲子園出場。技巧派左腕・増田、4番の投手兼任の強打者・松田、6番強打の道貝ら経験者が残り、昨秋も王者・中京大中京相手に粘りの野球で食い下がった。本番でも持ち前の終盤の勝負強さを見せたい。

 

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