盛岡大付vs石岡一 2019年選抜

2019年

常連校追い詰めた好投手

2019年選抜1回戦で好投手vs強力打線の好カードが実現した。

進路】岩本大地(石岡一高)は中央大学へ進学|高校時代エピソード ...

石岡一は21世紀枠で初めての甲子園出場。エース岩本大地はストレートの最速は140キロ台中盤をマークし、伸びも球威も一級品のボールである。常総学院など強豪がひしめく茨城県でなかなか代表の座をつかめなかったが、創部105年で初となる夢舞台をつかみ取った。やや非力と言われる打線がどこまで援護できるかがカギだった。

【好投手列伝】茨城県篇記憶に残る平成の名投手 3/3 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

盛岡大付 野球部メンバー(2019)の出身中学・出身シニアを紹介 ...

対する盛岡大付は2年ぶりの選抜の舞台。わんこそば打線はこの年も破壊力抜群。前年秋の公式戦では12試合で90得点をマークしており、県大会では大船渡の速球派右腕・佐々木朗(ロッテ)も攻略したように、ストレートには得意意識を持つ。エース左腕・阿部も安定しており、2年前の8強入りに続く快進撃が期待された。

最終回につながったわんこそば打線

2019年選抜1回戦

石岡一

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 2
0 0 0 0 0 0 0 0 2 3

盛岡大付

 

石岡一   岩本

盛岡大付  阿部

盛岡大付優位が予想された試合だったが、試合が始まると石岡一・岩本の投球がとにかく素晴らしい。伸びのあるストレートをコーナーに決める投球で盛岡大付打線に付け入るスキをほとんど与えない。佐々木朗のストレートでさえ対応した盛岡大付打線だったが、コーナーに決める制球力と初速・終速の差が少ないキレのあるボールの前に手が出ない。

すると、3回表に石岡一が先制点を奪う。四球で出たランナーをきっちり犠打で進めて1アウト2塁のチャンスをつかむと、内野ゴロで2アウト3塁に。ここで2番酒井のセカンドゴロをセカンド佐々木が無難にさばくも、ファースト及川の足が一瞬ベースから離れてしまい、間一髪セーフで石岡一が先制点を奪う。

先制された盛岡大付は中盤以降ランナーを出し始めるが、岩本の投球をなかなか崩すことができない。スコアリングポジションにランナーを背負ってから一段とギアの上がる岩本の投球の前に決定打を欠く。結局4回から7回まで毎回ランナーを出しながらも無得点に終わる。

ただこの試合を崩さなかった立役者は盛岡大付の軟投派左腕・阿部。不運な形で先制点は許したものの、キレのある変化球を低めに集める投球で追加点を与えない。6回には満塁のピンチを招きながらも、低めの変化球を振らせて空振り三振に切って取る。石岡一が1点のリードを保ったまま、最終回の攻防へと向かった。

9回表、阿部は簡単に2アウトを奪うが、ここから8番滑川、9番古屋に連打を許す。嫌な形でランナーを背負うと、続く1番武田には2ストライクと追い込みながら変化球が高めに入ってしまう。これを武田が素直にセンターへ返してタイムリーヒットとなり、石岡一が土壇場で貴重な追加点を奪う。

これで勝負あったかと思われた9回裏。ところが、ここから盛岡大付が底力を見せる。先頭の2番佐々木がライトへのヒットで出塁すると、2アウト後に5番小野寺が甘く入ったストレートを痛烈に引っ張り、ライト線への2塁打で2アウトながら2,3塁と同点のチャンスを演出する。ここで6番小川もインサイドのストレートを差し込まれながらもライトへ運び、2者生還。盛岡大付が土壇場で試合を振り出しに戻した。

この場面、小野寺も小川も2ストライクまで追い込まれながらもじっくりと待球して甘いボールを確実にとらえるあたりに、粘り強さとしたたかさが垣間見えた。初出場から8連敗を記録するなど、なかなか勝てない時代の続いた盛岡大付だが、今やすっかり常連校・強豪校になったと感じさせられた場面だった。

こうなると、試合は追いついた盛岡大付のペースとなる。10回表の相手の攻撃を阿部が3人で片付けると、その裏に四球2つと失策で満塁のチャンスを迎える。動揺を隠しきれない石岡一バッテリー。最後は7番島上の投手へのゴロを、岩本がホームへ悪送球して3塁ランナーが生還し、あっけない幕切れで盛岡大付がサヨナラ勝利をもぎ取った。

まとめ

盛岡大付は9回2アウト2ストライクに追い込まれる場面が2度ありながらも、最後は石岡一・岩本のストレートをしっかりとらえて同点劇へつなげた。わんこそば打線の面目躍如の攻撃であった。2017年のような派手さはなかったが、土壇場での集中力を見せたこの年の戦いぶりはまた違った意味で、「強打の盛岡大付」を印象付けるものとなった。

一方、石岡一は絶対的エース岩本を中心に一枚岩で戦った、その試合運びは見事であった。前評判では上回る強力打線に対して、岩本は会心の投球で無失点ピッチングを繰り広げ、野手陣も9回まで無失策でエースを支えた。茨城県勢にまた一つ楽しみなチームが生まれたと感じさせた試合であった。

2021年選手権1回戦 盛岡大付vs鹿島学園(4日目第4試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

センバツ高校野球 石岡一VS盛岡大付ハイライト – YouTube

コメント

タイトルとURLをコピーしました