• 2002年夏の甲子園大会前予想

    優勝候補のトップ集団は報徳学園・浦和学院・帝京・明徳義塾の4強。その後を広陵・尽誠学園・鳴門工業・樟南の選抜組や大阪桐蔭・東邦・桐光学園などの激戦区を勝ち抜いたチームが追いかける展開と予想された。また、全員1,2年生の遊学館や日系ブラジル人を擁する日章学園も注目された。

    報徳学園選抜大会優勝校。史上6校目の春夏連覇を狙う。エース大谷(ロッテ)は選抜を一人で投げ抜き優勝投手となった。140キロ台中盤のストレートを低めに集める投球は安定感がある。春以降不調に陥った時期もあったが、夏の兵庫大会では復調。決勝では完封勝利を飾った。また、前年秋では大谷抜きで優勝したようにほかの投手も実力派ぞろい。石井、尾崎(日本ハム)、高妻と質量ともに豊富な投手陣は連戦にも耐えられる。打線はタレントがそろう。1番尾崎は俊足で長打力もある。3番松下は打率が高く、4番長瀧は長打力がある。前山、石井、木下、大谷で5~8番を打つが全員4番を打てる実力の持ち主。層の厚い打線である。満を持して優勝を狙える戦力である。

    浦和学院打倒報徳学園の1番手。なんと初戦でその報徳学園と当たった。報徳とは選抜の準々決勝、6月の練習試合と連敗中。3度目の正直で勝利を目指す。投手陣は2年生エース須永(日本ハム)が成長。春以降スクリューを覚え、投球の幅が広がった。2番手の鈴木もカーブの切れが光る好投手。埼玉大会では準決勝まで失点ゼロと圧倒的な力を見せた。打線も強力。1番切り込み隊長の大久保、4番田爪が中心。内田、河野、桜井と力のあるバッターがそろう。特に田爪は選抜で大谷から2本のタイムリーを打っており、打線のキーマンである。

    帝京4年ぶりに帰ってきた甲子園常連校。4年遠ざかれば最近出ていないといわれるのがつらいところだが、出れば確実に優勝候補である。投手陣は球威と制球力のあるエース高市(ヤクルト)、角度のあるストレートが武器の2年生浅野、都大会準々決勝で参考記録ながら7回ノーヒットノーランを達成した左腕吉田(広島)と充実の布陣。ただ吉田が都大会後故障して投げられないことが少し不安材料である。打線は1番松本(広島)が打率7割と高い出塁率を誇り、3番笹沢、4番坪木、5番吉田は甘く入れば1発放り込む力を持つ。開幕戦からの登場となったが、勝利して波に乗りたいところ。

    明徳義塾3季連続出場。選抜ではベスト8入りしている。主力の森岡(ヤクルト)、田辺、筧が最後の夏を迎え、虎視眈々と優勝のチャンスを狙う。このチームがすごいのは選抜準々決勝で敗れて以降、練習試合も含め40数試合負けなしなのである。その中には9回7点差を追いついた試合や夏の高知大会準々決勝で9回裏ノーアウト満塁をしのいだ試合もある。馬淵監督も「これは神がかっている。優勝を狙うなら今年」と自信を見せる。エース田辺はアウトコースのコントロールが素晴らしい好投手。1年生右腕鶴川も加入し、変化球の切れが光る。打線は上位から下位まで力があり、3番森岡を中心に長打力があり、バントで確実に送ってタイムリーで返す野球を展開。これまで悪役のイメージだった明徳義塾だが、この夏は一味違うところを見せたい。

    広陵春夏連続出場。県大会決勝では広島商業との伝統校対決(いわゆる広島の早慶戦)を9-5と打ち勝って逆転で制した。広島商業の好左腕和田を見事に攻略した。2年生エース西村(巨人)は重いストレートを投げ込み、選抜では強打の中京大中京を完封。報徳学園に守備の乱れで敗れた悔しさを胸にリベンジを誓う。打線は2年生時から主力を務める1番黒川、3番黒田、4番中林を中心に得点力がある。黒田は勝負強さが光り、中林はミート力が光る。夏は意外にも22年ぶりの出場だが、上位進出を狙う。

    尽誠学園選抜8強。4季連続の甲子園である。個々の能力は前年の方が上だが、とにかくこのチームは気持ちの強いチーム。昨年秋は四国決勝で能力では上の明徳義塾を2-1と接戦で退けた。エース井上は強気の投球が光る好投手。スライダーの切れも光る。打線は香川大会全試合初回に得点。先行逃げ切りの勝ちパターンを持つ。1番上森は昨年から経験している唯一のメンバー。突破口を開く。3番磯俣、4番碩野、5番上出は積極的な打撃が光り、大量点を導く。気持ちの乗った人間力野球で再び上位進出を!

    鳴門工業選抜準優勝。徳島大会決勝では鳴門第一にリードを許しながらも土壇場で二度追いつき、最後は延長15回サヨナラ勝ちを飾った。丸山濱永のバッテリーはカーブを有効に使ったピッチングで相手を抑え込む。打線は選抜準決勝で2本のスクイズで勝ち越したようにバントを多用。しかし、山北、濱永、梅原のクリーンアップを中心に打力も高い。1番佐坂は選抜準々決勝の広島商業戦で1試合6安打を記録した。選抜前は下馬評は低かったが、この夏は堂々優勝戦線に顔を出す存在となった。

    樟南3季連続出場。好投手岩崎を擁して上位進出を狙う。選抜では広島商業の機動力野球の前に敗れ去ったため、夏にかけて守備力を鍛えなおした。岩崎は昨夏・今春と甲子園のマウンドを踏んでおり、経験は十分。力のあるストレート・切れのある縦スライダーを投げ込む九州屈指の好投手である。選抜ではベースよりに立たれてアウトコース中心の配球を攻略されたため、その反省も活かした投球ができるか。打線は4番捕手中村、5番2年生田畑に長打力があり、下位には昨夏日大三戦でホームランを放った我那覇も控える。しかし、基本的にはバントで堅実に送ってチャンスを広げるのが枦山監督の野球である。岩崎で失点が計算できるため、確実に得点を積み重ねたい。

     

    大阪桐蔭長らくPL学園の前に出場を阻まれてきたが、初出場初優勝の夏以来11年ぶりの出場となった。府大会準決勝では前年夏の決勝で煮え湯を飲まされた上宮太子と対戦。そのとき抑え込まれた好投手田村から8回裏に同点ツーランで追いつくと、最後は延長サヨナラ勝ち。見事リベンジを果たした。4番西岡(ロッテー阪神)はPL学園から誘われなかった悔しさを胸に成長。府大会の初戦東海大仰星戦ではサヨナラホームランを放った。1番渡辺、3番岩下も好打者。個々の打者のポテンシャルは昨年の方が上だが、つながりは今年の方があるだろう。投手陣は松下、三島、遠山の3人でつなぐ。しかし、府大会では制球力のある松下がエースに成長。府大会決勝では1失点完投勝利を飾った。投手陣の踏ん張り次第で上位進出も可能だろう。

    東邦昨年選抜以来の出場。県決勝では全国的にも優勝候補だった中京大中京と対戦。好投手中根を攻略し、4-2で勝利した。投手は昨年選抜で2年生で先発した長峰がエースに成長。スライダーをコントロールよく投げ込む。2年生左腕三浦もカーブの切れが光る好投手である。打線は上位に力がある。5番岩間は1年秋の東海大会でホームランを連発した好打者。2年時は1番を任されていたが、今大会はクリーンアップとしてポイントゲッターの役割を担う。初戦で大阪桐蔭との対戦となったが、好カードを制して波に乗りたい。

    桐光学園昨年選抜以来の出場。その時とはチームカラーががらりと変わり、清原船井のバッテリーを中心に守りのチームに変貌した。決勝では東海大相模を完封。悲願の神奈川の夏代表をつかみ取った。清原は三振を取るカーブと打たせて取るカーブの2種類を投げ込む。打線も決して力がないわけではなく、1番照沼、3番佐藤を中心に得点を重ねる。初の夏甲子園で腕を撫す。

    遊学館1,2年生のみでの甲子園出場。石川大会決勝では昨夏敗れた金沢と対戦。初回に6失点するもあきらめずに取返し、結局11-6で勝利。見事リベンジを果たした。エース小嶋(阪神)は三振の取れるタイプの投手。しなやかなフォームから力のあるストレートを投げ込む。打線は4番行田が長打力を秘める。山本雅弘監督も自信を見せるチームである。

    日章学園ブラジル人留学生の片山、小笠原、瀬間仲ノルベルト(中日)を中心としたパワフル野球で旋風を巻き起こす。片山は145キロのストレートで押す力のピッチング。左腕小笠原も好投手である。打線は長打力を秘め、機動力も兼ね備える。特に瀬間仲のバッティングは圧巻。飛距離は抜群で甲子園でも1発を狙う力は十分である。

    その他では3季連続出場となる東北の雄・酒田南も力がある。春季東北大会をけが人が出る中控えメンバーで優勝した実力は確かなもの。そろそろ上位進出を果たしたい。

    昨年選抜で優勝した常総学院は県大会決勝で水戸商業のエース長峰(元中日)を攻略して逆転勝ち。得意のバント戦法でかき回す。

    柳ヶ浦の吉良(元近鉄)、熊本工の山本光(元巨人)、日本航空の三澤は大会注目のスラッガーだ。

    中京の榊原(元日本ハム)、福井の藤井(元ロッテ)はともにスライダーの切れる注目の2年生エースである。