• 2006年春の選抜・甲子園大会前予想

    2020年05月10日

    優勝候補の筆頭は明治神宮大会優勝の駒大苫小牧だったが、3年生の起こした不祥事によりまさかの出場辞退。優勝争いは混とんとしているが、その中で一歩抜きんでそうなのは横浜と智弁和歌山の常勝軍団2校であろう。

    横浜は昨年秋の関東大会では準決勝で高崎商業の好左腕・石川翼を打てず敗退。しかし、各打者のポテンシャルは高く、下位まで一発長打を秘める打線は強力だ。その中で中心となるのは4番捕手の福田(中日)。1年生から甲子園でマスクをかぶり、涌井(ロッテ)とバッテリーを組んでいた逸材。関東大会準々決勝では常総学院戦で試合を決める一発を放つなど、我の強いチームをプレーで引っ張る。3番に座る2年生高浜(ロッテ)もセンスあふれる好野手。ショートの守備では深い位置から矢のような送球を見せる。2年生時から試合に出ているメンバーが多く、経験は豊富。昨年夏は慶応の好左腕中林を打てずに敗退しており、左腕対策が鍵か。投手陣は川角・浦川・西嶋と左腕3人がおり、枚数は豊富。その中でコントロールのいい川角が少しリードしており、ストレートに力のある浦川・将来性のある西嶋がリリーフする。松坂以来の選抜制覇へ期待が高まる。

    智弁和歌山は昨年夏から連続出場。昨夏は青森山田の剛腕・柳田(元ロッテ)を苦しめた。その時中軸を打っていた広井・橋本(阪神)・亀田・松隈がそのまま残り強力打線を形成。近畿大会では橋本・松隈がアベックホームランを放つなど長打力は優勝した2000年に引けをとらない。1番主将の古宮は小柄ながら強気なバッティングでチームを引っ張る。高嶋監督も自信を見せる。投手は松隈・広井・竹中の3人を捕手橋本がリードして引っ張る。しかし、昨秋は橋本を外して捕手に2年生の植芝を起用。相手捕手攻略を得意とする高嶋監督には自軍の捕手にはとかく厳しくなる。外から見て気持ちを切り替え、配球を勉強した橋本に投手陣の出来はかかっている。3人の中ではノントロールのいい竹中が最も安定感があり、竹中中心の起用となりそう。戦力的には優勝した代と比べても引けを取らず、12年ぶりの春制覇を目指す。

    その他のチームも力の差はほとんどなく後に続く。

    明治神宮大会準優勝の関西は昨年春夏に続き3季連続の出場。中国大会では広陵のプロ注目のエース吉川(日本ハム)、2番手野村(広島)の投手陣を9-1のコールドで破った。スタメン全員が3割以上を記録する打線は強力。1番熊代・2番徳岡はともに俊足を生かしてチャンスメーク。4番の安井は独特の構えから力の抜けた打撃で右方向に素直に打ち返す。下位の山本がホームランを打つなど上位下位切れ目がない。投手は昨夏の京都外大西戦で終盤に6点差をひっくり返されたダースが精神面で成長。終盤のピンチをしっかりしのいで中国大会優勝を果たした。2年生の技巧派右腕・中村も成長し、2枚看板で全国制覇を狙う。

    早稲田実業は久々の甲子園出場。明治神宮大会では優勝した駒大苫小牧相手に終盤までリードを奪った。原動力はエース斉藤(日本ハム)。MAX143キロのストレートを軸に冷静な投球を披露。昨夏の西東京準決勝で日大三相手に我を忘れた投球でコールド負け。精神面の弱さを見つめなおし、試合の中で冷静に立て直した。また、牽制・フィールディングもよく東京大会では4度三塁牽制で刺し、準決勝では昨夏敗れた日大三相手に2-0と完封勝利を挙げた。打線は4番主将の後藤が軸。まだ全体的に非力な面もあるが、成長するのはこれから。1番2年生川西、3番桧垣がキーマンとなる。守りの野球で頂点を狙う。

    履正社は大阪大会3位から近畿大会優勝。明治神宮大会でも2勝を挙げた。エースの魚谷は昨年から経験豊富な右サイドハンド。岡田監督をして「このスライダーは打てない」と言わしめる必殺の武器で打ち取り、四死球はほとんど与えない。1メートル61㎝の小さな体をさらに折り曲げたフォームが打ちにくさを増長させている。3番を打つ蛯子もマウンドに上がれる。野手は上位に打者が並ぶ。1番今井、2番小谷は出塁率が高く、3番蛯子はミートがうまい。4番土井(元オリックス)は右のスラッガーで近畿決勝では勝ち越しのホームランを放った。5,6番の内野・藤井も好打者で簡単に土井は歩かせられない。7~9番が低打率なのが課題だが、伸びしろはある。春は初出場ながら上位を狙う力はある。

    清峰は夏春連続の甲子園出場。昨夏は選抜王者愛工大名電、前年選抜王者済美を次々と打ち破り、全国に衝撃を与えた。投手は昨夏の好左腕古川(元オリックス)につぐ好左腕系列の有迫。素晴らしい胸の張りから左腕をしならせるフォームは先輩譲り。伸びのあるストレートを投げ込み、四死球を出す癖も影を潜めた。打線のキーマンは主将の広滝。昨夏は済美の選抜優勝投手福井(広島)から満塁走者一掃のスリーベースを放っている。選球眼がよく広角に打ち分ける好打者だ。佐々木優、木原、佐々木伸と昨夏からの経験者で上位を固める。2番佐々田は固め打ちが得意。長崎から突如現れた新星が県勢初優勝を狙う。

    岐阜情報は好左腕尾藤を擁した守りのチーム。岐阜県が甲子園での県勢の低迷を見かねて強化プロジェクトを行っていたが、その期待に応えうるチームが現れた。エース尾藤は柔らかいフォームからMAX143キロのストレートに切れのあるスライダーで翻弄する。昨年までは無理に三振に取ろうとしていたが、藤田監督の助言で打たせて取る方向にシフト。東海NO.1左腕に成長した。打線は4番尾藤を中心に左打者6人が並ぶ。1番の小さなトップバッター鈴木はは長打力も秘める切り込み隊長。青山・太田・丹羽と中軸はシャープな振りが光り、下位打線からも日替わりヒーローが飛び出した。守りのチームだが、攻撃力は決して低くない。まずは、岐阜県勢久々のベスト8を目指す。

    秋田商業は夏春連続出場。昨夏からのエース佐藤洋はアンダーハンドの好投手。東北大会では優勝候補の青森山田・野田との投げ合いを制した。コントロールと緩急で打者を打ち取っていく。打線の軸は3番主将の佐々木。東北大会決勝の光星学院戦では逆転サヨナラツーランを放った。スタメンの大半が昨夏の甲子園を経験しており、投打の軸もしっかりしている。上位進出に期待がかかる。

    京都外大西は昨夏準優勝時の投手の北岡、本田に加え、左腕大野(中日)が急成長。投手力では大会でも指折りの存在だ。コントロールの北岡、まっすぐで押す本田、角度のある球の大野とそれぞれに持ち味がある。打線は京都のイチローこと3番平林が軸。昨夏はけがで途中から出場できなかったが、今年は最後までチームを引っ張りたい。5番捕手南本や2番林など経験者も多く、4,5番の吉田、新開は長打力を秘める。伝統的に走る野球が持ち味で平林を中心にかき回したい。昨年あと一歩で逃した大旗を狙う。

    PL学園は大会屈指の好投手前田(広島ドジャース)を擁して4回目の全国制覇を狙う。前田は回転のいい伸びのあるストレートに大きく曲がるカーブで三振の取れる好投手。1年生で甲子園のマウンドを踏み、経験も豊富だ。連戦となった昨秋の近畿大会では準決勝で履正社に府大会のリベンジをされてコールド負け。連投対策と2番手の育成が課題か。打線は力はそこまでないが、センスあふれるバッターが揃う。岡崎・木野の二遊間コンビが打線でも上位を打ってかき回し、4番の前田につなぐ。5番主将奥平・6番新2年生戸澤も好打者だ。

    高岡商業は夏春連続の出場。昨年からのエース細川を中心に経験者がずらり。明治神宮大会では優勝した駒大苫小牧を最も苦しめたチームだ。投手は技巧派の細川に本格派の堀岡で2枚看板を形成。2人とも完投能力があり、連戦にも耐えられる。打線は3番有沢が中心。宮袋監督が「もう指導するとこがない」というほどの強打者だ。その脇を小泉・北田・中野と昨年からのレギュラーが固め、北信越大会では1試合平均10.5点の破壊力を見せた。昨年関西を追い詰めながらサヨナラ負けで逃した1勝を果たし、そこから上位進出を狙う。

    成田は戦前の予想をかわして関東大会優勝。2年生の唐川(ロッテ)と川村に3年生の荒木と3人の完投能力のある投手を擁して、3度のサヨナラ勝ちを収めた。唐川はゆったりとしてフォームから伸びのあるストレートをストローに突き刺す。見た目以上に打ちにくい投手だ。川村は強気の投球で強打の東海大相模を相手に2失点完投。荒木は4番として打撃でもチームを引っ張った。尾島監督の方針で12ポジション制を敷いており、試合中でも柔軟にポジション変更ができる。昨秋の自信を胸に堂々甲子園に乗り込む。

    八重山商工は昨秋九州大会で快進撃を見せて準優勝。素質は西日本No.1のエース大嶺はMAX144キロを記録。3番を打つ金城長靖も141キロを計測する。上位の友利、東舟道、金城長が強打でチャンスを演出し、4番羽地が返す。下位打線も機動力豊で多彩な攻撃ができる。伊志嶺監督と選手は10年来の付き合いで中学時代は全国大会3位に入った。集大成となる今シーズンで上位進出を狙う。

    その他では今治北の強打や小松島の好サイド右腕安達、東海大相模のスラッガー田中大二郎(元巨人)、光星学院の4番坂本(巨人)、愛知啓成の技巧派左腕・水野、横浜を封じこんだ高崎商の左腕・石川翼にも注目だ。