• 2013年春の選抜・甲子園大会前予想

    2020年05月10日

    優勝争いの中心となりそうなのは昨年春夏連覇の大阪桐蔭と明治神宮大会優勝の仙台育英である。この王者2チームを中心に優勝争いは展開しそうだ。

    大阪桐蔭は前年春夏連覇時の捕手の森友也(西武)が主将に就任。笠松水谷の三遊間も残ったが、スタメンだったのはそれだけ。経験者は少ないが、打線の破壊力、特に長打力に関しては昨年をしのぐとも言われている。12番は2年生の森晋、峯本が務める。森晋は積極的な打撃が光り、峯本はミートがうまい。そして、3番に座る森友也。西谷監督曰く「ボールを捕らえる能力は歴代No.1」とのことで、好守でチームを引っ張る。森友の結果いかんでチームの勝敗が決まるだろう。4番の近田は昨夏代打でヒットを記録。スイングスピードの速さは特筆ものでとらえるとすさまじい飛距離を示す。後に続く田村、福森、笠松、はみな長打力があり、4番も打てるバッター。水谷はバスターから右狙いのうまい打撃を見せる。問題は投手力。いかんせん藤浪(阪神)、澤田の抜けた穴は大きい。エースの葛川は右のサイドから切れのいいストレートを投げ込むが、真っすぐが狙われやすいのが課題。いかに真っすぐを活かすための変化球を配せるかがカギとなる。2番手の技巧派の網本、速球派の高西はともに登板した近畿大会準決勝では報徳学園にコールド負け。コントロールの甘さも見られた。しかし、夏を最後まで戦ったため、準備期間が少なかったのも事実。冬にじっくり鍛えてどこまで成長しているか注目だ。前人未到の甲子園3季連続優勝に挑む。

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    昨秋の段階で最も実力の高かったチームと言われるとやはり仙台育英になるだろう。明治神宮大会では県岐阜商・藤田、北照・大串、関西・児山と全国屈指の左腕をことごとく沈めた。打線の軸となるのは4番上林(ソフトバンク)。昨夏の甲子園でも11-5と打棒を発揮した。バットコントロールが巧みで三拍子そろった好選手。大会注目の野手だ。打線はつながりがよく、1番の熊谷から6番の小林までは1発の力を秘める。明治神宮の準決勝では北照の左腕大串を小林のスリーラン、上林の満塁弾で沈め、関西の左腕小山からは1イニング一挙9得点。すさまじい破壊力だ。投手陣は鈴木・馬場の2枚看板。鈴木はコントロールよく外角低めに集めて試合を作り、馬場のストレートの力は鈴木以上。二人とも全国レベルの球威を持ち、連戦の心配もない。東北勢悲願の初優勝を目指す。

    その他のチームも大きく力の差はない。

    関東王者の浦和学院は3季連続の甲子園。昨年の投打の柱だった佐藤拓也は抜けたが、その穴を感じさせない戦いぶりだった。エースは昨年1年生で甲子園のマウンドを踏んだ2年生小島。柔らかく無理のない腕の振りから切れのあるボールを内外角にコントロールよく投げ込む。昨秋は好投したが、神宮大会では高知のスラッガー和田恋に滅多打ちにされており、選抜ではよりインサイドを攻め切れるかがカギとなるだろう。控えの山口も真っすぐに球威があり、昨春夏と甲子園のマウンドを経験済み。野手は1番竹村、3番山根、4番高田と経験者がそれぞれショート、サード、センターとセンターラインを固めており新チームに移行しやすかった。竹村の機動力を活かしてチャンスを作り、34番で返すのがパターンだ。木暮、西川らも打力がある。昨年の明治神宮大会では春江工業に大量リードをひっくり返されて敗れたようにまだもろさが見られるが、総合力は決して昨年に劣らないチームだ。埼玉勢初優勝の力は十分持っている。

    高知高校は2年連続の選抜出場。四国チャンピオンとして臨む。4番の和田恋(巨人)は今大会注目の打者だ。幼少期からボールを飛ばすことに執着してきたこのバッターは飛ばすポイントを心得ており、昨秋の神宮大会では浦学・小島から4打数4安打で1ホームラン、1三塁打、2二塁打と圧倒した。ヒッチする癖があるところは気になるが、スイングスピードは大会No.1かもしれない。昨秋の打率は67分と断トツの首位打者だ。3番の市川も好打者で二人の前に走者をためたい。投手は昨秋エースの坂本が不調だったが、2年生の酒井が台頭。力のある真っすぐで空振りが取れる。坂本とはタイプが違うだけに継投のタイミングが鍵を握る。近年甲子園には出てくるが、なかなか初戦を突破できておらず、まずは1勝したのち上位を狙いたい。

    関西は中国大会で優勝。2年ぶりの甲子園で全国制覇を狙う。エースの児山(ヤクルト)はMAX138キロの力のある真っすぐを主体にして好投。昨秋は神宮大会準優勝に輝いた。変化球の切れを磨いてより真っすぐを際立たせていきたい。吉年(元広島)、宮本(元日本ハム)、堅田と続く好左腕系列に名を刻めるか。打線は12番の逢沢、小郷の2人が出塁に加えて打点もチームトップという活躍ぶり。この二人の活躍が鍵を握っている。4番の2年生土井も好打者だ。2011年の夏ベスト4で「悲劇の関西」の流れは断ち切ったが、ここからまた歴史を作っていけるか注目だ。

    広陵は3年ぶりの甲子園出場。広陵らしい積極的な野球で勝ち上がってきた。中心となるのは3番エースの下石。タイプとしては先輩の野村(広島)に似ており、バランスのいいフォームからMAX143キロのストレートにカーブ・スライダー・チェンジアップ・ツシームと器用に投げ分ける。中国地区No.1の右投手と言っていいだろう。打力も兼ね備えており、2年生4番太田とともにチームを引っ張る。カギを握るのは1番の坂田。昨秋は関西・児山から一時逆転となるスリーランを放っており、パンチ力を秘める。その後、自らのエラーで逆転を許してしまい、悔し涙にくれたが、実力は誰もが認めるところ。攻撃の導火線としてチームを優勝に導けるか。

    北照は2年連続の出場。昨年の選抜は強打の光星学院を3点に抑え、昨秋は北海道大会を連覇して明治神宮大会でも2勝を挙げた。投打の軸がしっかりしている北照らしいチームだ。投の軸は左腕・大串。コンパクトの腕の振りから切れのあるストレートを投げ込み、変化球で打たせて取る。決め球のスクリューは並の打者では手が出ない。腕の振りがよく、真っすぐと変化球の見分けがつきづらい投手だ。左の技巧派の中ではトップクラスに位置するだろう。打線の軸は3番の吉田(オリックス)。広角に打ち分けることのできる好打者で、長打力も秘めている。2010年も8強入りしており、ここ4年で3度目の選抜となる。そろそろ北海道勢初の選抜制覇を狙いたいところだ。

    沖縄尚学は昨秋の九州大会を制覇。濟々黌の好左腕大竹を9回に打ち崩した。投手陣は左の比嘉、右の宇良の二枚看板。比嘉は身長以上に大きく見えるダイナミックなフォームから内外角に球を散らす技巧派。右の宇良は真っすぐで押す速球派。タイプの違う2人の投手でマウンドを守る。打線は1番の諸見里と4番の柴引が軸。諸見里は高い身体能力を誇り、柴引は長打力がある。しかし、明治神宮大会では北照・大串を攻め込みながらも1点に抑え込まれた。全国レベルの投手をどう攻略するかが課題だ。

    濟々黌は大会屈指の左腕・大竹の力にすべてを託す。大竹は柔らかいフォームから伸びのあるストレートを投げ込む好投手。昨夏も選抜ベスト8の鳴門打線を1点に抑えた。しかし、大阪桐蔭には3ホームランを浴びて完敗。昨秋の九州地区ではほとんど打たれる場面はなかったが、冬の練習で全国で力負けしない投球を身につけられたか。打線は上位の1番中川、3番大竹、4番捕手安藤に頼るしかない状況。下位打線がいかに力をつけられるかで変わってくるだろう。

    花咲徳春は昨秋関東大会決勝で浦和学院にサヨナラ負けしたが、埼玉県大会では8-2と圧倒しており、個々の力では決して引けを取らない。優勝戦線に絡む力は十分に持っている。投手はMAX148キロの剛腕関口がエースだが、制球がやや不安定なのが難点。昨秋の完投決勝でもリリーフに失敗した。そんな中左の技巧派木暮が好投。準決勝では常総学院の強力打線を封じ込めた。選抜では関口木暮の順になりそう。打線の軸は4番捕手若月(オリックス)。ノーステップ打法からホームランを連発するパワーの持ち主。目線のぶれがなく、確実に打球を捕らえる。その他の上位陣も力があり、打力は浦学と互角の力を持つ。選抜で上位に行けるかはおそらく関口の出来にかかっているだろう。

    県岐阜商は2季連続の甲子園。明治神宮大会でも9回まで仙台育英と互角に渡り合った。左腕藤田は藤田監督の息子で昨夏のマウンドも経験している。真っすぐと大きなカーブが武器で、特にカーブは同じ腕の振りからスピードが抜けてコントロルよく低めに決まる。見た目以上に打ちづらい投手で、マウンド度胸もいい。打線は送りバント、ヒットエンドラン、盗塁と流れるような攻撃がを見せる。1番の河村は率は高くないが思い切りのいい打撃で突破口を開き、3番青木は高打率でチームを引っ張る。雰囲気が2009年ベスト4のチームに似ており、上位に進めそうな気配がする。

    京都翔英は近畿大会を初制覇。太田監督のもと斬新なスタイルで勝ち上がった。練習の合間にとにかく食事をし、1キロを超すバットを振り込んで強打のチームを作り上げた。近畿大会では履正社、平安、報徳と全国レベルの強豪を相手に競り勝った。投打の中心となるのは4番エースの榎本。安定したフォームから繰り出すストレートは140キロ台を記録し、低めを丁寧に突く。太田監督のこだわりで京都翔英のエースナンバー18を背負い、マウンドに上がる。そこにはベンチ外の選手の思いも背負うという意味が込められている。打撃では直球に滅法強く、秋は4割を超す打率だった。3番捕手山口とともにチームを引っ張り全国に旋風を巻き起こす。初出場ながらただの初出場校ではない。

    報徳学園はエース乾を中心とした守りのチーム。乾の真っすぐは回転がよく高めのボール球にも手を出しやすい。真っすぐに頼りすぎるきらいがあるため、いかにスライダーを配せるかがカギになる。捕手で主将の松谷とのコンビが重要となる。打線は非力ながらバントを絡めた堅実な攻めを見せる。11点を確実にとる野球でエースを援護する。

    履正社は昨秋の大阪大会決勝で大阪桐蔭を撃破。左腕の東野、東、右腕阪本と旧チームの投手がそのまま残った豪華な布陣。エース東野のチェンジアップは「高校生では打てない」と相手校の監督に言わしめるほどの切れを見せる。打線の軸は4番の沖田。昨年の選抜でもホームランを放っており、期待のスラッガーだ。左の宮崎も好打者で沖田の前でチャンスメークする。

    済美は剛腕・安楽(楽天)を従えて、上位を目指す。上甲監督の指導方針で徹底的に下半身を強化してきており、捕手金子とのコンビでストレートを主体とした投球で力で抑え込む。打線が非力なのが気がかりだが、3番ショートの宇佐川、5番主将の太田の活躍に期待する。安楽は打撃でも長打力を秘めており、打って自分を楽にしたい。

     

    その他の注目投手では、大和広陵の立田(日本ハム)、常総学院の飯田、創生館の大野、龍谷大平安の福岡が挙がる。打線で福井大会の記録を更新した敦賀気比、フルスイングが魅力の常葉菊川も注目。個人では、聖光学院の園部の長打力も魅力。昨夏は浦和学院のエース佐藤からバックスクリーンに放り込んだ。

    また、土佐の戦力疾走、ジャイアンツ・阿部の母校安田学園にも注目である。