• 2017年選手権準決勝 広陵vs天理(13日目第1試合)

    2021年09月09日

    大会13日目第1試合

     

    広陵

    1 2 3 4 5 6 7 8 9
    2 0 0 1 1 2 3 0 3 12
    0 0 2 2 0 0 2 0 3 9

    天理

     

    広陵  山本→平元→山本

    天理  碓井→坂根

    第99回決勝の座をかけた第1試合は中村(広島)が大会新記録の6本目のホームランを記録するなど、広陵打線が猛打さく裂!最終回の天理の猛追を振り切り、2007年以来の決勝進出を決めた。

    試合

    ここまで4試合連続の2桁安打と打線好調な広陵。天理の先発・碓井はスライダーとシュートを武器とする技巧派サイド右腕だが、上位から下位まで穴のない広陵打線が初回からいきなり襲いかかる。

    1番高田誠がシュートに詰まりながらも二遊間への内野安打として出塁すると、犠打で1アウト2塁となり、打席にはこの大会4ホームランの中村が入る。インコースを狙ったボールが逆球になったのを逃さずとらえると、打球はバックスクリーンに飛び込む先制2ランホームラン!あの清原和博の記録に第一打席であっさりと並んでみせた。

    広陵の先発は準々決勝に続いて左腕・山本。3回戦以降調子を上げてきた技巧派の好投手が1,2回と無難に立ち上がったが、3回に入って天理打線の反撃にあう。1アウトから1番宮崎、2番山口の連打を浴びると、2アウト後に4番神野にアウトコースの変化球を払われ、打球は右中間を破るタイムリー3塁打となってたちまち同点に。初戦の2ホームラン以降やや調子を落としていたが、ここにきて完全に調子を取り戻した。

    その後は点の取り合いとなり、4回に広陵が山本のタイムリー1点を勝ち越せば、その裏に天理は下位打線の3連打で逆転。両チームの打線ともに相手投手の投球術に惑わされることなく、好球必打で振りぬく打撃が際立つ。特に天理の左打者は山本の角度のあるボールに対して、体が開かずにきっちり対応できていた。

    そして、広陵1点ビハインドで迎えた5回表に歴史を塗り替える瞬間が訪れる。この回先頭の中村が真ん中寄りのボールを完ぺきに捕らえた打球は、打った瞬間に本人もそれと確信するホームランに。左中間スタンドに打球が弾み、長い甲子園の歴史の中で新記録となる1大会6本目のアーチを叩き込んだ。

    この1点で波に乗った広陵は5回裏の無死1,3塁のピンチでスクイズを中村がダイビングキャッチして併殺に打ち取り、無失点で切り抜ける。打撃でなく、フィールディングも一級品だ。リリーフした平元が相手打線を抑えたことも勢いを与えた。6回表に2アウト満塁から平元のタイムリーで勝ち越すと、7回表には再び2アウト満塁で中村が走者一掃のタイムリー2塁打。バッテリーでたたき出した5点で大きなアドバンテージを得た。

    天理打線も7回裏に7番安原の2試合連続となるホームランで2点を返すが、碓井坂根と2本柱を攻略された天理のディフェンスに耐える力は残っておらず、9回表にも9番丸山のホームランなどでダメ押しの3点を追加される。

    9回裏を迎えて点差は6点。マウンドには復調気配のエース平元。試合はほぼ決まったかに思われた。しかし、ここから天理が伝統校の意地を見せる。代打・橋本がショートへの内野安打で出塁すると、なんと7番の森本まで5連打を放ち、2点を返してさらに無死満塁。打者の右左を問わず、全員がセンターから逆方向へつなぐ打撃で、わっしょいのコールに乗りながら広陵を最後まで苦しめる。

    広陵はたまらず平元を下げて山本を再びマウンドへ。まるで2009年の日本文理を思い起こさせるかのような最終回の猛反撃。さらに2アウト後、1番宮崎が押し出し四球を選んでついに点差は3点となる。打席には前の試合で2ホームランで、この日は2番に昇格した山口。一発が出れば、奇跡の逆転劇となるところであったが、最後は山本の得意のスライダーにバットが空を切ってゲームセット。広陵が薄氷を踏む思いで4度目の決勝進出を決めた。

    まとめ

    広陵は中村が2本のホームランに守備でも好フィールディングを連発し、好守に千両役者の活躍ぶりであった。また、中村以外の打者陣の層の厚さも相変わらずで、この日で5試合連続となる2桁安打をマーク。広陵史上でも最強といっても過言ではない攻撃陣だ。投手陣の疲れがやや心配されるが、とにもかくにもこれで10年ぶりの決勝進出。寸前で逃した深紅の大優勝旗はもう目の前だ。

    一方、天理は敗れてもなおあっぱれの戦いぶり。中村のようなスター選手はいないものの、全員でつなぐ意識の攻撃陣と、粘り強い守りで本当に久々の4強入りを果たした。不祥事で甲子園から遠ざかった時期もあったが、中村監督のもと新しい天理として再び上位進出を果たした。ポテンシャルが評価されながらも、どこかもろさの合ったチームカラーを払しょくする戦いぶりであった。