• 2017年選抜2回戦 大阪桐蔭vs静岡(8日目第3試合)

    2020年05月22日

    大会8日目第3試合

     

    大阪桐蔭

    11

    静岡

     

    大阪桐蔭    横川→香川→徳山→根尾

    静岡      池谷→竹内

    強豪校同士の見ごたえある攻防はくしくも第2試合と同じ11-8で決した。しかし、内容としてはこちらの試合のほうがより濃かったと感じる。

    試合

    初回、先頭の2年生・藤原が甘く入った変化球をセンターにはじき返して出塁。自慢の快足を飛ばして盗塁も決めると、四球を挟んで3番中川の犠打を3塁へ悪送球。あっさりと先制点を奪った。4番山本四球で満塁になると、5番根尾の犠飛で2点目。さらに山田・福井・横川のタイムリーで初回だけで一挙6点を挙げた。この回高めに浮いた変化球をことごとくたたかれて失点。この段階では正直ここで試合が決まってしまったと思った。

     

    その裏、大阪桐蔭のマウンドには期待の2年生左腕・横川。140キロ台の速球で押す本格派だが、いきなり先頭に四球を出すと、送りバントの処理を連続ミス。ノーアウト満塁の大ピンチを迎えると、4番成瀬の打球は左中間を深々と破り、一気に3人が生還。静岡が素晴らしい反発力を見せる。さらに1点を失ったところで、桐蔭は2番手の香川にスイッチするも静岡の反撃は止まらない。稲角・小柳・村松とヒットが続き、結局1イニングで試合を振り出しに戻した。

     

    桐蔭は2回からエースの徳山がマウンドへ。しかし、成瀬の2打席連続の2塁打でチャンスを作ると、5番森がライト前へはじき返して1点勝ち越し。静岡が1歩前へ出る。

     

    そして、静岡のエース池谷がここから衝撃の投球。強打者が居並ぶ大阪桐蔭の打線に対してほぼ全球直球勝負。スピードもさることながら切れが抜群。初速と終速の差の少ないボールに打者のバットは次々差し込まれる。初球、2球目で追い込み、3球目でやっと当たっても凡ゴロか凡フライ。とてもまともなヒットが出そうな気配がない。

     

    相手は中学時代のスーパースターが並ぶ大阪桐蔭なのである。しかも、現在の高校野球では練習で速いボールを打つ練習は日常茶飯事で行われている。そんななかで、桐蔭の打者をつぎつぎ打ち取るのだから、よほど切れがいいのだろう。これまで甲子園で大阪桐蔭の打者が直球のみでこうも牛耳られる姿は見たことがなかった。

     

    すると、7回裏静岡は先頭が四球で出るとボーク、犠打野選でチャンスを広げ、6番藤田がタイムリー。貴重な1点を追加し、試合の流れからしてこれで決まったかと思われた。しかしながら、この試合2度目の決まったという思いは再び覆される。

     

    8回表、さすがに速球攻めでガス欠を起こした静岡・池谷に桐蔭打線が襲い掛かった。根尾・山田の連打でチャンスをつかむと下位打線ながら勝負強い8番坂ノ下が同点打。さらに、代打で出た控え捕手の西嶋が勝ち越しの3塁打を放った。9回にもとどめの2点を加えた大阪桐蔭が2年ぶりのベスト8進出を決めた。

    まとめ

    敗れはしたが、大阪桐蔭相手に互角にやりあった静岡は見事というほかない。エース池谷の投球もさることながら、初回の6点をものともせず反撃した攻撃陣のメンタル面も素晴らしかった。2年前のベスト8に勝るとも劣らないインパクトがあり、東海地区の名門校が存在感を示した春だった。

     

    一方、勝った大阪桐蔭としては西谷監督いわく勉強する思いが強いだろう。才能ある選手が多いとはいえ、2年生主体の若いチーム。甲子園で1試合でも多く経験することで、現在加速度的に成長しているだろう。全国レベルの左腕・池谷のボールを見れたことは桐蔭の若い打者たちにとっては甲子園ならではの経験だった。次は全国屈指のサイドハンドの東海大福岡・安田が相手。勝ちながら強くなる大阪桐蔭としては再び勉強になる相手を迎えることとなった。