• 2019年選手権2回戦 仙台育英vs鳴門(9日目第1試合)

    2020年12月27日

    大会9日目第1試合

    仙台育英

    1 2 3 4 5 6 7 8 9
    4 0 0 2 0 1 1 0 0 8
    0 0 0 5 0 0 0 0 0 5

    鳴門

     

    仙台育英  鈴木→大栄→笹倉

    鳴門    西野→竹内

    1回戦でともに2桁得点を挙げた両チームの対戦は期待にたがわぬ打撃戦に。中盤以降も着実に加点した仙台育英が鳴門を振り切り、3回戦進出を決めた。

    試合

    仙台育英は須江監督に代わって2回目の甲子園。1回戦は打線が20得点を挙げる猛攻を見せて大勝を収めた。投手陣もエース大栄を中心に安定した投球で飯山打線を1点に抑えこんだ。仙台育英らしいパワフルさを投打に兼ね備えながらも、走塁・守備の細かい部分も徹底していく新しいチームカラーとなってきており、鳴門との実力校対決に腕を撫す。

    一方の鳴門も初戦は花巻東を相手に10得点を挙げて大勝。4番を中心に集中打の飛び出す渦潮打線の破壊力は今年も健在。仙台育英の投手陣のスピードボールにも対応できそうだ。エース西野が県大会から一人でねげ抜いており、疲労が心配されるが、持ち味のキレのあるボールを武器に仙台育英打線に果敢に挑む。

     

    立ち上がりいきなり仙台育英打線が鳴門の左腕・西野に襲い掛かった。まだコントロールにばらつきのあるところを逃さず、ファーストストライクを狙い打ち。1番中里の2塁打を足掛かりに先取点を奪うと、4番小濃は2アウトランナーなしから高めの速球をフルスイングでライトスタンドへ。パワーを見せつけると、さらにヒットでランナーをため、7番猪俣はスライダーを拾ってレフトオーバーのタイムリー2塁打。この回一挙4点を挙げて主導権を握る。

    仙台育英の先発は1回戦で4番手で登板した鈴木。まとまった投球が持ち味で力のある速球にツーシームを配し、左の好打者の多い鳴門打線をうまく料理していく。3回まで初戦10得点の鳴門打線をわずか1安打無失点に封じる。

    2回、3回と両投手ともに0を並べて迎えた4回表、再び仙台育英打線が西野をとらえる。四球と打撃妨害でランナーをためると、初回にレフトへ痛烈な2塁打を放った1番中里が今度はライトへスライダーを引っ張ってタイムリー。さらに内野ゴロの間にもう1点加え、リードを6点に広げた。西野がインサイドも使いながら徐々に調子を取り戻していただけに、打撃妨害も絡んでのこの失点は痛かった。

    ただ、点数が入ると試合が動き出すのは野球の常。4回裏に鳴門打線が突如として爆発する。2番車谷がショートゴロエラーで出塁すると、3番田口は絶妙なバントヒットを決めて1,2塁にチャンス拡大。ここで頼れる4番が苦しんでいたツーシームを完ぺきにとらえてセンターへ運び、待望の得点を刻む。

    勢いに乗った鳴門打線は5番宮崎が取りに来た真っすぐをこれもセンターへ返してもう1点追加。先発・鈴木をKOすると、2番手の大栄も攻め立てる。犠打で送って1アウト2,3塁とすると、7番納田は高めに浮いたフォークを軽打でレフトへ運び3点目。さらに盗塁で再び2,3塁とし、8番原田が真ん中寄りのスライダーを完ぺきにとらえてライトの頭を超し、一挙5点!渦潮打線がその破壊力を見せつける。

    仙台育英は長打攻勢、鳴門は単打のつながりとそれぞれ持ち味を出し合う展開。こうなると次の1点をどちらがとるかになるが、豊富な投手陣を擁する仙台育英の方が戦い方の手札は多い。2番手の大栄が5回以降はランナーを出しながらも要所でインサイドを効果的に使って踏ん張っていく。

    一方、西野が投げ抜くのが鳴門のスタイル。しかし、仙台育英の分厚い攻撃は先制、中押し、ダメ押しと着実に西野をとらえていく。6回表、先頭の9番水岡がライトへのヒットを放つと、ライトがはじいたスキを逃さずに2塁を奪う。さらに暴投で3塁に進むと、内野ゴロの間に生還。相手のスキを突く抜け目のなさは須江監督就任以来仙台育英が鍛えてきた部分だ。

    さらに7回表には先頭を四球で出すと、5番千葉へのエンドランが決まって1,3塁。積極策でチャンスを広げると、6番大栄のタイムリーで大きな追加点を奪う。序盤の豪快な攻撃と違い、中盤以降は相手のスキやポジショニングを突くしたたかな攻撃が目立った。

    ペースをつかんだ仙台育英は終盤から1年生の笹倉が登板する。1年生とは思えない思い切りのいい投球で鳴門の強力打線に立ち向かい、3イニングを無失点に。分厚い戦力を活かし、二の矢三の矢で試合を支配した仙台育英が難敵を下した。

    まとめ

    仙台育英にとってはまず初回の猛攻で西野を攻略できたことが大きかっただろう。粘りが持ち味の左腕を相手に、ペースをつかまれる前に得点を連ね、主導権を握った。中盤に追い上げを食らったが、分厚い投手層を活かした継投とそつのない攻撃による追加点で相手に流れを渡さなかった。

    前年は浦和学院の前に大差をつけられた仙台育英だったが、1年を経てたくましく成長したことを感じさせる試合であった。

     

    一方、敗れた鳴門としては4回に持ち味の集中打が出て、一方的になりかけた試合を互角に展開にできただけに、あともう一押しができなかったのが悔やまれた。西野は仙台育英の強力打線を相手によく粘って投げていたが、やはり立ち上がりの4失点は重いものとなった。ただ2010年からの10大会で実に8回の出場を誇り、一時代を築いている徳島王者の底力は十分に示した試合であった。

    [熱闘甲子園2019]鳴門対仙台育英 – YouTube