• 2019年選手権2回戦 八戸学院光星vs智辯学園(7日目第3試合)

    大会7日目第3試合

    八戸学院光星

    1 2 3 4 5 6 7 8 9
    1 0 3 0 0 3 0 1 2 10
    0 0 0 0 1 7 0 0 0 8

    智辯学園

     

    八戸学院光星  横山→山田

    智辯学園    小畠→山本→西村

    強力打線を擁する両チームの対戦は期待にたがわぬ打撃戦に。終盤に再逆転を果たした八戸学院光星が2014年以来5年ぶりとなる3回戦進出を果たした。

    試合

    智辯学園は西村小畑の左右の両輪と4番前川が1年生という若いチーム。1番塚本、3番坂下とパワーと確実性を備えた3年生が支え、奈良大会を勝ち抜いた。奈良大付との対戦では一時7点のビハインドを負いながらも逆転勝ち。奈良大会新記録となる12本のホームランを放ち、打ち勝って3年ぶりの代表の座をつかんだ。期待の新戦力と主力がかみ合い、上位進出を狙う。

    一方、八戸学院光星は開幕戦を6番下山の満塁弾などで9-0と圧勝で制し、勢いに乗って2回戦に臨む。1番武岡(ヤクルト)、3番近藤を中心に打線は好調でどこからでもチャンスが作れる。攻撃陣の分厚さでは智辯学園より一枚上か。投手陣も秋までのエース後藤とリリーフの山田で完封リレー。仲井監督の投手起用も重要で、どこで山田につないでいくかも見ものだ。

     

    試合は序盤、八戸学院光星ペースで進む。開幕戦を勝っているチームと最後に登場してくるチームの経験値の差はどうしても否めない。1回表、光星は3番近藤が智辯の先発・小畠の高めに浮いたスライダーを左中間スタンドに放り込み、1点を先制する。智辯の1年生投手に対して強烈な先制パンチを浴びせる。

    これに対して光星の先発左腕・横山は緩いボールを効果的に使って序盤は智辯学園打線を抑え込む。ストレートに強い智辯打線に対して仲井監督が相性がいいと判断した軟投派左腕が好投し、3回まで智辯は3番坂下のヒット1本に封じられる。

    2回はなんとか乗り切った小畠だったが、3回に入って再び光星の上位打線につかまる。先頭の1番武岡がインコースのストレートをとらえると、打球はあっという間にセンターバックスクリーンに飛び込み、1点を追加。投手を動揺させるには十分な打球であり、2番島袋・3番近藤の連打でさらに1点を加えて小畠を降板に追い込む。

    投手交代で流れを変えたい智辯学園だったが、さらにこの回に初戦でグランドスラムを放った6番下山にもタイムリーが飛び出して1点を加える。初戦で誉の軟投派左腕・杉本をつかまえ、この試合は本格派の小畠から技巧派の山本に代わってもすぐに攻略。光星打線の対応力の高さが光った。

    反撃したい智辯学園は5回裏に相手守備陣のミスに付け込んで1点を返すが、光星打線の勢いは止まらない。6回表に2番手・山本を攻め立て8番横山、3番近藤がタイムリーを放って3点を追加する。変化球を手元までしっかり引き付けて打ち返す光星打線の鋭いスイングに、智辯バッテリーも徐々に攻め手がなくなっていった。3番手の左サイド・西村が後続を何とかしのぐも、点差は6点に広がる。

    しかし、試合が決まったかと思われた6回裏、智辯打線の猛反撃が始まる。先頭の3番坂下がファーストを強襲する2塁打で出塁。主将の気迫のヘッドスライディングでチャンスを作ると、4番前川がライトへタイムリーを放って1点を返す。5番白石は打ち取られるも、横山の投球に慣れ始めて智辯打線はここから3連続四死球を選んで押し出しで1点を挙げ、4点差まで迫る。智辯打線の選球眼の良さが横山を徐々に追い詰めていった。

    ここで光星は2番手でリリーフエースの山田をマウンドに送るも、ジョックロックの演奏に乗って攻め立てる智辯打線の勢いは止まらない。2アウト満塁から1番塚本が基本に忠実なセンター返しで2点を返す。打球の速さが素晴らしく、強打・智辯の意地を見せる一打となった。さらに、3番下の打球が再びファーストを強襲して1点を返すと、4番前川の打球はショート武岡の前で大きく跳ねてレフトに抜ける間に2者生還。ビッグイニングで一気に試合をひっくり返した。

    大量リードを吐き出した八戸学院光星だが、打撃戦はある程度想定の範囲内。徐々に落ち着きを取り戻し、8回表に智辯学園の左腕・西村を捕まえる。3番近藤がこの日4本目となるヒットで出塁すると、犠打で二進後に乗ってる6番下山が三塁線を破って近藤が生還。甘く入ったストライクを逃さずとらえた、値千金の一打であった。

    スコアも勢いも五分五分となったがっぷり四つの戦いは、9回に結末が訪れる。8回のピンチを乗り切って迎えた光星は、西村のクロスしてくるボールをとらえ始め、8番太山、2番島袋のヒットなどで2アウト満塁のチャンスを作る。ここで、8回の守備から4番に代わって入った沢波が初球のストレートをとらえると、打球はファースト吉村を強襲。打球がファールゾーンを転々とする間に2者が生還し、光星が大きなリードを奪う。

    ベンチから出てきた選手があれだけの打球を放つところに光星打線の底力が垣間見えた。9回裏に山田が最後に苦しめられていた1番塚本を打ち取ってゲームセット。壮絶な打撃戦を制してベスト16へとコマを進めた。

    まとめ

    八戸学院光星にとっては、中盤にゲームプランが一気に崩壊する予想外の展開となったが、腰を据えて打ち返し、試合をものにした。智辯学園の3投手はともにハイレベルであったが、近距離バッティングで鍛えあげたスイングで攻略。ホームランを放った1番武岡、3番近藤を中心に計18安打を放って圧倒した。

    2011年の選抜では同じ「C」のマークの智辯和歌山を相手に力は五分以上にありながらも、試合前に名前負けして敗れた苦い記憶があったが、この試合は相手の強打にもひるまずに見事な逆転勝ち。「光星」が全国区の強豪であることを証明した一戦となった。

     

    一方、敗れた智辯学園も中盤の集中打で十分意地を見せた試合となった。中盤までは完全に試合を支配されていた中で、一気に試合をひっくり返した粘りは鳥肌ものであった。特にビッグイニングの中で2本のタイムリーを放った4番前川、上級生の意地を見せた1番塚本、3番坂下の打撃は光星に全く引けを取らなかった。

    今後、小畠西村前川と柱の残るチームの戦いが非常に楽しみであり、これからも智辯学園の動向に注目したい。

    [高校野球2019夏2回戦] 智辯学園が6点差をひっくり返すも、、、VS 八戸学院光星 – YouTube