• 2019年選手権2回戦 海星vs聖光学院(7日目第2試合)

    2020年12月13日

    大会7日目第2試合

    海星

    1 2 3 4 5 6 7 8 9
    0 0 0 1 0 1 0 0 1 3
    0 0 0 0 0 0 1 0 1 2

    聖光学院

     

    海星    柴田

    聖光学院  須藤

    両チームにホームランが飛び出した試合は終盤まで目の離せない接戦に。エース柴田の力投で1点差を守り切った海星が2002年以来17年ぶりの1勝を手にした。

    試合

    聖光学院は戦後最長となる13年連続の甲子園出場。春季県大会で2度敗退し、今年は危ないかと思われたが、夏の本戦ではさすがの安定感を見せつけた。エース須藤はストレートの球速こそ目を見張るものはないが、抜群のコントロールを武器に内外角を投げ分け、県大会を失点0で乗り切った。打線は小室三原の1,2番がかき回す機動力野球が持ち味。聖光学院らしい小技の効いた野球で突破口を開く。

    海星は夏は2014年以来5年ぶりの出場。昨夏の経験者を多く擁しながらなかなか結果が出なかったが、柴田江越とタイプの違う右投手2人の継投と勝負強い打線の援護で最後の夏を勝ち上がった。柴田はコントロールの良さ、江越は躍動感あるフォームからのキレのあるボールが武器。打線は強打の2番大串を中心とした集中打が持ち味だ。

     

    立ち上がりから両投手ともに好調なスタートを切る。聖光学院・須藤が変化球を丁寧に低めに集めれば、海星・柴田はアウトコースへのコントロールが冴え、両チームともに序盤3回までは得点はおろかチャンスらしいチャンスも生まれない。バックも内外野が好守で盛り立て、戦前の予想とは変わって投手戦で試合は進んでいく。

    先制点の比重が大きなウェートを占める展開となった中で、先に得点の門をこじ開けたのは海星。2番大串、3番松尾倫と打ち取られるも徐々にバットの芯に当たる確率が高まってくると、4番高谷が高めに浮いた変化球をセンターオーバーに運び、チャンスメークする。ここで5番主将の坂本が低めのストレートをコンパクトなスイングでレフトにはじき返し、貴重な先制点をたたき出す。

    先取点をもらった先発・柴田はスローカーブとややシュート回転するストレートを有効に使い、緩急を活かして打者を打ち取っていく。5回にはこの試合初めての連打を浴びるも、サード坂本が3塁線の打球を逆シングルで好捕する、超ファインプレーで失点を防ぐ。試合前の加藤監督は「柴田は3回まで持ってくれれば」と話していたが、どうしてどうして先発の役割をきっちりと果たす投球を見せる。

    海星1点リードで迎えた6回表。グラウンド整備が終わって仕切り直しのイニングで再び海星打線が須藤をとらえる。攻撃的2番として機能する2番大串が、追いこまれてからのインハイのストレートを完ぺきにはじき返し、ライトスタンドへ追加点となるホームランを叩き込む。バッテリーは裏をかいて突いたインサイドのボールだったが、大串の長打力の前に裏目に出た。

    中盤までなかなか海星・柴田をとらえきれない聖光学院打線だったが、7回裏にようやく得点を挙げる。この回先頭の3番荒牧がアウトコースやや甘めのストレートをとらえると、一瞬外野フライかと思った打球がぐんぐん伸びて左中間スタンドへ飛び込むホームランとなる。海星ペースで進んでいた試合はにわかに緊迫感を増す。

    なんとか1点差で食らいついていきたい聖光学院だったが、9回表に先頭の高谷の打球をセカンドが後逸して出塁を許す。ここで海星の加藤監督は積極策。犠打を予想していた聖光バッテリーの裏をかいて盗塁を敢行し、セカンドへランナーを進める。内野ゴロで三進すると、6番太田はきっちり犠飛を放ってノーヒットで追加点を挙げる。聖光学院にとっては痛い失点となった。

    2点を追う聖光学院は、1アウトから前の打席のホームランの3番荒牧が入る。先ほどよりさらに甘めに入った真ん中寄りのストレートを完ぺきに打ち返した打球はセンター深くに飛び込むソロホームランとなり、再び1点差に迫る。終盤に入って高めに浮きだした柴田の打球をとらえる回数も増え始めていた。

    しかし、辛抱強く投げ抜く柴田の前に後続が続くことができず。最後はこの試合12個目の内野ゴロで27個目のアウトを奪われてゲームセット。海星が2002年以来17年ぶりとなる夏の甲子園1勝を挙げて3回戦にコマを進めた。

    まとめ

    海星にとって何より大きかったのは先発・柴田の好投だろう。一見オーソドックスなタイプの右投手だが、ややシュート回転するストレートと辛抱強く低めを突くコントロールで聖光学院打線に決定打を許さなかった。打っては相手投手や守備陣のスキを逃さずに小刻みに得点し、最終的に1点差で試合をものにした。

    2002年に出場を果たしてから清峰の台頭などもあって長い間出場できない期間があったが、2016年の選抜8強など、県屈指の伝統校が着実に復活の歩みを進めている。

    一方、13年連続の出場を果たした聖光学院だったが、前年に引き続き初戦で姿を消すこととなった。先発の須藤は好調な立ち上がりを見せていたが、打線が柴田をとらえきれず、なかなか得意の小技を活かす展開にも持ち込めなかった。そんな中で、2打席連続でホームランを放った荒牧のバッティングは見事の一言だった。

    大型チームだった前年と違って小柄な選手が多かったが、主将・清水を中心によくまとまった好チームであり、13年連続出場で伝統をしっかり引き継いでいた。