• 2019年選手権2回戦 関東一vs熊本工(9日目第3試合)

    2020年12月29日

    大会9日目第3試合

    熊本工

    1 2 3 4 5 6 7 8 9
    0 0 0 1 0 0 3 0 1 5
    0 0 1 0 4 0 1 0 × 6

    関東一

     

    熊本工  林→村上

    関東一  土屋

    常連校同士の対戦となった2回戦最後のカードは互いに集中打が飛び出す打撃戦に。相手のミスに付け込んでそつなく得点を重ねた関東一が接戦を制し、3回戦へとコマを進めた。

    試合

    関東一は初戦で日本文理との打撃戦を制して勝ち上がってきた。序盤は先行を許したが、4番平泉のホームランなどで反撃を開始し、終わってみれば15安打10得点の猛打ぶり。上位から下位まで満遍なくヒットが飛び出し、打線は好調だ。投手陣は先発・土屋が打ち込まれたが、2番手・が真っすぐ主体の投球で好投。この試合も継投は視野に入れていそうだ。

    対する熊本工は強打の山梨学院を相手に耐えて耐えて延長12回に山口のサヨナラ弾が飛び出した。2年生のリリーフエース村上が重いストレートを武器に丁寧な投球で反撃を待ち、劇的な勝利につなげた。打線は例年ほどの強打ではないが、県大会からしぶとく得点を重ねてきた。この試合も粘って接戦に持ち込みたいところだ。

     

    関東一が初戦と同様に土屋をマウンドに送ったのに対して、熊本工は1回戦登板のなかったを先発に指名した。土屋が1回戦と違ってチェンジアップを軸に安定感抜群の投球を展開したのに対して、もランナーを出しながらも要所を踏ん張って1,2回と無失点に抑える。

    しかし、立ち上がりから投球にばらつきのあるが3回裏に乱れ、先頭から2者連続で四球を与える。後続を2者三振に打ち取るも、4番平泉のサードゴロが悪送球となる間に2塁走者が生還。関東一が先制点を手にする。何でもないゴロだっただけに非常にもったいないプレーであった。

    ミスから先制を許した熊工だが、4回表にすぐに反撃。四球のランナーを犠打で二進させると、4番内田がそれまで苦しめられていた土屋のチェンジアップをとらえてライトへはじき返し、同点に追いつく。先行されてもすぐに追いつき、ここまでは熊工も悪くない流れであったが…

    序盤からピンチの連続で球数のかさむ熊工・田島監督が「なんとか5回3点ぐらいで踏ん張ってくれれば…」ということだったが、その5回裏に相手打線につかまる。4番平泉がストレートをセンターの前に落として出塁すると、盗塁が悪送球を誘って3塁へ。5番野口がすかさずレフトへはじき返して1点を勝ち越す。

    この回、それまで投球の半数近くを占めてきたスライダーに対して、関東一の各打者の選球がよくなってきており、仕方なく取りに来たストレートを確実にとらえていく。2アウト後に6番渋谷がレフトへのヒットで出塁すると、盗塁後に7番重政のタイムリーで加点。さらにホームへの送球の間に進塁すると、8番初谷もストレートをライトへタイムリーとすると、ライトが後逸する間に初谷も一気にホームへ生還。抜け目のない走塁も絡めて関東一が一気に4点を奪った。

    ミスで流れを手放した熊工は6回から村上をマウンドに送って試合を落ち着かせる。すると、7回表に4番内田が3塁線を破る2塁打でチャンスメークし、続く5番はチェンジアップをとらえてこの試合初めての連打を放つ。1アウト2,3塁となり、前の試合でサヨナラ弾の7番山口がスライダーをとらえてサードを強襲。打球が転々とする間に2者生還し、2点差に迫る。

    徐々に熊工打線につかまり始めた土屋だが、この日の調子がいいと見て米沢監督は継投を選択しない。熊工はランエンドヒットで空振り三振の間にランナーをセカンドへ進めると、9番江川がチェンジアップをセンターに素直に返してついに1点差に詰め寄る。

    反撃態勢を整えた熊工だが、この日はどうしても守備からリズムに乗れない。その裏に4番平泉をサードゴロエラーで出塁させると、1アウト3塁となって6番渋谷はきっちり犠飛を打ち上げる。熊工にミスが目立ったとはいえ、それをことごとく得点に結びつけた関東一のしたたかさも見事だった。

    追う熊工は2点ビハインドの9回表に先頭の5番がセンターへのヒットで出塁。2つの暴投の間に3塁へ進むと、ショートゴロの間に生還し、再び1点差に詰め寄る。しかし、最後まで粘りの投球を見せた土屋が後続を打ち取ってゲームセット。荒れた展開となった試合を制し、関東一が16強最後のイスをつかみ取った。

    まとめ

    関東一はスキのない走塁を絡めて着実に加点し、試合の主導権を渡すことなく逃げ切った。送球間の進塁やエラーに付け込む打撃など、常連校らしい抜け目のなさはさすがと思わせる内容だった。投げては1回戦でKOされた土屋が5点は失ったものの、チェンジアップ主体に落ち着いた投球で熊工の反撃をしのいだ。

    ここ最近は出場すれば2勝以上することが多く、この試合も関東一が勝てる理由がよくわかる一戦であった。

     

    一方、熊工は初戦で素晴らしい守りを見せていたが、この日はとにかく守備のミスが目立つ、もったいない内容の試合であった。投手陣の自責点が2点しかないことを考えても、落ち着いた守りができていればと悔やまれる。ただ、攻撃型のチームらしく終盤は打って反撃し、1点差まで詰め寄ったのは見事。伝統校らしい粘りはよく見せた試合だった。

    [熱闘甲子園2019]関東一対熊本工業 – YouTube