2019年選手権準々決勝 星稜vs仙台育英(12日目第3試合)

2019年

大会12日目第3試合

星稜

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 5 3 0 0 0 1 4 4 17
0 0 0 1 0 0 0 0 0 1

仙台育英

 

星稜    荻原→寺沢

仙台育英  伊藤→大栄→笹倉→鈴木

強豪同士の激突となった第3試合は予想に反して星稜が猛打で仙台育英を圧倒。22安打17得点の猛攻で強敵を退け、準決勝進出を決めた。

試合

星稜は3回戦で智辯和歌山との歴史的な死闘を制し、準々決勝へ勝ち進んできた。エース奥川(ヤクルト)は延長14回を一人で投げ抜いて23三振を奪う力投ぶりだったが、そのぶん代償は重く、この試合での登板は厳しいだろう。控え投手陣がどこまで踏ん張れるか。攻撃陣は2回戦以降は当たりは取り戻してきており、3回戦でサヨナラ弾を放った福本に期待がかかる。

対する仙台育英は初戦は大勝を収めたが、2,3回戦は鳴門・敦賀気比と強敵を相手に分厚い投手陣を活かした継投策と勝負強い打線で接戦をものにしてきた。投手陣は全員が140キロ台の速球を投じており、球威は十分。打線は長打あり、勝負強さありと仙台育英らしい伸びやかかつしたたかな攻撃が光る。相手エースが投げられない中で早く自分たちのペースに持ち込みたい。

 

星稜にとっては大黒柱の奥川を欠いた状況で、控え投手陣と打撃陣がどこまで踏ん張れるかが焦点となった。そんな中で戦うには仙台育英というチームはかなりしんどい相手だと思われた。

そんな状況下で星稜のマウンドを託されたのは2回戦に続いてのマウンドとなった2年生の萩原。1回裏に好調の1番中里に甘く入ったスプリットを狙われて2塁打を浴びるが、アウトコースを丁寧について中軸を抑え込み、無失点で勝ち上がる。仙台育英としては先制点がほしい場面であった。

一方、仙台育英の先発は1回戦以来の登板となる1年生右腕の伊藤。優勝候補を相手に須江監督は勢いのある1年生をぶつけた。しかし、初回のピンチはなんとか無失点で抑えたものの、2回表に星稜打線の猛攻を受ける。1アウトから7番岡田が左中間を破る2塁打で出塁すると、連続四球で満塁の大ピンチに。1番東海林にはツーシームをとらえられて1点を失うと、2番今井はインコースのストレートを完ぺきにとらえられてグランドスラムとし、一気に5点を先制する。

試合前、星稜・林監督、仙台育英・須江監督ともに5点勝負と考えていたゲームだったが、2回の段階で早くもデッドラインに到達。須江監督にとっては想定外の展開となり、ここで先発・伊藤はマウンドを降りる。ここまで打線がもう一つ爆発していなかった星稜だが、エースが登板しない状況下で打線が奮起したことでセーフティリードを手にした。

仙台育英は2番手でエース大栄が登板。しかし、一度勢いのついた星稜打線を止められない。2回表はなんとか無失点で切り抜けたが、3回表には再び7番岡田と1番東海林のヒットで作ったチャンスに再び2番今井がタイムリーを放ち、犠飛も出て3点を追加。大栄の球威のあるボールに対しても全く力負けせずにはじき返していく。3回戦の激闘を制したことが選手たちに大きな自信を与えたのかもしれない。

大量援護をもらった荻原はコーナーに丁寧に多彩な球種を投げ分ける投球で仙台育英の強力打線を封じていく。これだけの点差が開くと、自分の投球をすればよいという空気になり、相手打線にとっても攻撃の選択肢は減っていく。本来なら両チームの戦力にここまでの開きはないのだが、試合の流れとは怖いものだ。

仙台育英の唯一の反撃は4回裏。1アウトから4番小濃荻原のインコースのスライダーを引っ張り込むと、打球はライトスタンドへ飛び込むjソロホームランに!2回戦に続く一発は主砲がチームに喝を入れる一撃になるかと思われた。

しかし、如何せん序盤のビハインドが大きすぎたか、5・6回とヒットは出るものの、どうしても強攻策をとらざるをえない状況が続く。荻原は結局7回を投げて仙台育英打線を5安打1点に封じ、後続にマウンドを託した。

中盤に一度大人しくなった星稜打線だが、終盤に再び爆発する。3番手で登板した1年生左腕・笹倉を1アウトも取らせずにKOすると、代わった鈴木からは4番内山の2打席連続ホームランに、5番大高も続いた2者連続ホームランともう止まらない。ストライクを取りに来たボールを確実にミスショットなくとらえ、終わってみれば17得点の猛攻撃。大差で仙台育英を下し、準決勝進出を決めた。

まとめ

選抜では試合巧者の習志野に屈しており、エースが使えない状況で仙台育英に苦しむかと思われたが、何のその!星稜打線の破壊力たるやすさまじかった。今日は自分たちが打って勝つと言わんばかりに豪打が続き、仙台育英を圧倒した。これまでどちらかといえば手堅い野球の印象が強かった星稜だが、そんな印象もなくなるほど、各打者の迷いのないスイングが目についた。

また、投手陣も結局この日は奥川を登板させずに9回を荻原寺沢の2人でつないで1失点に封じ込めた。奥川に頼らない野球を投打で実践した星稜が力強く4強の座に駆け上がった。

 

対する仙台育英はやはり序盤の大量失点が痛かったか。3回戦は3点差をひっくり返したが、この日の序盤8失点は完全に射程圏外であった。複数投手を擁するチームに継投のタイミングの誤差はつきものだが、この日は悪い方向に出てしまった。しかし、センターの水岡を中心に好守も随所に見られ、押される展開の中でも強豪の意地を見せた。

須江監督に代わってから初の8強入りであり、今大会の力強い戦いぶりは強い仙台育英が戻ってきたことを示すものであった。

【ハイライト】星稜 vs 仙台育英 8月18日 甲子園 2019【準々決勝】 – YouTube

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