2019年選手権1回戦 国学院久我山vs前橋育英(3日目第3試合)

2019年

大会3日目第3試合

国学院久我山

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 2 0 0 1 3 1 0 7
1 1 0 0 2 1 0 0 0 5

前橋育英

 

国学院久我山  高下

前橋育英    梶塚→阿部

注目の関東ダービーは国学院久我山打線が終盤に爆発!前橋育英とのつばぜり合いを制し、春夏通算6度目の出場で初勝利を挙げた。

試合

国学院久我山は夏は28年ぶりの甲子園出場。西東京大会の準決勝でV候補筆頭の東海大菅生をエース高下の好投で下し、最大の関門を突破した。高下は長身から繰り出す角度のあるボールを武器に、予選の大半を投げ抜いた。辛抱強い投球が光る。打線は準々決勝の早稲田実戦でサヨナラ満塁弾を放った4番宮崎が軸。捕手としても好リードで高下の投球を支える。念願の甲子園初勝利に向け、戦力は整っていた。

 

一方、前橋育英は4年連続の甲子園出場。すっかり常連校となり、県内のライバルの健大高崎にも一歩差をつけた感がある。今年も守りは安定しており、エース梶塚を中心に5試合で失点はわずか6。140キロ台の速球と低めに落ちるチェンジアップを武器に県大会決勝では前橋商打線を3安打完封で退けた。イニング数以上の三振を奪い、コントロールも抜群だ。打線も1番丸山、2番森脇の機動力と積極性が光り、得点力は高い。昨年は2回戦で敗れており、今年はそれ以上の成績を狙う。

 

試合は立ち上がりから両投手にやや硬さが見られ、前橋育英の梶塚、国学院久我山の高下ともにボールが高めに入る。梶塚はなんとか無失点で踏ん張ったが、高下は攻撃型2番森脇がライトへのヒットを浴び、盗塁も許す。ここで、3番剣持には低めの変化球をうまく拾われ、タイムリー3塁打となって1点を先制される。

 

ここ数年の甲子園経験の差か、序盤は前橋育英ペース。2回裏には7番中村のライトへのテキサスヒットが出ると、エンドランで2塁へ進塁。ラストバッターの川原のショートゴロがエラーとなって、もう1点が前橋育英に入る。序盤はどこか久我山のほうに落ち着きがなかった。

 

しかし、3回に入って国学院久我山打線が目を覚ます。9番青木、1番西川が連打を放つと、2番岡田には強攻策。前橋育英バッテリーを揺さぶりながら、4球目の甘い変化球をライトにはじき返し、1点を返す、さらに3番神山がきっちりと犠飛を打ち上げ、一気に同点に追いつく。西東京を勝ち抜いた強力打線が本領を発揮した。

 

同点からどちらが先に抜けだすかという展開だったが、5回に再び高下が前橋育英打線につかまる。外角主体の配球になるところを狙われ、1アウトから3番剣持、4番須永に短長打を浴びると、暴投で勝ち越し点を献上。さらに、5番梶塚にはストレートがシュート回転したところを狙われ、4点目を失う。右打者のインサイドに投げ込めないところを踏み込んで打ち込まれた印象の失点だった。

 

国学院久我山は6回表に高下のタイムリーで1点を奪うも、その裏前橋育英は自慢の1,2番が連打を放ってすぐに突き放す。甲子園経験豊富な前橋育英が常に先手を取る展開。点差こそ2点だが、前橋育英ペースで試合は進んでいた。

 

しかし、そんな流れが7回に入って一変する。しかも、2アウトランナーなしからだ。終盤に入って球数も増え始めた梶塚に対して、強打の2番西川が高めに浮いたボールをライトへはじき返すと、3番神山の打球がダイビングしたセンターの前に弾んで後ろに転がる間に一気に西川が生還した。ここは2点リードもあるだけに無理をする場面でもなかったか…

 

このプレーで球場のムードは一変。4番宮崎、5番高下がアウトコースのストレートをセンター返しの打撃でタイムリーにし、一気に逆転に成功した。この回、続く6番坂口にもヒットが飛び出し、2アウトからの5連打で梶塚を攻略した。梶塚にとっては球数が100球にさしかかったところで、相手打線にも狙いを絞られ、勢いを止められずにずるずると失点を重ねてしまった。

 

試合は完全に久我山ペースとなり、息を吹き返した高下は後半3イニングを1安打ピッチング。打線も8回に追加点を挙げ、見事な逆転勝ちで国学院久我山が初の甲子園1勝をマークした。

まとめ

国学院久我山はエース高下の我慢の投球と打線の援護がかみ合っての逆転勝ち。これまで東京都内では強豪としての地位を確立していたが、ようやく甲子園の舞台に勝利を刻み付けた。特に、7回に5連打を放った打線の集中力は見事の一言。高下は配球がやや外角に偏りすぎなきらいはあったが、我慢強く低めを突いて143球で完投した。投打に実力を発揮し、記念すべき1日となった。

 

一方、前橋育英にとっては無念の逆転負けとなった。2016年の嘉手納、昨年の近江戦に続く逆転負け。ディフェンスに定評のあるチームだが、一度受け身になった時のもろさは否めない感はある。梶塚は終盤までよく投げていただけに交代期が難しかったか。打線が常に先手を取っていただけに、惜しまれる敗戦となった。

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