• 2020年交流試合 加藤学園vs鹿児島城西(3日目第2試合)

    大会3日目第2試合

    鹿児島城西

    1 2 3 4 5 6 7 8 9
    0 0 0 0 0 0 0 0 1 1
    0 0 0 0 0 1 0 2 × 3

    加藤学園

     

    鹿児島城西  八方→前野

    加藤学園   肥沼

    春夏通じて初出場のチーム同士の試合は締まった内容の投手戦に。エース肥沼の好投で流れを渡さなかった加藤学園が大舞台で1勝を刻み付けた。

    試合

    加藤学園はエース肥沼の好投で激戦の東海大会を勝ち抜き、中京大中京の優勝による神宮枠で出場枠を獲得した。県大会では島田商、常葉大菊川、静岡、静岡商と甲子園経験のある強豪を次々と倒したことで名前負けしなくなったことも大きかっただろう。投攻守に派手さはないものの、総合力で勝ち上がることができた。

    肥沼は最速143キロのストレートとスライダーを低めに集める安定感が光り、1試合平均の四死球は2~3個とコントロールが安定している。対して脱線はチーム打率2割7分9厘と派手さはないが、上位打線はよく当たっており静岡商の好左腕・高田琢(DeNA)からは2番大村が逆転2ランを放つなどパンチ力も秘めている。また、次の塁を狙う意識も非常に高く、積極的な走塁で流れを引き寄せるのが特徴だ。

    対する鹿児島城西はサッカーの強豪として知られていたが、元ダイエーの佐々木誠監督が就任し、ここ数年は力をつけてきていた。特に八方前野の両右腕で形成する投手陣は盤石。ストレートの威力で抑える八方とスライダーのキレが光る前野という持ち味の異なる2投手で強豪相手に失点を防いできた。

    一方、打線の軸となるのは4番古市。怪我の影響で戦列を離れていたが、復帰した九州大会では2本のホームランを放ってチームを牽引した。上位から下位まで切れ目がなく、九州大会でも佐賀学園、城北と強豪校相手に堂々投げ勝った。投打にポテンシャル高く、自身をもってつかんだ甲子園初出場だ。

     

    試合は序盤から両先発が好投し、投手戦となる。加藤学園の肥沼は縦に落ちるスライダーを武器に積極的に振ってくる鹿児島城西打線を手玉に取る。1年生のショート太田の好守備で併殺を奪うなど、バックも好守備でエースを盛り立てる。

    対する鹿児島城西もエース八方が好調な立ち上がり。先頭打者に粘って四球を与えるも、後続をスライダーを軸にきっちり打ち取り、得点を与えない。要所で投げるチェンジアップは腕が良く振れており、打者のタイミングを外すには実に効果的だった。

    両投手が踏ん張りを見せて、試合は5回まで0-0の投手戦で進む。加藤学園がセンター佐野の好返球でホームタッチアウトを奪うなど、両チームともランナーを出しながらもきびきびとした守りで相手に得点を与えなかった。

    試合が動いたのは6回裏。1アウトからこの日当たっている1年生の1番太田がストレートをレフトへはじき返す。レフトが後ろへそらす間に2塁を果敢に奪うと、2アウトから3番大村八方のストレートをセンターに返し、1点を先制する。基本に忠実な逆方向への打撃は高校生のお手本とも言える内容であった。

    中盤も再三ランナーを出す鹿児島城西だが、肥沼の前になかなかランナーをホームへ返せない。数字上では投打とも目立った選手はいないが、こうして我慢強く守り抜けるところが勝ち抜けた要因だったのだろう。

    すると、8回裏には耐えていた八方を加藤学園打線が捕まえにかかる。先頭の8番佐野が高めのストレートを痛烈に引っ張って2塁打で出塁すると、暴投で1アウト3塁となって1番太田の3塁ゴロでホームを狙ってきたランナーを鹿児島城西は封殺。ここでも堅い守りを見せる。

    だが、ピンチをしのいだかに思われたところで、すかさず太田が二盗をしかけると、2番杉山はストレートをとらえて右中間を深々と破る。2塁ランナーに続いて打った杉山もホームを突き、ランニングホームランとなって大きな2点を追加する。

    3点のリードをもらった肥沼に対して鹿児島城西も最後の反撃を見せる、9回表、先頭の4番八方がストレートをはじき返して出塁すると、ボールが高めに浮いてきた肥沼に対して1アウトから代打・砂川のヒットにエラーが絡む間に八方がホームインし、甲子園初得点を刻む。さらに2アウト1,3塁と攻め立てるが、最後は肥沼が踏ん張って1失点完投勝ち。初出場校同士の対戦を制し、甲子園で初めて校歌を歌った。

    まとめ

    加藤学園は投攻守走でスキのない野球を甲子園でも実践。ここ数年東海地区で上位に顔を出し、蓄えていた力をしっかり甲子園で発揮した。常葉大菊川など走塁に力を入れる好チームの多い静岡県だが、加藤学園もしっかりその流れに乗っていると言える。また、1年生の太田は1番ショートと好守で好プレーを連発。今後が楽しみな選手である。

    また、鹿児島城西も敗れはしたものの、試合内容は決して悪いものではなかった。エース八方は九州屈指の右腕という評に違わぬ投球を見せ、打線も好投手・肥沼から多くのチャンスを作った。強豪校の多い鹿児島県を勝ち抜くのは容易ではないが、今度は選手権大会でその姿を見れる日を楽しみに待ちたいと思う。

    ③-2 2020高校野球 甲子園交流試合 加藤学園 vs 鹿児島城西 ダイジェスト – YouTube