• 2020年交流試合 花咲徳栄vs大分商(1日目第1試合)

    大会1日目第1試合

    大分商

    1 2 3 4 5 6 7 8 9
    0 0 0 0 0 1 0 0 0 1
    3 0 0 0 0 0 0 0 × 3

    花咲徳栄

     

    大分商   川瀬

    花咲徳栄  高森

    コロナウイルスの喧騒の中、球児の願いが通じて開催された交流試合。その開幕戦は花咲徳栄の強力打線が、大分商の好投手・川瀬の立ち上がりを見事にとらえ、特別な大会で一番乗りで勝利を飾った。

    試合

    花咲徳栄は1年生時から主軸を張る井上を中心とした強力打線が持ち味。昨年秋の関東大会は8強にとどまったが、埼玉大会では準決勝の浦和学院戦以外は大量得点で勝ち上がった。井上はツボにはまった時の長打力は全国でも屈指だ。投手陣は昨年も甲子園のマウンドを経験した左腕・高森が軸。得意のツーシームを武器に、昨年の明石商戦で決勝点を許した雪辱を誓う。

     

    一方、大分商は好投手・川瀬を軸に昨秋の九州大会で準優勝。140キロ台後半の力のある速球が持ち味だが、7月に練習試合で負傷しており、状態が気がかりだ。攻撃陣は上位陣のしぶとさが光り、渡辺温井田の1,2番の出塁率が高く、中軸の岩崎末田らで返したい。元来、守備型のチームなだけに先制点を取って川瀬を楽に投げさせたいところだ。

     

    例年とはまた違った独特の緊張感が漂う中、花咲徳栄の左腕・高森が無難に立ち上がったのに対して、大分商の川瀬は制球に苦しむ。1番がショートゴロ失策で出塁すると、3番浜岡から3者連続の四死球を与え、押し出しで1点を献上。川瀬が本調子でないこともあったが、花咲徳栄の各打者の選球眼が光る。さらに、6番渡壁がアウトコースのややボール寄りのストレートをライトにはじき返し、2点を追加。相手の配球を見切った打撃で貴重な追加点をたたき出した。

     

    この3点が高森に与えた影響はことのほか大きかった。独特なフォームから繰り出す切れのあるボールを武器にストライク先行の投球で大分商打線を封じ込んでいく。4回には1アウト1,2塁のピンチを招くも、5番三代を打たせて取る投球で注文通りの併殺に打ち取り、相手に得点を与えない。

     

    これに対して、大分商の川瀬も花咲徳栄の強力打線を相手にランナーは背負うものの、持ち前の球威のある速球と縦に割れるカーブを武器に真っ向勝負。注目の4番井上に対しては2四球を与えたものの、厳しい攻めでヒットは許さなかった。下半身の故障の影響で制球には苦しんだが、初回以降相手に得点を許さなかったのはさすがであった。

     

    なんとか川瀬を援護したい大分商打線の反撃は6回表。1番渡辺温、3番岩崎がともにアウトコースのボールをはじき返し、2アウト1,3塁とチャンスメーク。高森の球筋にもようやく慣れてきた感があり、続く4番末田のショートゴロが悪送球となる間に1点を返す。しかし、続く2アウト2,3塁のチャンスは高森が落ち着いた投球で三振に切って取り、同点のピンチはしのいだ。

     

    結局、高森は9回を投げ抜いて与えた四死球は1。内外にツーシームを配して、終盤は大分商打線をわずか1安打に抑え込んだ。昨年から実力者として注目されていたが、最後の夏にその実力を全国で見せつけ、花咲徳栄がこの夏1番乗りで勝利を飾った。

    まとめ

    花咲徳栄はさすがの攻撃力でオープニングゲームをものにした。好投手の立ち上がりを逃さない集中力に相手のちょっとしたスキを逃さない走塁。そつのない関東勢らしい野球で川瀬を攻略して見せた。投げては左腕・高森が1失点完投勝利。左腕からの横の角度を活かしたボールで大分商打線を封じ込めた。今大会はこの1試合で終わるが、後輩に残した財産は確実にあったはずだ。

     

    一方、敗れた大分商はエース川瀬が本調子でなかったことが響いたが、初回の失点だけで食らいついたのはさすがであった。打線は高森の投球の前にやや力負けしてしまった感はあったが、6回に2安打を集めて1点を返し、意地を見せた。近年は明豊や藤蔭らに押され気味だったが、2013年以来の甲子園ではつらつとしたプレーを見せ、伝統校復活を印象付けた。