2020年交流試合 山梨学院vs白樺学園(6日目第3試合)

2020年

大会6日目第3試合

山梨学院

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 1 0 1 0 3 1 2 0 8
1 0 0 0 1 0 0 0 1 3

白樺学園

 

山梨学院  川口→古川

白樺学園  片山→岩田→坂本武→葛西→奥村

交流試合最後のカードは山梨学院の強力打線が白樺学園投手陣を攻略。交流試合最後の勝者として名を刻んだ。

試合

白樺学園は夏3度の出場経験があったが、選抜出場権獲得は初めてであった。原動力となったのはエース片山の踏ん張り。最速140キロの速球にスライダー、カーブ、チェンジアップを織り交ぜて旭川実や札幌日大といった道内の強豪との接戦に投げ勝った。失点は多かったが、指にかかった速球の威力は抜群だ。

打線はスタメンの7人が3割以上の打率をマーク。長打力のある宮浦片山二ツ森の中軸を中心に、全道大会では4試合中3試合で2桁得点をたたき出した。全国大会でも強打爆発なるか。神宮大会でも国士舘、健大高崎と対戦しており、再び関東勢との対戦となる。

対する山梨学院は選抜開催なら4季連続の甲子園出場権獲得となっていた。吉田監督就任後の関東大会・山梨大会での安定感は随一だ。昨秋も文星芸大付・花咲徳栄・桐生第一と常連校に次々競り勝って準優勝を達成。2年連続での選抜出場を決めていた。

エース左腕・吉川は130キロ台ながらキレのある速球を武器とする技巧派左腕。打者のバットを押し込むことができ、変化球で巧みにタイミングを外す。打線は野村菅野とスラッガーのいた前チームほどの長打力はないが、5割近い打率をマークした4番捕手の栗田を中心に小技、機動力も絡めて巧みに得点を重ねる。得点力は決して過去のチームに引けを取らない。

 

先発は白樺学園がエース片山だったのに対して、山梨学院は1年生の川口を起用。周囲を驚かす先発投手であった。試合は立ち上がりから両チームが激しく攻め合う展開になる。

片山が1回表を無失点で切った白樺学園はその裏、サイド右腕の川口に襲い掛かる。2アウトランナーなしから3番宮浦がアウトコースのカーブをしっかりためて引っ張り、レフト線への2塁打で出塁。続く4番片山に対していきなり申告敬遠を行うと、後続の5番二ツ森が三遊間を破って満塁とチャンスを拡大する。ここで6番宍倉には押し出しの四球を与えてしまい、白樺学園が1点を先制する。

しかし、続く満塁のピンチを川口がなんとかしのぐと、2回表に山梨学院も反撃に転ずる。先頭の4番栗田がフルカウントから四球を選ぶと、続く5番才津の打席ですかさずエンドランを敢行。結果的に盗塁となってランナーが2塁に進むと、才津もカーブを軽打してセンターに返し、1,3塁とチャンスを拡大する。ここで6番小吹がしっかりセンターに犠飛を打ち上げ、3塁ランナーが生還。取られた直後に同点に追いつく。

これで落ち着いたか、2回以降山梨学院の川口は右サイドからアウトローにボールが決まるようになる。内野陣も好守で1年生投手を盛り立て、山梨学院が守りからリズムを作り始める。

この流れに乗りたい山梨学院は3回の功刀の3塁打は活かせなかったが、4回表に片山をとらえる。1アウトから5番才津が四球で出塁すると、白樺学園バッテリーが再三機動力を警戒する中で、6番小吹がセンターに抜けるヒットを放つ。才津が一気に3塁を奪い、送球間に小吹も2塁へ進塁と、抜け目ない走塁で2,3塁のビッグチャンスをGET!ここで7番河野が犠飛を打ち上げ、山梨学院が勝ち越しに成功する。

勝ち越し点こそ許したものの、片山は5回まで山梨学院打線を相手に2失点と粘投を見せる。エースを援護したい打線は5回裏、1番川波が川口の甘く入ったスライダーをとらえると、打球はグングン伸びてセンターバックスクリーンに飛び込む同点ホームランとなる。白樺学園らしいパワフルな打撃で試合を振り出しに戻す。さらに2番細谷、3番宮浦に連打が出たところでついに川口は降板となる。

継投策を選んだ吉田監督。2番手に送ったのはまたも1年生の左腕・古川であった。古川は無死1,3塁のピンチで中軸を迎えたが、4番片山のライトフライで飛び出した3塁ランナーがタッチアウトになり、難を逃れる。白樺学園としてはミスで相手に流れを渡してしまったが、古川も厳しい局面でよく投げ抜いた。

白樺学園は6回から継投策に入るが、山梨学院打線が後続の投手達を確実にとらえていく。2番手の岩田からヒット2本と四球で満塁のチャンスを作ると、7番河野は走者一掃のタイムリー2塁打を放って3点を勝ち越し。さらに7回には4番栗田のタイムリー、8回には投手の古川のタイムリーで計3点を追加する。昨夏は強打を発揮しきれなかった山梨学院だが、この交流試合では持ち前の打力を存分に発揮した。

古川は6回以降も再三ランナーを背負うも、粘り強い投球で結局最終回に1失点のみでロングリリーフに成功。自らタイムリーを放つ活躍で投打にわたってチームに貢献し、今後の活躍が楽しみな存在となった。

まとめ

山梨学院は昨年の選抜では10安打を放ちながら2点止まりで筑陽学園に惜敗、夏も押し気味に試合を進めながら熊本工にサヨナラ負けと悔しい結果に終わっていた。しかし、今回の試合では単打を連ねてチャンスメークし、大事な場面で一本が出る攻撃で、終盤は相手を圧倒してみせた。1年生投手の川口古川がマウンドを経験できたのも大きく、来年以降は再び甲子園での上位進出を目指していく。

一方、白樺学園は終盤は控え投手陣が打ち込まれてしまったが、5回まではエース片山の成長が垣間見えた試合となった。ストレートにいまいち自信が持てなかった秋と比較して、大事な場面で真っすぐで押すことができるようになり、山梨学院の強力打線に対してもひるむことはなかった。打線も得点こそ3点だったが、2桁安打を放って実力を示した。激戦になってきている北北海道で年々その存在感は増してきており、再び聖地でそのユニフォームを見る日も遠くないだろう。

甲子園交流試合 山梨学院が白樺学園に勝利 – YouTube

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