• 2019年選抜決勝 東邦vs習志野(11日目第1試合)

    2020年01月01日

    大会11日目第1試合

    習志野

    1 2 3 4 5 6 7 8 9
    0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
    2 0 0 0 3 0 0 1 6

    東邦

     

    習志野   山内→飯塚
    東邦    石川

    伝統校同士の一戦は東邦・石川が千両役者ぶりを発揮!投げては3安打完封、打っては2本のホームランと投打にチームを牽引し、東邦に史上最多5度目の栄冠をもたらした。

    試合

    粘り強い戦いぶりで決勝まで勝ち上がってきた習志野と強豪校を次々と横綱相撲で倒してきた東邦。力で劣る習志野としては先手を取って相手を慌てさせたいところ。1番根本がアウトコースよりに甘く入ったストレートをたたきセンター前へのヒットで出塁する。しかし、続く2番竹縄の犠打は東邦・石川の好フィールディングで併殺に取られてしまう。試合巧者の習志野らしくないミスだったが、もともと野手だった石川の好守備を褒めるべきだろう。

    これで勢いを得た東邦はその裏、2番杉浦が四球を選ぶと、ランナーとしてプレッシャーをかける。習志野・山内の神経を削っておいたところで続く3番石川がアウトコースよりの変化球をセンターバックスクリーンへ叩き込む強烈な先制2ランを放つ。のらりくらりかわすタイプの山内に対して、ランナーとの共同作業と狙い球を絞った打撃で攻略した。さらにこの回、準決勝で3ランを放った6番・吉納にもタイムリーが飛び出し、計3点を先制する。

    この初回の攻防が与えた影響はことのほか大きかった。援護をもらった石川は余裕を持った投球で、コントロールよく内外角を突いていく。習志野としては機動力を使った野球でかき回したいところだが、肝心のランナーがほとんど出ない。4回には1番根本が2本目のヒットを放つも、続く2番竹縄のエンドランはレフトフライでランナーも飛び出して併殺に。この日はことごとく出す策が裏目に出てしまう。

    東邦ペースで進む試合は5回に入ってさらに一方的な展開になる。先頭の9番山田の投手強襲ヒットで先発山内がマウンドを降りると、習志野はエース飯塚をマウンドへ。ここまでリリーフで習志野へ流れをもたらしてきたエースだったが、3番石川に初球の変化球を右中間スタンドへ運ばれる。右方向へしっかり押し込める打撃技術は並の打者ではなく、相手を褒めるしかない打撃であったが、習志野にとっては痛い失点となった。

    なんとか反撃したい習志野打線だったが、その後も石川の球威の前に力負け。東邦守備陣の巧みなポジショニングの前にヒット性の打球まで好捕されてはなすすべはなかった。東邦は戦うたびに守りの形が作られていき、持ち前の強打とがっちりかみ合っての快勝劇。最後はあたりの止まっていた石川に2発が生まれるという完ぺきな内容で5度目の栄冠を手にした。

    まとめ

    東邦は森田監督に代わってから初めての全国制覇となった。阪口監督から監督の座を引き継いでからどちらかといえば、攻撃重視の野球に変わった印象だったが、この大会は守りの良さも非常に目についた。特に石川は投手らしいフォームではないが、持ち前のコントロールとセンスで強豪校の打者を手玉に取った。打線は下位の打者にも一発が飛び出す充実ぶり。終わってみれば、準決勝の明石商戦以外は全く危なげない内容で頂点に立った。春の東邦の面目躍如の大会であった。

    一方、夏2度の全国制覇の経験を持つ習志野は選抜では初めての決勝進出。惜しくも準優勝には終わったものの、機動力を生かした野球とエース飯塚の投球がかみ合っての快進撃は見事だった。特に不利と予想された星稜戦で大会No.1右腕・奥川を攻略した攻撃は、試合巧者ぶりが随所に見られた内容であった。千葉の伝統校が平成最後の大会で新たな歴史を刻みつけた。