• 2021年選手権2回戦予想 大坂桐蔭vs近江

    2021年08月20日

    2021年選手権2回戦

    大坂桐蔭vs近江

    52%    48%

    〇7-4  東海大菅生 〇8-2  日大東北

     

    ともに降雨の中の試合を経験した近畿勢同士の争い。V争いの中心にいるタレント軍団に対して投打に好調を維持する湖国の強豪がどこまで迫れるか。

    大坂桐蔭は初戦は雨が降りしきる中でエース松浦が我慢の投球を展開。東海大菅生打線をして狙われながらも前になかなか飛ばない真っすぐは強力な武器だ。雨天の中であの投球だったので、次戦晴天であればどれだけの投球をするか。リリーフの竹中は途中で試合を打ち切られてしまったが、甲子園のマウンドを経験できたことは好材料だろう。

    対する近江打線は上位から下位まで振れており、特に4番山田、5番新野、6番島滝の3人はパワーと柔らかさを兼ね備えた打撃ができる。まずは松浦のストレートの対してどうアプローチしていくかだが、あえて変化球を狙って攻略の糸口を探すのも面白いかもしれない。再試合では無安打に終わったものの、ノーゲームとなった試合でホームランを放った1番井口の復調にも期待したい。

     

    一方、近江投手陣は山田、岩佐の右腕2本柱が好調を維持。ともに伸びのあるストレートとスライダーで真っ向勝負する本格派右腕であり、球質は申し分ない。ただ才能あふれる大阪桐蔭打線に真っ向勝負を繰り返していると、痛い一発長打を浴びる可能性は高いだけに、スライダーを有効に使って投球のアクセントをつけられるかが重要になりそう。この試合も捕手・島滝のリードがカギを握るだろう。

    対する大阪桐蔭打線は、今年は機動力とつながりの良さが売りであったが、初戦は東海大菅生の左腕・桜井から3本のホームランを放って度肝を抜いた。やはり、大阪桐蔭の各打者の秘めるパンチ力は脅威である。3番池田は3安打と好調を維持しており、途中出場の田近が2点タイムリーを放つなど、控えまで充実の布陣を敷く。相手の首を真綿で締めあげるような「粘り」の攻撃で勝利をつかみに行く。

     

    近江は2018年夏の甲子園ではV候補の智辯和歌山を継投による奇襲で撃破したが、今回は投打ともパワー系で真っ向勝負となりそうだ。今年の大阪桐蔭はエース松浦を攻略すれば、予選でももつれる展開があっただけに、あのストレートをどこまで攻略できるかがカギになるだろう。近畿大会では幾度となく顔を合わせた両校の甲子園初対戦。互いを良く知る多賀、西谷の両監督の采配にも注目だ。

     

    主なOB

    大阪桐蔭…中村剛也(西武)、中田翔(日本ハム)、浅村栄斗(楽天)、森友哉(西武)、根尾昴(中日)

    近江…木谷寿己(楽天)、伊奈龍哉(ソフトバンク)、小熊凌祐(中日)、植田海(阪神)、京山将弥(DeNA)

     

     

    大坂  滋賀

    春  0勝  0勝

    夏  4勝  0勝

    計  4勝     0勝

    対戦成績は大阪勢の4勝負けなし。1979年の夏は準々決勝で浪商・香川(南海)が史上初の3試合連続ホームランを叩き込んで比叡山を10-0と一蹴。1985年準決勝ではKKコンビ最終年に清原(西武)が2本のホームランを放ってミラクル軍団・甲西を15-2と退けた。

    しかし、一方的な流れが多かった中で2015年夏は大阪偕星と比叡山が延長戦の死闘を展開。滋賀勢のレベルアップもあり、徐々に両府県の差は詰まりつつあるか…

    思い出名勝負

    2015年夏1回戦

    大阪偕星学園

    1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
    2 0 0 0 0 1 0 0 0 4 7
    0 1 1 0 0 0 0 0 1 0 3

    比叡山

     

    大阪偕星学園  光田

    比叡山     山崎→大原→西村→中島

    高校野球の歴史100年を数えた2015年の夏。その1回戦で大阪偕星学園と比叡山という近畿勢同士の顔合わせが実現した。

    大阪偕星学園は元プロの山本監督が指導し、「リアルルーキーズ」のようなたたき上げの強化で強さを増してきていた。4番捕手の大黒柱・田端や天理から編入してきた長身の1番姫野、スタミナ抜群のエース左腕・光田など個性豊かで負けん気の強い面々が躍動。大阪大会準々決勝では前年夏王者の大阪桐蔭を3-2と下し、勢いに乗って代表の座を一気につかみ取った。

    対する比叡山はエース村西(横浜)を擁して春夏とも優勝校に敗れた1999年以来実に16年ぶりの出場を果たした。近年は近江、滋賀学園、北大津などに押され気味だったが、この年は技巧派右腕・山崎を中心とした分厚い投手陣と切れ目のない打線で快進撃。決勝では好投手・小川を擁して3季連続の甲子園を狙う近江を5-0と圧倒し、久々の夢切符をつかんだ。

     

    投打ともに大阪偕星にやや分がある中で、比叡山がどれだけ食いつけるかという構図。しかし、大阪偕星はエース光田が大阪大会4連投の影響で指のまめをつぶしており、スライダーのスピードがやや落ち気味なのが気がかりであった。

    試合は1回表から大阪偕星の強打が火を噴く。2アウトから3番西岡が失策で出塁。4番田端が2塁打でつなぐと、5番を務める2年生岸がその迫力ある体格通りの痛烈なセンター前タイムリーで2点を先制する。王者を倒して代表切符をつかんだ自信が各打者のスイングにみなぎる。

    しかし、粘って食らいつくスタイルの比叡山もすぐに反撃。2回裏にエース山崎が自らタイムリーを放って1点を先制すると、3回には上位打線の連打で同点に。大阪偕星の光田はストレートにはキレがあるが、やはりスライダーにスピードが乗らず、苦しい投球となる。

    その後、比叡山・山崎はスライダー主体に針の穴を通すコントロールで大阪偕星打線をかわしていく。6回表に9番的場のタイムリーで1点を失ったものの、上位から下位までまるで穴のない打線を相手に7回3失点の投球は十分先発の役目を果たしたと言えるだろう。

    なんとか反撃したい比叡山だが、1回から毎回ヒットを放ちながらも要所を締める光田の前に4回以降は得点を挙げられない。さすがに猛者ぞろいの大阪大会を勝ち抜いた優勝投手だけあって勝負所のコントロールを間違えない投球が続く。

    だが、運命の9回裏、比叡山に最高の場面が訪れる。ヒットのランナーを犠打で進め、2アウト2塁となったところで打席には主将の河合を送る。これまでチームを支えてきたキャプテンがインサイドのボールを引っ張ると、打球は三遊間を抜けてレフトへと運ぶ同点タイムリーに!ナインの思いが伝わった一打にスタンドは大興奮となる。

    ただこの9回裏の続くチャンスで決めきれなかったのが痛かった。8回以降苦心の継投策を見せていた比叡山投手陣がついに10回表で力尽きる。2アウトランナーなしから7番福田、8番光田の連打で1点を勝ち越すと、そこから3番西岡まで炎の6連打を見せて4点を勝ち越し。一気に試合の流れを強奪する集中打で試合を決めてしまった。

    それでも10回まで毎回安打を放った攻撃陣と粘りの継投で、V候補の大阪代表に食らいついた伝統校・比叡山の戦いぶりが甲子園ファンの胸を打ったのは間違いない。近畿勢同士の死闘は接戦の多かったこの年の夏の中でも屈指の名勝負であった。

    2021年選手権2回戦 近江vs大阪桐蔭(10日目第1試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

    2015選手権ダイジェスト 大阪偕星-比叡山 – YouTube