• 2021年選手権3回戦 石見智翠館vs日大山形(11日目第4試合)

    大会11日目第4試合

    日大山形

    1 2 3 4 5 6 7 8 9
    1 0 0 0 0 0 3 0 0 4
    0 0 0 1 0 1 2 0 5

    石見智翠館

     

    日大山形   斎藤→滝口→大類

    石見智翠館  山崎琢→山本

    ナイトゲームに突入した第4試合は逆転に次ぐ逆転のシーソーゲームに!9回に今泉のタイムリーが飛び出した石見智翠館が総力戦を制し、2003年以来の8強入りを決めた。

    試合

    石見智翠館は山崎琢、日大山形は斎藤ととも前と同じ先発投手を立てた。

    山崎琢は前回と同様、今日も立ち上がり制球がばらつく。初回1番秋葉に四球を与えると、犠打で1アウト2塁となって3番佐藤、4番伊藤にも四死球を与え、1アウト満塁の大ピンチに。5番塩野には取りに行ったボールをたたかれてひやりとする打球を打たれ、犠飛となって日大山形が1点を先制。だが、むしろ1点で済んでよかったという内容であった。

    日大山形・斎藤はこの日もストライク先行で打たせて取る投球。立ち上がりに2四球は出したが、前回の浦和学院や前々回の米子東と比較すると、落ち着いた入りに見えた。対する石見智翠館の山崎琢も2回以降は立ち直り、4回表には3者連続三振をマーク。前回と同様にしり上がりに調子を上げ、守りから利z無を作り出す。

    すると、4回裏に石見智翠館が得点を挙げる。死球の宮本を犠打で送ると、好投を見せる山崎琢がしぶとく1,2塁間を破って宮本が生還。3回まで鳴りを潜めていた打線だったが、少ないチャンスを確実にものにするあたりは江の川時代からの伝統が生きているのか。

    ところが、試合が振り出しに戻って迎えた5回表に石見智翠館の末光監督が驚きの采配を見せる。内野安打のランナーが犠打で二進したところで、県大会決勝で無安打無得点達成したエース山崎琢を下げ、小柄な左サイドの2年生山本を投入する。だが、これがずばり的中し、3番佐藤をはじめとして左の好打者が並ぶ日大山形の打線を抑え込む。

    先に動いて流れを得た石見智翠館は6回裏、キーマンの4番上がレフト線への2塁打を放ってチャンスメーク。ここで日大山形は速球派右腕のリリーバー滝口に交代させる。石見智翠館は2アウトを奪われるが、8番今泉、9番山本の下級生コンビがともにインサイドの速球をとらえ、1点を勝ち越す。初戦は弘前学院聖愛のエース葛西の球威にやや押し負けた印象の石見智翠館だったが、この日は滝口のボールに力負けしない。

    しかし、開幕戦、そしてV候補の浦学との試合を制してきた日大山形にも勢いがある。取られた直後の7回表、2アウトから3番佐藤、4番伊藤がともにセンターへのヒットで出塁すると、5番塩野はやや甘めの変化球を逆方向への意識でライト線に運び、2者が生還する3塁打となって逆転に成功する。さらに6番梅津もセンタ0へのタイムリーを放って4-2。打者2巡目に入ってきっちり変則左腕に対応する実力はさすがだ。

    これで勝利を確実にしたい日大山形だったが、この日は滝口の調子がもう一つ上がらない。7回裏、2番山崎凌から3者連続の四球で無死満塁とすると、5番宮本のセカンドゴロの間に1点を返し、4-3。さらに2アウト後、7番山崎琢はこの日2本目のタイムリーとなる内野安打を放って再び同点に追いつく。この回、滝口は力みから体の開きが早くなり、制球が乱れてしまった。

    その後、石見智翠館は2番手の山本が120キロ台の球速ながら強気の投球で日大山形打線を抑える。この日自らタイムリーも放ったサウスポーは甲子園を楽しんでいることが伝わりはつらつとしたプレーで石見智翠館に流れを呼び込む。

    そして、最終回に決着の時は訪れた。9回裏、先頭に四球を出したところで日大山形は滝口に代わって大類をマウンドに送る。ここで、この日投手としては途中降板も、打撃好調な7番山崎琢がベンチのエンドランのサインに応えてショートオーバーの2塁打を放ち、無死2,3塁と絶好のチャンスを迎える。

    イケイケの石見智翠館は8番今泉の打席で再びエンドランを敢行。空振りで3塁走者が憤死して1アウトになるも、臆することのない1年生は粘りに粘る。打席で笑顔を見せながら迎えた8球目を打ち返すと、打球は前進守備の二遊間を抜くサヨナラ打となって山崎琢が生還。劇的なサヨナラ勝ちで石見智翠館が校名変更後初、江の川時代も合わせると18年ぶりとなる8強進出を決めた。

    まとめ

    石見智翠館はこの日は選手の躍動ももちろんあったが、ベンチワークの勝利と言っていいくらい積極的な采配が光った。おそらく5回途中での山本への継投は日大山形サイドの頭には全くなく、山崎琢攻略の絵図が途中で消し飛んでしまったのではないか。また、その代わった山本が自らタイムリーを放ち、降板した山崎琢もヒットを量産するなど、選手たちもベンチの采配に見事に応えた。

    そして、初戦を見る限りではやや力不足に思えた打線も、この日は選球眼良く9四死球を選び、滝口の強いストレートにも負けずに打ち返していった。最終回はベンチのエンドラン敢行に応え、ホーム憤死はありながらも、1年生のタイムリーでサヨナラ勝ち。積極性で試合の流れを手繰り寄せた石見智翠館が試合を重ねるたびに力をつけている。

    対する日大山形は一時は逆転して試合のペースをつかんだかに見えたが、リリーフ滝口の不調が痛かったか。また、攻撃陣も7回に一度逆転したとはいえ、石見智翠館の継投で後手に回らされた感は否めなかった。投打の力では正直石見智翠館より上だった気もするが、それでも勝敗には直結しないのが野球の難しさだ。

    ただ、開幕戦を制し、強豪・浦和学院にも勝利するなど、今大会十分存在感を見せたのは事実。胸を張って山形に帰れる結果と試合内容であった。

    2021年選手権3回戦予想 日大山形vs石見智翠館 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

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