• 2021年選抜準々決勝予想 東海大菅生vs中京大中京

    2021年選抜準々決勝

    東海大菅生vs中京大中京

    45%  55%

    〇4-3  聖カタリナ    〇2-0      専大松戸

    〇5-4  京都国際     〇15-5    常総学院

     

    ともに地区大会を制覇した優勝候補同士の対戦。しかし、走攻守投すべてにおいて中京大中京が上回る印象だ。

     

    中京大中京のエース畔柳は球威もスピードもあるストレートを軸に16回を投げて1失点。相手に狙われていてもとらえられないボールであり、大会前の評価にたがわない本格派投手だ。ただ、気がかりなのは球数制限。やぐらの一番端に入ったことでもろに影響を受けることになっており、今後はできるだけ少ない球数で打たせて取っていきたい。

    対する東海大菅生打線は初戦は2ホームランを放つパンチ力で、2戦目は最終回の粘り腰で試合をものにした。打線は上位から下位まで振れており、機動力を絡めることもできる万能型の打線だ。しかし、対戦相手の畔柳は初戦で対戦した聖カタリナの櫻井よりさらに1ランク上の投手。質の高いストレートをどう攻略するか。高めのボールになるストレートを振らないようにしたい。

     

    一方、東海大菅生は多彩な投手陣で試合を乗り切ってきたが、先発は2試合連続で鈴木が担当。伸びのあるストレートとスライダーが武器だが、2回戦で集中打を浴びて逆転されたことを考えると、次は崩れだす前に早めに継投したいところ。相手が畔柳で大量点は望めないだけになおさらだろう。怪我から復調しつつあるエース本田の登場もあるか。

    対する中京大中京は初戦は鳴りを潜めていた打線が15得点と爆発。持ち味の巧みな走塁を絡めたうまい攻撃を見せ、中軸を中心にチャンスでしっかり決定打を放つ勝負強さも見せた。特筆すべき打者がいるわけではないが、全員シャープに振り切れる怖い打線だ、。2試合連続で先制打を放った櫛田が下位に控えているのも心強い。少なくとも3~4点は奪いそうな打線である。

     

    東海大菅生が勝つにはとにかく失点をまず少なくしたいところだろう。早め早めの継投が求められるか。また、中京大中京にとってはこれで3カード連続での関東勢との対戦。関東キラーとなれるか、あるいは東海大菅生が意地を見せるか。ベスト4最後の椅子をめぐる熾烈な攻防を期待したい。

     

    主なOB

    東海大菅生…笹川隆(ソフトバンク)、金森敬之(日本ハム)、南要輔(楽天)、高橋優貴(巨人)、勝俣翔貴(オリックス)

    中京大中京…稲葉篤紀(ヤクルト)、嶋基宏(ヤクルト)、堂林翔太(広島)、磯村嘉孝(広島)、伊藤康祐(中日)

     

    東京  愛知

    春  2勝  5勝

    夏  5勝  3勝

    計  7勝     8勝

    戦前から出場を重ねていたこともあり、対戦の歴史も古い。最近の対戦で印象深いのは2010年の夏。夏の甲子園連覇を狙った中京大中京を相手に早稲田実がセンター中心に打ち返す打撃で大量点を挙げ、21-6と大勝を収めた。愛知勢の勝利では2003年の選抜。強打の愛工大名電と機動力野球の国士舘の一戦は、戦前の予想に反して投手戦となり、愛工大名電が継投で虎の子の1点を守り切り、甲子園での連敗を5で止めた。

    思い出名勝負

    2015年夏3回戦

    中京大中京

    1 2 3 4 5 6 7 8 9
    0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
    0 0 0 0 0 0 0 0 1

    関東一

     

    中京大中京  上野

    関東一    阿部→金子

     

    早稲田実・清宮(日本ハム)や東海大相模・小笠原(中日)、仙台育英・佐藤世(オリックス)などスター選手が多く顔をそろえた2015年の夏の選手権大会。その3回戦で強豪同士の好カードが実現した。

    関東一は夏は2010年以来の5年ぶりの出場だった。この年は攻撃力に定評があり、1番オコエ(楽天)は予選でセンター前へのヒットを好走塁で2塁打にするという驚異の脚力を持つ。中軸の伊藤、五十嵐を中心に長打力もあり、圧倒的な得点力で投手陣を援護した。投手陣は前年の選抜を経験した技巧派左腕・阿部ら5投手による継投でしのぐパターンで激戦の東東京大会を制した。

    甲子園では初戦となった2回戦でオコエがいきなりファースト強襲のヒットで2塁を奪う好走塁を見せると、中盤には満塁走者一掃の3塁打を放つなど、大活躍を見せる。ところが、8点差のリードを高岡商の3番田越の4打数4安打の活躍などで追いつかれるまさかの展開に。8回裏に6番鈴木のタイムリーで勝ち越して逃げ切ったが、守りの面ではやはり不安の残る内容であった。

    対する中京大中京は2010年夏に名将・大藤監督が退任。堂林(広島)ら幾多の好選手を育て、全国制覇も達成した指揮官が退いてからは東邦や愛工大名電といったライバルに押され気味であったが、この年は上野-伊藤の盤石なバッテリーを中心に守りの安定感があり、高橋監督に代わってから初めての甲子園をつかみ取った。

    甲子園では初戦で岐阜城北との東海対決を4-1で快勝。エース上野は球威、スピードともに十分なストレートでインサイドをえぐり、見ていてこれはなかなか打てないと思わせるボールであった。2回戦は開幕戦で18得点をたたき出した鹿児島実を相手に、中盤に足を使った攻めで勝ち越すと、上野も要所を締める投球で3失点完投勝ち。強い中京が返ってきたと感じさせる戦いぶりだった。

     

    試合前は投攻守の安定感で中京大中京の方が一枚上かと思われた一戦。投手力の弱い関東一としてはある程度打ち合う展開に持ち込まないと思われた。

    しかし、試合は初回にビッグプレーが飛び出す。中京は立ち上がりにやや制球に苦しむ関東一の左腕・阿部を攻め、2アウト満塁のビッグチャンスを迎える。ここで6番佐藤の当たりはセンター後方を襲う大飛球に。完全に抜けたかと思われた打球だったが、オコエが最短距離でぐんぐん迫っていき、なんと背面キャッチでボールをグラブに収めた。関東一にとっては流れを引き寄せるビッグプレーだった。

    一方、中京の上野は相変わらず安定感のある立ち上がり。ストレートの「質」がとにかく素晴らしく、初戦で12得点を挙げた関東一打線もなかなか手が出ない。5回まで東東京を震撼させて強力打線がなんとノーヒットに抑え込まれてしまう。

    ところが、このエースが作った勢いに打線がどうも乗り切れない。序盤から関東一の阿部を攻めて再三チャンスを作るも、大事なところで一本が出ず、中盤からは長身右腕・金子につながれる。その金子は角度のあるボールを武器に中京打線を寸断し、こちらも得点を与えずに踏ん張り続ける。

    すると、前半戦は鳴りを潜めていた関東一打線から6回以降に徐々に快音が生まれ、攻防は激しさを増す。6回に7番黒田のライト前へのチーム初ヒットが生まれて2アウト2塁のチャンスを迎えるが、2番井橋のファウルフライをサード杉本がカメラマン席に飛び込みながらキャッチして得点ならず。

    さらに7回裏には、2アウト1,3塁のチャンスを作り、打席には初戦で決勝打を放った6番鈴木。中京のエース上野とは中学時代にバッテリーを組んでいたという因縁の対決だったが、粘る鈴木を12球目の慰安はいに投じた渾身のストレートで三振に切って取り、得点を与えない。

    だが、この日はどうしても中京の打線がつながらない。7回にはヒットで出た上野を2塁において犠打を試みるが、金子の好フィールディングで3塁封殺。さらに8回には下位打線の活躍で2アウトながら満塁のチャンスを作るが、ここでも9番上野がサードゴロに打ち取られて得点を奪えない。8安打5四死球で再三塁上をにぎわせながら、この日はスコアボードに9つの「0」を並べてしまった。

    そして9回裏、劇的な結末が訪れる。関東一は1アウトから5番長嶋が上野の珍しく甘く入ったストレートを振り抜くと、打球はレフトポール際に飛び込むサヨナラホームランに!関東一が劇的な勝利で5年前と同じく8強入りを決めた。

     

    関東一はその後、準々決勝では興南の好左腕・比屋根からオコエが9回に決勝2ランを放って5-4とまたしても接戦で勝利。大会前は投手力に不安ありとの声もあったが、見事な快進撃であった。2010年台に入ってからは出場するたびに上位に勝ち進んでおり、帝京に代わる東東京の強豪として存在感を示している。

    一方、中京大中京にとっては再三の好機を逃しての惜しまれる敗戦となった。エース上野は大会出場校の投手の中でも屈指のストレートを投げており、のちに国体では決勝で優勝した東海大相模と互角の戦い(5-7で敗戦)を演じていたことを考えると、十分にもっと勝ち進む力はあっただろう。ただ、この年の復活出場がその後の中京大中京の再躍進の礎となったことは間違いなく、現在高橋監督のもとで無敗の進撃を続けている。

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