• 2021年選抜1回戦 智辯学園vs大阪桐蔭(4日目第2試合)

    大会4日目第2試合

     

    大阪桐蔭

    1 2 3 4 5 6 7 8 9
    0 0 0 0 0 2 1 3 0 6
    4 0 0 0 0 3 1 0 × 8

    智辯学園

     

    大阪桐蔭  松浦→関戸→竹中→川井→別所

    智辯学園  西村→小畠

    近畿の優勝候補がいきなり激突した試合は序盤から智辯学園が大阪桐蔭の強力投手陣を攻略。会心の試合運びで大阪桐蔭の甲子園連勝記録を止め、前年秋の近畿大会のリベンジを狙った強豪を返り討ちにした。

    試合

    智辯学園は西村、大阪桐蔭は松浦とともに昨秋の試合と同じ先発投手がマウンドに立った。

    智辯の西村がキレのあるストレートを軸に大阪桐蔭を3者凡退に仕留めたのに対し、大阪桐蔭の松浦は立ち上がり乱れる。1回裏、先頭の岡島にストレートを狙われてクリーンヒットを打たれると、連続四死球で初回から満塁の大ピンチ。4番山下の犠飛で先制を許すと、なお満塁となって6番植垣にはレフトへ走者一掃のタイムリー2塁打を許し、計4点を献上する。

    大阪桐蔭の守備陣にとっては初回からかなり緊張した入りになってしまったか。西谷監督になってから甲子園経験メンバーのいない試合はここ最近では藤浪(阪神)を擁した2012年の選抜と、この選抜だけ。昨年の交流試合を経験しているとはいえ、やはり本物のトーナメントは別物だ。松浦田近のバッテリーはストレートに頼りがちになったところを狙われてしまった。逆に打った植垣は捕手らしく、真っすぐに絞った打撃だった。

    この4点のリードを智辯の左腕・西村は有効に使う。点差が空いたことで今年の大阪桐蔭の持ち味である機動力も使い辛い状況になったが、何よりストライク先行でどんどん追い込む投球が焦りの見える桐蔭打線には有効だった。1年夏に八戸学院光星戦に登板しているが、そこから昨年の中京大中京、そしてこの試合とリリースポイントが安定し、何よりストレートの質が良くなったことで決め球のスライダーが活きるようになってきた。

    一方、初回に打ち込まれた松浦も2回以降は落ち着きを取り戻す。変化球でカウントが取れるようになったことで、真っすぐも活きるようになり、彼本来の力強い投球が戻ってきた。それだけになおさら初回の失点がもったいなく感じられた。

    しかし、大阪桐蔭もただでは終わるはずがない。2014年夏には開星戦で初回4失点、敦賀気比戦で初回5失点しながらもひっくり返している。インターバルを挟んだ6回表、2アウトランナーなしから反撃が始まる。中軸の3番宮下、4番池田がともにスライダーを引き付けてはじき返すと、四球で満塁となって6番岡島のタイムリーエラーの間に2点を返す。智辯学園にとっては実に嫌な失点の仕方である。

    ところが、試合全体を振り返ると、ここからが大阪桐蔭の本当の誤算であった。立ち直りを見せていた松浦に代えて自信を持って送った右腕・関戸が智辯学園に打線につかまる。先頭の5番三垣が四球を選ぶと、6番植垣には強攻策でレフト前ヒット、7番森田はバスターでセンターへのタイムリーを放ち、センターの悪送球も絡んで2点を挙げる。さらに動揺した関戸の連続暴投でもう1点を追加し、この回3点を挙げる。

    大阪桐蔭にとっては追い上げた直後にミスが絡んで点を失ったことが痛かった。これだけミスの連鎖から抜け出せない姿も久しぶりに見た感じがあった。ただ、相手に落ち着く暇を与えない智辯学園・小坂監督の攻めは見事であり、この日の試合に向けて入念にシミュレーションをしてきた様子がうかがえる。

    7回に両チーム1点ずつを挙げ、8-3で迎えた8回、大阪桐蔭が意地の追撃を見せる。先頭の4番池田がセンターへのヒットで出塁すると、1アウト後に6番花田もヒットでつなぐ。打つことに集中でき始めた桐蔭打線ほど怖いものはない。続く7番藤原が甘く入った直球を右中間に痛烈に打ち返してランナー2人生還。さらに四球を挟んで代打・小谷にもエンドラン敢行でのタイムリーが飛び出し、試合はわからなくなる。

    ただ、この試合は大事なところで智辯学園にツキが味方したか。8回の攻撃はエンドランを敢行しながらも痛烈なファーストハーフライナーによる併殺で終えると、9回には代わった2番手の小畠からランナーを出しながらも、再び併殺でチャンスをつぶす。2アウト後に4番池田が意地の3塁打を放つが、最後は5番前田が三振でゲームセット。関西勢同士の熾烈な戦いを制した智辯学園が2017年以来4年ぶりの初戦突破を果たした。

    まとめ

    智辯学園にとっては試合前に狙っていた展開を実行できた、してやったりの展開だっただろう。松浦関戸という2人の剛腕が落ち着く前に、集中打を放ち、初回・6回と試合の流れをつかみやすいイニングで得点を重ねた。先手先手で仕掛けていく、こういう試合運びはやはりここ数年甲子園常連で戦っていた智辯学園だからこそできたとも言えるだろう。

    投げては左腕・西村が6点を失いながらも大阪桐蔭打線を相手に8回を投げ切った。結果的に失点は多くなったが、序盤はキレのあるストレートに自信のあるスライダー、そしてタイミングを外すカーブで試合を作った。これだけのタレントぞろいの打線は今大会でもそう多くはなく、自身になっただろう。同じ近畿で見上げる存在になりかけていた大阪桐蔭を2度にわたって撃破した今、狙うは全国制覇しかないだろう。

     

    一方、大阪桐蔭にとってはらしくない試合運びで失点を重ねてしまった。松浦関戸ともに本来の投球とは言えず、打線も序盤は西村にすいすいと投げさせてしまった。投打ともに屈指のタレントを擁し、3度目の春夏連覇を狙える戦力と言われていたが、やはり本番で落ち着いて試合に臨むというのはそれだけ難しいことなのだろう。西谷監督にとっても2002年夏以来、久々にの初戦敗退となった。

    ただ、これまでも何度も悔しい思いから立ち直ってきたのが大阪桐蔭だ。2008年、2014年ともに秋の大阪大会でのコールド負けを乗り越えて夏の全国制覇へとつなげた。反発力の高さには定評がある大阪桐蔭。主将・池田を中心に雪辱を果たす戦いはすでに始まっている。

    2021年選抜1回戦予想 大阪桐蔭vs智辯学園 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

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