2021年夏の甲子園振り返りまとめ

2021年

選抜に続いて夏も選手権大会が2年ぶりに甲子園で開催された。しかし、今年は雨とコロナウイルスによって大きく左右された大会になってしまったことは言うまでもないだろう。

福井商、星稜、東海大相模といった名門校が出場辞退に追い込まれ、本大会に入ってからも宮崎商、東北学院が戦わずして退かなくてはならなくなった。2020年度の高校球児に続いてこういう状況になってしまったことは大変遺憾であったが、今後こういうケースが二度と起きないように対策を講じていく必要がある。

また、雨の影響で大阪桐蔭-東海大菅生が降雨コールド試合に、明桜-帯広農、近江-日大東北が再試合になってしまった。大会日程が詰まる中での苦肉の強攻だったが、やはり高校球児にとっては晴天の舞台で最初から最後までやり切りたかっただろう。さらに、球数制限というルールによる不公平さを緩和するために設置されていた休養日も使い切る結果になってしまい、現行制度での限界も垣間見える結果となった。こちらも来年以降の課題になりそうだ。

そんな状況下において驚異的な強さを見せたのが、近畿勢であった。雨で大会日程がずれ込む中で、練習場所を確保できる優位さがあったとはいえ、ベスト8に5校が残り、他地域相手に無敗という結果は、高校野球史上に残る前人未到のアンタッチャブルレコードである。智辯和歌山は市立和歌山・小園(DENA)、智辯学園は天理・達(日本ハム)と同地区にドラフト上位候補のライバルがいたこともレベルアップに拍車をかけたのは間違いない。

ベスト8全体の顔ぶれを見ても、敦賀気比を西日本とするならば、すべて西日本勢が占めることに。特に毎年ハイレベルで出場校も多い関東勢が3回戦までですべて姿を消したのは意外であった。各チームとも接戦で敗れており、力がなかったわけではないが、これまたコロナウイルスの影響で地方の強豪校の関東遠征が中止になったことが、レベルアップの機会を奪ったようだ。

今後も、with コロナでいかに高校球界を運営していくか、関係者は頭を悩ますことになりそうだ。

智辯和歌山は21年ぶり3度目の全国制覇を達成。高嶋監督から中谷監督に移行し、チームスタイルも変貌する中で念願のタイトルを獲得した。

しかし、新チーム結成当初は苦難の道のりであった。県内に小園(DeNA)-松川(ロッテ)という、のちに2人ともドラフト一位指名を受けたバッテリーを擁スリ市立和歌山が君臨。例年は智辯和歌山が互角以上の戦いを見せていたが、なんと秋の公式戦で3度対戦して3連敗を喫する結果となった。140キロ台後半の速球にカットボール、ツーシームを交える投球の前に自慢の強力打線も大苦戦。選抜切符をかけた近畿大会準々決勝の直接対決で完封負けを喫し、長い冬を迎えることとなった。

小園の速いストレート、変化球に対して、山を張っても松川のリードにかわされる可能性があるため、ストレート待ちで変化球にも対応するという打撃を140キロ台の「高速帯」でこなす必要があった。立て直しを図った打線は1番宮坂、4番徳丸という軸になる打者の周りが奮起。2番大仲、3番角井、5番岡西の左打者3人がしぶとい打撃で食らいつき、6番渡部、7番高嶋は一発も秘めた打撃で、打点を稼ぐ。春季和歌山大会では7-1とリベンジを果たした。

さらにエース中西を中心にディフェンス面も成長。中谷監督体制になってから投手陣、捕手インサイドワーク、守備力は格段に良くなっていたが、今年はあの市立和歌山相手に1点の重みがいつも以上に増すため、さらなるレベルアップを課した。中西は140キロ台後半の速球にカーブ、スライダーを交えて好投。右サイドの伊藤や左腕・高橋など質量ともに豊富な投手陣を完成させ、本番の夏を迎えた。

その和歌山大会決勝では上位に並べた左打者陣が小園の投球を攻略。2番大仲が勝ち越し打を放つなど、終盤に得点を積み重ね、4-1で宿命のライバルを撃破した。

難敵を下した自信を胸に迎えた甲子園では初戦で宮崎商がコロナウイルスの影響で出場辞退するという状況になったが、初試合となった3回戦の高松商戦をうまく競り勝つと、あとは電車道。石見智翠館・山崎琢、近江・山田、智辯学園・西村、小畠と次々打ち崩し、21年ぶりの栄冠まで突っ走った。

そして、なんといってもあの世界の「イチロー」に指導を受けたことがまた大きな自信になったのは間違いないだろう。市立和歌山との試合では、そのイチロー直伝の走塁技術で得点を挙げるなど、「ちゃんとやってね」という言葉に選手たちがきっちり応えて見せた。時代の流れに乗り切れずに低迷した時期もあったが、「平成の常勝軍団」が久々の全国制覇を達成。つぎは「令和の常勝軍団」を目指し、さらなる鍛錬に励んでいくのだろう。

“優勝 智弁和歌山”おめでとう!!準優勝智弁学園健闘しました ハイライト 閉会式 女子高生が栄冠は君に輝くを行進に合わせて熱唱収録 2021年8月29日#智弁和歌山 – YouTube

2021年選手権決勝 智辯和歌山vs智辯学園(15日目第1試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

2021年選手権準決勝 智辯和歌山vs近江(14日目第1試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

2021年選手権準々決勝 智辯和歌山vs石見智翠館(13日目第2試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

2021年選手権3回戦 智辯和歌山vs高松商(11日目第2試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

 

智辯学園は夏の大会で過去最高成績を塗り替える準優勝を達成。1年生時からチームを支えた面々が順調に成長し、最後の大会で躍進を遂げた。

投手陣は左腕・西村、右腕・小畠の左右2本柱が成熟。特に西村は選抜準々決勝の明豊戦で勝負所の痛打を浴びた苦い経験をもとに成長。1回戦の倉敷商、2回戦の横浜とキレのあるボールをコーナーに突き刺し、無失点投球を続けた。打線も2試合連続で2桁安打と投手陣を援護。選抜で不振だった前川は横浜戦で1番としてホームランを含む4打点をマークし、挫折を乗り越える活躍を見せた。

「左」の西村が活躍すれば、「右」の小畠も黙ってはいない。3回戦の日本航空戦では手元で動くボールを武器にわずか96球で完投勝ち。準決勝の京都国際戦では自ら先生の3ランを放って完投勝利と投打で千両役者の活躍を見せた。長身から繰り出す角度のあるムービングボールは相手打者にとってはこれ以上ない厄介なボールであった。

そんな智辯学園が最も苦戦を強いられたのが準々決勝の明徳義塾戦。前日完封したエース代木(巨人)に代わって2年生左腕・吉村が先発したが、その吉村のクロスファイヤーをなかなかとらえきれない。そんな中で4番山下がインサイドに食い込むボールをうまくライト線に落として同点に追いつくと、1点ビハインドで迎えた9回裏には春から組み替えた上位打線がつながって逆転サヨナラ勝ち。最後は選抜でトップを打っていた5番岡島の執念のサヨナラ打で難敵を退け、底力を見せつけた。

ただ、大会が後半に進むにつれて打線の調子は下降気味になってしまったのは確か。雨で大会に日程が延びる中、2週間以上打線の調子をキープするのは大変な作業だ。大会後半にピークを持ってこれた智辯和歌山との差が決勝戦では如実に出て思わぬ大差になったのは、気の毒な面もあった。

それでも、選抜の悔しさを乗り越え、主力と脇を固める面々がそれぞれきっちり仕事を果たしての準優勝は立派。総合力の高さは今大会出場校中でも随一であった。再び夏の頂点に迫る日もそう遠くはないだろう。

【智弁学園(奈良)】準々決勝逆転サヨナラ勝ち 智弁学園強かったすごい!!9回ウラの攻撃 優勝まであと2つ がんばれ!!2021年8月26日 #智弁学園 – YouTube

2021年選手権準決勝 智辯学園vs京都国際(14日目第2試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

2021年選手権準々決勝 智辯学園vs明徳義塾(13日目第3試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

2021年選手権3回戦 智辯学園vs日本航空(12日目第1試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

2021年選手権2回戦 智辯学園vs横浜(8日目第4試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

2021年選手権1回戦 智辯学園vs倉敷商(2日目第1試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

 

京都国際も春夏連続の甲子園で夏は選抜を超える4強入りと躍進。下級生主体のチームながら、短期間で大きく成長を遂げた。

京都大会では右腕・平野の調子が上がらなかったが、左腕・森下がエースとして一本立ち。130キロ台後半のキレのある速球とスライダー、チェンジアップを駆使して京都大会ではまさに無双の投球を見せた。甲子園本番でも好調を維持し、初戦は前橋育英のエース外丸との投げ合いに1-0で完封勝ち。左打者の並ぶ中軸に対して、徹底したスライダー攻めで仕事をさせず、4番中川の一発で挙げた得点を守り切った。

そして、選抜で届かなかった8強を目指した3回戦の二松学舎大付戦では打線が強力援護を見せる。5回に森下自らが同点弾を放つと、6回には中川・辻井の2者連続ホームランで勝ち越しに成功する。序盤は二松学舎大付・秋山のストレートに対応できなかったが、キレがやや落ちたところを逃さずとらえた。最終回にまさかの同点弾を浴びたが、最後は森下が再び勝ち越し打を放って6-4と勝利。選抜では東海大菅生に逆転サヨナラ負けしたが、同じ東京勢へのリベンジを果たした。

優勝を見据えて準々決勝からは右腕・平野が先発。伸びのある速球で押す持ち味を発揮し、敦賀気比の強力打線を封じ込める。終盤には8番松下が得点の口火を切る長打とサヨナラ打を放つなど、この日猛打賞の活躍を見せて、4強進出を決めた。選抜では投手陣と4番捕手の中川にかかる比重が大きかったが、総合力が増したことを感じさせる戦いぶりだった。

ただ、準決勝は智辯学園にワンチャンスで平野が3ランを打たれて、そのまま逃げ切り勝ちを許すことに。スコアは1-3と僅差だったが、チームとしての成熟度はまだ差があるように見えた。4番捕手の中川という攻守の要が抜けるとはいえ、上位打線と左右2枚看板が残る新チームは全国制覇を狙う力を宿しており、今後さらなる成長に期待がかかる。

⚾️二松学舎vs京都国際(甲子園11日目)2021.夏 – YouTube

2021年選手権準々決勝 京都国際vs敦賀気比(13日目第1試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

2021年選手権3回戦 京都国際vs二松学舎大付(11日目第1試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

2021年選手権2回戦 京都国際vs前橋育英(6日目第1試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

 

近江は2001年に並ぶ最多タイの4勝をマークして4強入り。充実した投手力をベースに勝ち上がった2001年、2018年と違い、今年は投打にパワフルな野球を見せ、また近江としての新たな1ページを切り開いた。

春先までは低迷していたというのが信じられないような快進撃であった。2年生エース山田とリリーフエースの岩佐という右の強力2枚看板を擁し、打線も山田・新野・島滝らのパワーに、井口・西山・明石らの機動力を絡めて得点を量産。硬軟織り交ぜた攻めで相手をねじ伏せ、自慢の投手陣で抑えつけるという堂々とした戦いぶりを見せた。

初戦は日大東北と降雨再試合となりながらも、再試合で打線が島滝のホームランなどで着実に加点し、快勝。そして、2回戦で大きな山場を迎えることになる。高校球界の王者・大阪桐蔭だ。

序盤に山田のボールが高めに浮くところをとらえられていきなり4失点を喫する苦しい展開となるが、山田が変化球の制球を取り戻して、その後を抑えると、打線も中盤から反撃。西山のスクイズや新野のホームランなど大技小技を絡めて追いすがると、同点で迎えた8回裏には代打・山口の勝ち越し2塁打が飛び出してついに逆転。同じ近畿で見上げ続けた王者を下し、滋賀県勢としても大阪代表相手に初めて勝利を記録した。

これで完全に勢いに乗った近江はその後も盛岡大付・神戸国際大付と強豪校を相手に競り勝って4強に進出。特に山田は神戸国際大付戦でホームランを放つなど、投げて打っての大活躍を見せた。最終回には明石が好走塁でサヨナラを決めるホームを陥れるなど、

ただ、神戸国際大付戦の最終回に岩佐が肘の故障でリタイアしたことで、準決勝は投手起用に苦しむことに。力投型の山田も球威・スピードに陰りが見え、準決勝は智辯和歌山打線に打ち込まれてしまった。ただ、大阪桐蔭相手に勝利し、過去の近江史上でも最高の総合力を持つチームに変貌した戦いぶりは素晴らしく、山田をはじめとして主力が多く残る新チームでは、湖国初の全国制覇へ期待がかかる。

【近江ブルー】2021年 近江(滋賀) MV集 – YouTube

2021年選手権準々決勝 近江vs神戸国際大付(13日目第4試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

2021年選手権3回戦 近江vs盛岡大付(12日目第4試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

2021年選手権2回戦 近江vs大阪桐蔭(10日目第1試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

2021年選手権1回戦 近江vs日大東北(7日目第1試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

 

神戸国際大付は夏の大会では初の8強入りを達成。ベンチ入りメンバーのほとんどを起用するという、まさに全員野球で新しい歴史を作った。

選抜ではエース阪上が肘の故障で本調子ではない状況だったが、夏は完全復調。ストレートが魅力的な2年生左腕・楠本との2枚看板が安定し、仙台育英に大敗した選抜の借りを返す準備が整った。

初戦は奇しくも選抜の開幕戦で対戦した北海が相手。2017年夏にも対戦しており、この5年で3度目の激突だったが、2回に2番山里のタイムリーで挙げた2点を守り切って辛勝。以前の神戸国際なら逆転を許しそうな場面もあったが、落ち着いた守りと阪上~楠本への継投で踏ん張り切った。リベンジを期す相手を返り討ちにしたことでチームにも大きな自信が芽生えただろう。

その後、2回戦の高川学園戦では阪上が先制の2ランホームランに逆転のタイムリー、そして投げては3失点完投と投打でチームを牽引。代打・勝木が同点打を放つなど、控えの選手たちも活躍を見せ、高川学園の好左腕・河野を攻略した。さらに3回戦の長崎商戦はさらなる死闘となったが、4番西川がホームラン、逆転サヨナラをを含む4安打の大暴れ。波に乗り遅れかけていた4番捕手が大車輪の活躍を見せ、8強への扉をこじ開けた。

準々決勝の近江戦では序盤から主導権を握られ続ける苦しい内容だったが、4点差で迎えた9回表に勝木・夜久・松尾と代打陣が3連打を放って追いすがると、1番関もタイムリーで続いてついに同点に。9回裏にサヨナラを許したが、最後まであきらめない姿勢を見せた選手たちに、ベンチもスタンドも涙を流した。

選手個々の力はありながらもどこか脆さが同居しているという印象の神戸国際大付。しかし、今大会は1回戦から3試合連続の1点差勝利を記録し、最後の試合も土壇場で4点差を追いつくという粘り腰を見せ、新境地を切り開いた。これから神戸国際大付というチームが新たな強さを見せる時代がやってきそうだ。

第103回甲子園 1回戦 神戸国際大付属(兵庫)ー北海(南北海道) – YouTube

2021年選手権3回戦 神戸国際大付vs長崎商(12日目第3試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

2021年選手権2回戦 神戸国際大付vs高川学園(9日目第2試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

2021年選手権1回戦 神戸国際大付vs北海(3日目第3試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

 

明徳義塾は試合巧者ぶりを発揮して2016年以来となる8強に進出。馬淵野球の集大成が詰まった中身の濃い試合を見せた。

初戦は県岐阜商との1回戦屈指の好カードとなったが、1点を先制された6回に驚きの采配が飛び出す。それまで好投を見せていたエース代木をスパッと変えて、2年生左腕・吉村をマウンドに送ったのだ。吉村はプレートの1塁側いっぱいを踏み、左サイドから横の角度のあるボールを投じて打者を翻弄。右打者へのクロスファイヤーは所見ではなかなかとらえるのは難しかった。

選抜で1安打に封じられた打線も少ないチャンスを活かし、9回裏には3番森松のタイムリーが飛び出してサヨナラ勝ち。仙台育英投手陣の真っすぐに力負けした選抜から成長を見せ、高知大会で高知の剛腕・森木(阪神)を打ち崩した自信も胸に、堂々たる戦いを見せた。

そして、2回戦では明桜の剛腕・風間(ソフトバンク)に対し、徹底して球数を投げさせる作戦で攻略。森木のストレート対策をしてきただけあって、重心の低い打撃フォームから速球に対してファウルで粘りまくる技術は、さすが明徳と思わせるものであった。投げては代木から吉村への両左腕の継投がはまって終わってみれば8-2と大勝。明徳本来のしたたかさが光った試合であった。

3回戦では代木-加藤のバッテリーがそれぞれホームランを放って、投げては完封と、まさにバッテリーで勝利を手中に。1回戦で17得点を挙げた松商学園打線に対して、得意のカットボールがさえわたり、わずか3安打で完封勝利を収めた。バッテリー中心の守りが生命線である明徳野球の真骨頂を見せ、ベスト8進出を果たした。

その準々決勝は7年前の選手権で下した智辯学園との再戦に。エース代木の連投を控えて、2年生吉村が先発のマウンドに上がると、これがピタリとはまる。先発野手陣の個々の能力では明らかに智辯学園に分があったが、吉村を粘り強い守りで支えて切り抜けると、9回表には代木が2試合連続となる勝ち越しホームランを叩き込む。

9回裏に無念のサヨナラ負けを喫してベスト4進出はならなかったが、個の能力で劣っても、守りとしたたかさで食らいつく明徳野球が改めてその強さを見せつけた大会となった。

明徳義塾 吉村投手 1回戦に続き2回戦も好リリーフ! – YouTube

2021年選手権3回戦 明徳義塾vs松商学園(12日目第2試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

2021年選手権2回戦 明徳義塾vs明桜(9日目第1試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

2021年選手権1回戦 明徳義塾vs県岐阜商(3日目第2試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

 

敦賀気比は持ち前の強力打線が活発に打ちまくり、8強に進出。高い技術力を見せつけ、初戦敗退に終わった選抜の雪辱を果たした。

初戦は日本文理との北信越強豪対決となった。日本文理の2年生エース田中の140キロ台の速球とスライダーに対して上位打線が序盤から着実にヒットを積み重ね、2回で6-0と大きくリードを広げる、投げては本田と吉崎の2人が打たせて取る持ち味を発揮し、日本文理打線の猛追を退けて8-6と接戦を制した。

1年生から主軸を張る大島・前川のコンビが2年生4番の上加世田を挟む打撃陣はミート力が非常に高く、ライナー性の打球をセンター中心にはじき返していった。3回戦では初戦で完封勝利を挙げた三重・上山も初回5得点の猛攻で攻略。2013年あたりから敦賀気比の打力は甲子園を席巻しているが、確実性の高い打撃がチームの伝統として息づいている。

しかし、準々決勝では京都国際の先発・平野の伸びのある速球の前にさすがの敦賀気比打線も苦戦を強いられた。大会初先発で元気いっぱいの状態とあって、なかなか快打を続けるのも難しかっただろう。当たっている正捕手・長尾がアクシデントで退いたのも痛く、終盤にサヨナラ負けを喫した。

ただ、この試合でも猛打賞を記録した上加世田が投打の中心として残るチームもまた期待値が高く、北信越を引っ張るリーダー校として今後の躍進にも期待が高まる。

2021.7.7目指せ❗甲子園 敦賀気比。 – YouTube

2021年選手権3回戦 敦賀気比vs三重(11日目第3試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

2021年選手権2回戦 敦賀気比vs日本文理(7日目第4試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

 

石見智翠館は2試合連続で接戦を制して2003年以来18年ぶりの8強入りを達成。山陰の強豪が見事に復活を遂げた。

県大会決勝で無安打無得点を達成したエース・山崎琢だったが、初戦の弘前学院聖愛戦は雨の降りしきる中で初回に2失点とやや苦しい投球となる。しかし、持ち味の内外角を丁寧に投げ分ける投球で立ち直ると、打線は少ないチャンスで4番上の2点タイムリーと怪我から復帰した5番宮本の2ランが飛び出し、主軸の2人が4打点を挙げる。最後は1点差に迫られたが、山崎琢が踏ん張り、中身の濃い一戦をものにした。

続く3回戦は、開幕戦で勝利をおさめ、V候補の一角の浦和学院も下した日大山形が相手。勢いに乗る強豪を相手にやや押され気味だったが、5回にエース山崎琢に変えて、左サイドの山本由を登板させると、試合の流れは徐々に石見智翠館に傾く。7回に得点を奪い合って同点で試合が推移すると、最後は9回裏に降板した山崎琢と今泉の連打でサヨナラ勝ち。実力上位と思われたチームを相手に、ベンチ主導で流れを引き寄せ、白星を手にした。

準々決勝では立ち上がりから山崎琢が智辯和歌山打線につかまって力負けしたが、これで夏の大会では3度目となる8強入り。島根県勢を牽引する強豪が県内でさらに頭一つ抜け出た存在になったと言えるだろう。

石見智翠館校歌2021夏 – YouTube

2021年選手権3回戦 石見智翠館vs日大山形(11日目第4試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

2021年選手権2回戦 石見智翠館vs弘前学院聖愛(8日目第1試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

 

盛岡大付と日大山形の東北の常連2校はそれぞれ2勝をマーク。さすがの強さを見せつけた。

盛岡大付は初戦で鹿島学園を相手に序盤は押され気味だったが、4回に6番平内の豪快な3ランが飛び出すと、持ち前のわんこそば打線が7得点と本領を発揮。エース渡辺も丁寧な投球で完封し、初戦を力強く突破した。

そして、2回戦の沖縄尚学戦ではその渡辺がさらなる快投を見せる。インサイドにも正確に投じれるコントロールの前に、巧打者揃いの沖縄尚学打線が完全に沈黙。目立ったスピードや球威はなくとも、打てるボールもないという印象で、8回2アウトまで無安打投球という素晴らしい投球をやってのけた。3回戦では渡辺が先発を回避したこともあって、序盤から近江に主導権を握られてしまったが、「モリフ」の強さは存分に見せつけた夏であった。

<第103回全国高校野球選手権大会>盛岡大附対鹿島学園 マッスル破壊!! – YouTube

2021年選手権2回戦 盛岡大付vs沖縄尚学(9日目第4試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

2021年選手権1回戦 盛岡大付vs鹿島学園(4日目第4試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

日大山形は開幕戦で米子東と対戦。2番新田、3番佐藤の好打者2人が巧打と俊足で全4得点に絡む活躍を見せれば、投げては重い速球が武器の斎藤が試合を作る。最終回はスピードボールが持ち味の滝口が無死満塁のピンチを3者三振で締めてゲームセット。2013年以来の白星を手にした。

さらに2回戦では浦和学院を相手に先行を許すも、またしても新田、佐藤のコンビが躍動。相手先発の吉田匠を序盤で攻略に成功し、再び斎藤から滝口への継投で試合を締めくくった。3回戦では石見智翠館に惜敗したが、持ち前のスピード感あふれる野球は観衆を魅了した。

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2021年選手権2回戦 日大山形vs浦和学院(8日目第2試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

2021年選手権1回戦 日大山形vs米子東(1日目第1試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

 

長崎商、松商学園、高松商の3校は強力打線で相手校を圧倒。実力を存分に見せつけた。

長崎商は長崎大会では投手力をベースに勝ち上がったが、甲子園本番では打線が爆発。初戦は熊本工との九州対決となったが、2番横田、3番大町、4番宮城、6番松井がマルチヒットを記録するなど、計13安打をマーク。右サイドの熊本工・吉永に対して、左打者陣が低めのボール球を見極めてきっちり仕留めていった。

そして、2回戦では初戦で強打の明豊を完封した専大松戸と対戦。先発はエース深沢(DeNA)ではなかったが、初先発の岡本を相手に先制点を挙げると、5回裏には継投した深沢からも8番鬼塚がタイムリーを放って加点。各打者がコンパクトな振りで単打を積み重ね、一気に流れを手繰り寄せた。

また、投げてはエース城戸と右サイドの田村がそれぞれ持ち味を発揮。ともに被安打は少なくないものの、勝負所でコントロールを間違わない投球を見せた。3回戦では神戸国際大付戦の9回裏にサヨナラ負けのピンチでエース城戸が意地の投球を見せて、三振奪取。最後はサヨナラ負けを喫したが、県大会から大きく成長を見せた打線と安定感抜群の投手陣で、快進撃を見せた。

長崎商vs神戸国際 1アウト満塁からの気迫の投球!! – YouTube

2021年選手権2回戦 長崎商vs専大松戸(9日目第3試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

2021年選手権1回戦 長崎商vs熊本工(4日目第1試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

松商学園は初戦で17得点と打線が大爆発。同じ北信越の高岡商を圧倒した。こちらも3番織茂から斎藤、熊谷、金井と続く4人で12安打12打点を記録。ミート力もパンチ力も兼ね備えた驚異的な打力で相手投手を圧倒した。体の開きが少なく、ボールをギリギリまで引き付けて強烈にはじき返す打撃は名門校の底力を見せつけるものであった。

ただ、2回戦の東北学院戦がコロナウイルスの影響で不戦勝になり、日程が空いたことが調整は難しくなっただろう。初戦の猛打が嘘のように、明徳・代木の前に3安打と沈黙した。ただ、投げては2年生左腕・栗原がスライダーを武器に粘投を見せ、明徳打線をソロホームラン2本の2点のみに抑えたのは収穫。新チームでの活躍に期待大だ。

フェンス激突の高岡商「石黒くん」を松商学園も激励 – YouTube

2021年選手権1回戦 松商学園vs高岡商(2日目第3試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

高松商は強打の浅野を2番に置く超攻撃的布陣で初戦は作新学院相手に10得点を挙げた。左の軟投派投手に対して左打者が逆らわずに逆方向にはじき返し、最後は4番藤井の走者一掃打で勝負を決めた。投げては小柄ながらキレのあるボールを投じる徳田から渡辺和、坂中つないで逃げ切り勝ち。戦前は不利が予想された相手に会心の勝利を挙げた。

3回戦では浅野がホームランを放ち、最終回には猛追を見せるも3-5と惜敗。浅野が主将となった新チームのカギはやはり投手力になりそうだ。

【2021夏 甲子園】高松商業 浅野翔吾選手(2年) ホームラン & インタビュー – YouTube

2021年選手権2回戦 高松商vs作新学院(6日目第2試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

 

日本航空、二松学舎大付、三重の3校はエース投手が初戦で完封勝利を達成。チームを16強まで導いた。

日本航空は初戦でエース・ヴァデルナが東明館を相手に大会初完封を達成。細身の体からキレのあるボールを投じ、しり上がりに調子を上げた。攻撃陣も8回裏にスピード感あふれる攻撃であっという間に3点を追加。上々のスタートを切った。2回戦では新田の2年生右腕・向井も集中打で攻略。終盤の反撃をかわして2勝目を手にした。

しかし、3回戦の智辯学園戦は中盤に逆転を許すと、投手陣が攻略されて7失点。打線も智辯学園・小畠の前にわずか3安打に抑え込まれ、関東勢最後の牙城を守ることはできなかった。ただ、エースの好投とスピーディーな攻撃で存在感を十分見せつけた夏となった。

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2021年選手権2回戦 日本航空vs新田(8日目第3試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

2021年選手権1回戦 日本航空vs東明館(1日目第3試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

二松学舎大付はエース秋山(ロッテ)が初戦で西日本短大付を4安打で完封。伸びのある速球で押しまくり、6回には1アウト満塁のピンチを連続三振を奪うなど、計9三振を記録した。市川監督以来、好左腕を多く輩出する二松学舎大付の伝統に恥じない投球を見せた。

続く3回戦は秋山が中盤にホームラン3本を浴びて、苦戦を強いられるが、最終回に桜井が劇的な同点3ランを放って試合を振り出しに戻す。延長戦で惜敗し、4度目の挑戦でもベスト8進出はならなかったが、投打ともに実力の高さを見せつけた夏だった。

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2021年選手権2回戦 二松学舎大付vs西日本短大付(7日目第2試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

三重はチーム打率5割越えの強力打線をもって乗り込んできたが、甲子園では2年生エース上山が好投を見せる。樟南の好左腕・西田が相手だったが、伸びのある速球を内外角にコントロールよく投げ分け、7安打を浴びながらも完封勝ちを収めた。打線も得点こそ2点だったが、西田をよく攻めつけ、試合の主導権を渡さなかった。

ただ、3回戦では敦賀気比の強力打線に立ち上がりを突かれて上山が5失点。初戦の立ち上がりはうまく切り抜けた上山だったが、試合巧者の敦賀気比は逃してくれなかった、新たな課題を持ち帰り、聖地帰還を目指す。

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2021年選手権2回戦 三重vs樟南(7日目第3試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

 

大坂桐蔭、沖縄尚学、横浜の優勝経験校3校はともに初戦をいい形で勝ち上がったが、2戦目で敗退。再び甲子園で勝ち上がる難しさを痛感することとなった。

大坂桐蔭は初戦敗退に終わった選抜の雪辱を期して臨んだ東海大菅生戦で、花田・前田・藤原と3発が飛び出す大坂桐蔭らしい攻撃を見せ、リードを奪う。中盤に追い上げを許したが、選抜で制球難に苦しんだエース松浦(日本ハム)が雨の中でも我慢強く投げ抜き、降雨コールドでの勝利を収めた。

しかし、2回戦の近江戦では2回までに4点を先行するも徐々に追い上げを許す展開になる。右腕・竹中からエース松浦への継投もあるかと思われたが、1回戦最終ブロックに入ったことと雨の関係で日程が詰まっており、球数制限も考慮して登板はさせなかったのだろう。結果逆転負けは喫したが、西谷監督の「選手ファースト」のポリシーがうかがえる選手起用であった。

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2021年選手権1回戦 大阪桐蔭vs東海大菅生(5日目第1試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

沖縄尚学は初戦はエース当山がキレのあるボールを武器に、阿南光打線を2安打で完封。大会屈指の左腕の評に違わない投球を見せた。打線も機動力も絡めた沖縄尚学らしい攻撃で8得点を挙げ、上々の滑り出しを見せた。

しかし、2回戦では好調な打線が盛岡大付・渡辺の抜群のコントロールの前に大苦戦。なかなかヒットにできるようなボールが来ず、結局8回途中まで無安打投球を許した。エース当山も2失点で踏ん張っていたが、終盤に力尽きて4失点。スコア以上の差を感じる内容になってしまったが、終盤までよく食らいついた印象も残った試合だった。

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2021年選手権1回戦 沖縄尚学vs阿南光(4日目第3試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

横浜は初戦は右腕・宮田が打たせて取る投球で嫌らしい広島新庄の打線を封じると、2点差で迎えた9回裏に1年生の1番緒方が劇的な逆転3ランを放ってサヨナラ勝ち。久々に終盤に強い横浜高校を見せた試合となった。

ただ、2戦目は智辯学園相手に投打に力負け。下級生の多いチームとあって、両チームの経験値には大きな差があるのは否めなかった。しかし、1年生s合わん・杉山も含めてまだまだこれからのチームであり、横浜復活の足掛かりは作った大会となった。

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2021年選手権1回戦 横浜vs広島新庄(2日目第2試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

 

専大松戸・明桜に2校はプロ注目のエースが快投を見せて初戦を突破。スカウト陣にも大きくアピールする好投であった。

専大松戸はエース深沢(DeNA)が初戦で選抜準優勝の明豊打線を6安打で完封。左打者に対してアウトコースぎりぎりのストレートでしっかりカウントを整え、低めの変化球で打ち取る投球で、付け入るスキを与えなかった。選抜の中京大中京戦ではタイムリー1本で敗れたが、この日はただの1本も許さない完ぺきな投球。打線も県大会決勝でサヨナラ満塁弾をはなった1番吉岡を中心に、6得点を奪って雪辱を果たした。

ただ、2回戦の長崎商戦では先発した岡本が長崎商打線の巧打に苦しみ、深沢への継投も失敗に。力では互角以上のものを持っていたが、ペース争いに負けた印象の試合だった。

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2021年選手権1回戦 専大松戸vs明豊(4日目第2試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

明桜は大会最注目の剛腕・風間(ソフトバンク)が150キロ台の速球を武器に、初戦の帯広農戦の降雨再試合の2試合を投げ抜いた。ストレートで押して変化球でかわすスタイルが多い中、風間は変化球でカウントを整えて、狙われていることがわかっていながら速球で勝負する本格派ぶりを見せた。

ただ、2回戦は明徳義塾打線の徹底した粘りでストレートをファウルされ、序盤から球数がかさんだ。中盤で球数が100球を超え、6回139球で降板。名将・馬淵監督率いる名門に野球の厳しさを教えられる結果になったが、これを糧にプロの舞台で大きく成長していきそうだ。

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2021年選手権1回戦 明桜vs帯広農(3日目第1試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

 

高川学園は初戦でエース河野が5点を先行される苦しい試合となったが、打線が集中打を放ってすぐに追いすがる。河野もスライダーを武器に立ち直り、最後は押し出しの四球を勝ち取ってサヨナラ勝ち。取っては取られのシーソーゲームを制して甲子園初勝利を手にした。2回戦でも機動力を活かした野球で神戸国際大付を相手に一時試合をひっくり返す粘りを見せ、高川学園として大きな1ページを記した夏となった。

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2021年選手権1回戦 高川学園vs小松大谷(3日目第4試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

東北学院は初戦でV候補の愛工大名電に対して、力強い打撃で対抗。本格派左腕・田村のストレートにも、リリーフした右腕・寺嶋のスライダーにもすぐに順応するレベルの高さを見せた。エース伊東も力感あふれる投球で8安打を浴びながら3失点で完投勝ち。春夏通じて初出場で大きな1勝を記録した。

ただ2回戦はコロナウイルスの影響で出場辞退の憂き目に。松商学園との対戦は好カードであっただけに、見れなかったのが非常に残念であった。

東北学院vs愛工大名電⚾️甲子園ハイライト – YouTube

2021年選手権1回戦 東北学院vs愛工大名電(2日目第4試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

新田は初戦で静岡の好投手・高須を相手に4得点で攻略。2年生エース向井も抜群のコントロールを武器に2失点で踏ん張った。1990年の選抜では一発長打が光った新田だが、この日はコンパクトな打撃で長身右腕のボールを攻略した。

しかし、2回戦は日本航空の左腕・ヴァデルナに打線が苦戦。向井もボールをそろえ過ぎたところをとらえられてしまった。主砲・古和田は大会初ヒットを放ち、リリーフでも奮闘と一人何役もこなす持ち味を見せたが、3-5で及ばず、初めての夏を終えた。

【勝利したら両チームとも初甲子園】新田VS聖カタリナ ダイジェスト!【103回愛媛高校野球 決勝】 – YouTube

2021年選手権1回戦 新田vs静岡(1日目第2試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

 

県岐阜商、広島新庄、小松大谷、弘前学院聖愛、日本文理の5校はいずれも緊迫感ある接戦を演出。惜敗を喫したが、素晴らしい試合内容であった。

県岐阜商は初戦で明徳義塾との試合巧者対決に。好捕手・高木(広島)を中心に粘り強い戦いを見せたが、2番手で登板した明徳の左腕・吉村をとらえきれず。所見でとらえるにはあまりに難しい球筋だった。選抜の市立和歌山戦に続くサヨナラ負けとなり、籤運に恵まれない印象もあった。

2021 第103回 高校野球岐阜大会 決勝 市岐商 vs 県岐商 – YouTube

広島新庄は花田-西井-秋山の自慢の投手陣リレーで無失点を継続し、打線も少ないチャンスをものにしていたが、最終回に秋山がまさかの逆転3ランを喫した。9回に1点を追加してなお無死2,3塁のチャンスだったが、中軸が淡白な攻撃で凡退したのが響いたか。野球の怖さを思い知らされる敗戦であった。

【先発西井→秋山完封リレー】広島新庄VS祇園北 ダイジェスト!【103回広島高校野球 決勝】 – YouTube

小松大谷は序盤から3番東出(DeNA)を中心とした力強い打撃で高川学園の好左腕・河野から5得点。持ち前の強力打線がいかんなく力を発揮したが、追い上げを許すと、その後は劣勢になってしまった。ただ、最後はサヨナラ負けを喫したものの、ナイトゲームでの競り合いは非常に見ごたえがあった。

〜36年ぶりの甲子園〜全国高校野球選手権石川大会 決勝 金沢高校 対 小松大谷高校 – YouTube

弘前学院聖愛は序盤から石見智翠館の無安打無得点右腕・山崎琢を鋭い打撃で攻めつけ、2点を先行。2年生エース葛西も強気の投球で相手を封じていたが、最後は勝ち越し2ランを浴びて競り負けた。しかし、強豪ひしめく青森で2度目の出場を果たし、県全体のレベルが上がっていることを感じさせる戦いを見せた。

夏の甲子園出場の聖愛「日本一目指す」 – YouTube

日本文理は序盤に2年生エース田中が6失点してしまうが、打線が粘り強く反撃。6番玉木の2ランなど、14安打で6点を奪い、敦賀気比に2点差まで詰め寄った。2009年夏の決勝を思い起こさせるような猛反撃に、日本文理のあきらめない伝統は生き続けていると感じさせられた。

中京大中京vs日本文理 2009年夏 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

さあ行きましょう!(日本文理) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

日本文理高校 2021年夏 甲子園応援曲集 – YouTube

 

明豊、愛工大名電は大会前に優勝候補に挙げられる戦力を有していたが、持ち味を発揮できずに初戦敗退。改めて一発勝負の難しさを感じさせられる夏となった。

明豊は初戦で大松戸の本格派サイド・深沢の前に打線が沈黙。黒木、米田友といった左の好打者が深沢のコーナーワーク、キレ、緩急の前に仕事をさせてもらえなかった。投手陣も選抜では勝負どころで低めのボールを振らせていたが、この日は見極めを許して甘く入るボールを痛打された。選抜ではやることなすことうまくいって準優勝を果たしたが、マークされる側になった時の戦いはさらに厳しいものであった。

明豊高校 最終回〜校歌 2021夏大分大会決勝 – YouTube

愛工大名電は選抜4強の中京大中京・畔柳(日本ハム)や享栄の速球派投手陣を攻略した打線と、田村(広島)・寺嶋の左右の強力2枚看板を擁し、V候補として甲子園に登場。しかし、初出場の東北学院に田村は速球、寺嶋はスライダーの攻略を許して5失点すると、打線も追い上げる状況で力を出し切れず。田村のホームランなどで2点差まで迫ったが、力を出し切れずに甲子園を後にした。

愛工大名電 VS 享栄 2021年夏 愛知大会決勝 完全ハイライト – YouTube

 

東海大菅生は初戦で大阪桐蔭を相手に豪雨の中で試合を行うことに。選抜8強の経験も踏まえ、0-8で完敗した2015年の選抜と比較して、同等以上の気持ちで望めると想定していた。しかし、序盤から先発・桜井が3ホームランを浴びると、追い上げを開始した中盤以降に雨脚が増していき、最後はバットがすっぽ抜けてボールも止まる事態に。無念の降雨コールド敗退となった。

たた中盤以降は粘りの野球でを追い上げ、大阪桐蔭・松浦(日本ハム)を大いに苦しめた。6年の時を経て両校の距離は縮まったことを感じさせた。

★国士舘 x 東海大菅生 2021夏 – YouTube

 

作新学院、前橋育英、浦和学院の北関東の優勝経験校はともに初戦で敗退。今大会苦戦を強いられた関東勢だったが、やはりこの3校の敗退は痛かったか。

作新学院は打線が序盤に高松商の小柄な左腕・徳田に対して、持ち味の強攻策を仕掛けるも、内野の併殺網に引っかかることに。作新学院の攻撃スタイルは全国に知れ渡っており、高松商のディフェンス陣にも心の準備がしっかりあるように映った。

投げては先発した技巧派左腕・井上が逆方向への打撃で攻略されたが、投手陣全体の失点は10ながら自責点はわずか3。守備陣が4失策を記録したことが響き、気の毒な面があった。

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前橋育英は対照的に持ち味の守りの野球でしっかり地に足をつけて戦っている印象だった。エース外丸も中川に浴びたホームランの一発だけに抑えていたが、如何せん京都国際の左腕・森下が良すぎた。岡田、皆川の左の中軸2人が森下のスライダーにバットが止まらず、チーム全体としても4安打で完封負け。無失策の堅い守りも見せたが、打撃で及ばなかった。

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49代表校中に最後に登場した浦和学院は、2年生左腕の宮城が先発かと予想していたが、野手兼任の吉田匠が先発であった。初回に2点を先制しながら、日大山形の新田・佐藤という左の好打者コンビに攻略されてしまったことを思うと、宮城の先発でも良かったのではと感じたが、何か内部で事情があったのかもしれない。永年チームを指揮してきた森士監督の最後の夏を白星で飾ることはできなかった。

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樟南、西日本短大付、静岡、北海の4校は大会注目の好投手を擁していたが、ともに接戦に敗れて初戦敗退。しかし、各エースは持ち味を十分発揮していた。

樟南は左腕エース西田がチーム打率5割強の三重打線に対して、9安打を浴びながらも2失点で踏ん張る粘投を見せた。だが、打線はヒットは出すものの、なかなか得点圏にランナーを進めることができず。攻め方を見ると、犠打に頼りがちだった従来の野球から脱皮した感があったが、この日はうまくいかなかった。

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西日本短大付は右腕エース・大嶋がチェンジアップを武器に丁寧な投球で4安打2失点で完投。持ち味を十分発揮した投球だったが、打線が二松学舎大付・秋山の前に4安打に封じ込められて完封負けを喫した。三宅・林という右の強打者2人が秋山のクロスファイヤーに苦しめられた。

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静岡は県大会を無失点で切り抜けて長身右腕・高須が新田打線と対峙。しかし、持ち味の角度のある速球に対して序盤から低く鋭い当たりを返され、苦戦を強いられた。同点に追いついた終盤には相手外野手のファインプレーにも阻まれて得点を挙げられず、伝統校対決に惜敗した。

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北海はなんと3たび神戸国際大付との対戦を引き当てることに。選抜で逆転負けを喫した相手に対して、今度は先行を許すが、エース木村(ソフトバンク)がしり上がりに調子を上げ、打線も1点差に迫るが、今回も勝利を収めることはできなかった。しかし、木村-大津(巨人)のバッテリーを中心にした落ち着いた守備は、逆転負けを喫した選抜から見ると、大きな成長を見せていた。

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熊本工は初戦で長崎商との九州対決に。打線は13安打を放ったが、要所を締められて4得点止まり。2年生エース吉永が攻略されて4回までに8失点し、流れを引き寄せることができなかった。県大会同様に接戦に持ち込めなかったのが痛かったか。

2021夏の甲子園出場校はここだ!!熊本県編です!!どこが勝つか全く予測不能です!! – YouTube

倉敷商は強打の智辯学園を相手に右腕・三宅を先発させる奇襲に出たが、中盤以降にエース永野もろとも攻略された。前年は交流試合で仙台育英打線を相手に好投した永野だったが、今年の智辯学園打線の破壊力はいかんともしがたかった。

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米子東は開幕戦に登場。エース船木佑が日大山形の上位打線を抑えきれなかったが、最終回は満塁にして詰め寄るなど、打線が伝統校らしい粘りを見せた。

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阿南光、鹿島学園、東明館は春夏通じて初の甲子園で得点を挙げることはできなかったが、それぞれ持ち味は出した戦いを見せた。

 

阿南光は2年生左腕・森山が自慢の速球を武器に沖縄尚学打線に挑んだが、機動力と巧打の前に8失点。まだまだ成長途上の左腕にとっては、今後の糧になる敗戦だっただろう。野球の町・阿南市から初出場を果たし、地元を元気づける出場でもあった。

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鹿島学園はエース薮野が序盤はテンポのいい投球で盛岡大付打線を翻弄。ホームランから崩れてしまったが、茨城勢らしいリズムの良い守備は常総に競り勝ったことも納得させるものであった。

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東明館も2年生エース今村が低めを丹念に突く投球で序盤は0-0の投手戦を演出。近年佐賀県内で上位を賑わせていたチームが、大きな経験と財産を得た大会となった。

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高岡商、日大東北の2校は相手校の強力打線に飲み込まれる格好となったが、最後まであきらめない姿勢を見せた。

高岡商は相手の松商学園打線の破壊力がいかんせん素晴らしすぎた。ただ、3番手で登板した田中が好投し、自らホームランも放って追撃ムードを作って意地を見せた。

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日大東北は近江の分厚い攻撃陣の前に先制・中押し・ダメ押しを許して2-8と完敗。ただ、13年続いた聖光学院の牙城を崩して出場を果たしたことには大きな意味があり、来年以降は王者・聖光と同等以上のメンタルで向き合えるはずだ。

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帯広農は明桜と降雨再試合も含めた2試合を経験。1試合目はとらえあぐねた剛腕・風間のストレートに対して、再試合では2本のタイムリーを放つなど7安打を連ねて対応力の高さを見せた。結果は2-4で競り負けたが、2020年には交流試合で前年の関東王者の健大高崎を下すなど、着実に実績を積み重ねている。2年生エース佐藤大が残る新チームで2年連続の代表切符を目指す。

2021 07 25 帯広 農業 高校 甲子園 出場 決定・超 重量 打線・エース・最速1600キロ 【 なつぞら・広瀬すず 】の母校 北アイヌモシリ大会・夏の 高校野球 – YouTube

 

宮崎商は強力打線がエース日高を援護して春夏連続出場を達成。選抜で天理・達(日本ハム)に抑え込まれたリベンジに燃えていたが、コロナウイルスの影響で無念の出場辞退となった。東北学院もそうだが、今後このような悲劇が起こらないことを切に願う。

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