2021年選手権3回戦 京都国際vs二松学舎大付(11日目第1試合)

2021年

大会11日目第1試合

京都国際

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
0 0 0 0 1 3 0 0 0 2 6
1 0 0 0 0 0 0 0 3 0 4

二松学舎大付

 

京都国際    森下

二松学舎大付  秋山

京都国際・森下、二松学舎大付・秋山の好左腕同士の投げ合いは互いにホームランが飛び出す二転三転の展開に。延長10回に森下が自ら勝ち越し打を放った京都国際が、初出場でベスト8進出を決めた。

試合

先制点は二松学舎大付だった。1回裏、1番永見が高めに浮いたスライダーを引っ張ってレフト線への2塁打にすると、4番もやや内寄りに入ってくるスライダをセンターにはじき返して1点を挙げる。コントロールの良い森下に対して、立ち上がり甘く入ったカウント球を仕留めることに成功する。

先制点をもらった二松学舎大付・秋山はこの日も快調な立ち上がり。初戦の西日本短大付戦と同様にストレートが良く走っており、序盤から京都国際打線に付け入るスキを与えない。ただ、京都国際も秋山のデータをよく研究してきたためか、ストレートに対してはファウルで粘って対応する場面が多く序盤から球数は増えていく。

一方、先制された森下だったが、2回以降は落ち着きを取り戻す、ストレート、スライダー、チェンジアップともによく制球されており、二松学舎大付属打線から快音が消える。2年生とは思えない完成度の高い投手であり、捕手・中川の好リードもあって徐々に流れを京都国際に引き寄せていく。

すると、中盤に入って京都国際打線が驚きの攻撃を見せる。5回表に森下がストレートをたたいて、流し打ちでレフトポール際に放り込む同点弾を放つと、グランド整備後の6回表には3番中川、4番辻井が2者連続のホームランを放って4-1とする。球数を投げさせてこともあり、高めに浮いてきたストレートを3人とも上からたたきつけるような打撃でスタンドの向こうに運んでいった。

豪快な援護を受けた森下は後半に入ってしり上がりに調子を上げる。コントロールが良いため、カウントを悪くしても崩れる心配が少なく、ボール球を振らせる投球ができる。8回は逆にストライク先行の投球で追い込み、わずか6球で3者凡退に封じるなど、見事なピッチングで最終回を迎えた。

しかし、森下の脳裏には選抜で同じ東京勢の東海大菅生の逆転サヨナラ負けした苦い記憶が残っていたか。それまで安定感抜群だった投球が突如崩れ始める。

スライダーが甘く入って先頭の4番にヒットを許すと、5番浅野には死球で1,2塁に。1アウト後、7番桜井に対して初球インサイドを攻めきれず、2球目にカウントを取りに行ったスライダーが甘く入ると、とらえた打球は打った瞬間にそれとわかる同点ホームラン。森下にとっては悪夢再びの一打であった。

だが、試合後半になって余力が先に切れたのは、二松学舎大付・秋山の方であった。中盤のホームラン攻勢の後はなんとか無失点で耐えていたが、毎回のように得点圏にランナーを背負う投球が続いた。延長10回に入っていよいよボールが高くなり始めると、2アウト1塁から森下にレフト線に運ばれる。クッションボールを誤る間に勝ち越しのホームインを許し、送球の乱れの間に森下もかえって2点を献上。172球の力投もついに力尽きた。

自らのバットで勝ちこした森下は今度こそと落ち着いた投球で3者凡退に切って取り、ゲームセット。東京勢に対して選抜の借りを返す勝利を挙げ、見事ベスト8へとコマを進めた。

まとめ

京都国際は9回にまさかの同点を許したが、延長10回のエースの一打で事なきを得た。森下は2回以降は完ぺきな投球を見せていたが、やはりメンタル面で9回は乱れてしまったか。ただ、勝って教訓を得ることができたのは選抜との違いである。攻撃陣も3ホームランは見事だったが、やはり犠打など細かい部分でまだ修正は必要であり、もっと追加点を取れる場面はあった。

とにもかくにも成長途上の若いチームであり、次戦での強打・敦賀気比との対戦が早くも楽しみである。

一方、敗れた二松学舎大付は2014年、2017年、2018年に続く4度目の挑戦も8強入りはならず。最終回に脅威の粘りを見せたが、やはりエース秋山が攻略されたという意味では完敗だったかもしれない。なかなか8強への壁を越えられないが、以前は東東京決勝の壁に何度も跳ね返された中で、2014年の初出場を機に一気に出場回数を増やしている。あきらめずに壁を突き抜けた時、さらなる躍進の景色が広がっているはずだ。

2021年選手権3回戦予想 京都国際vs二松学舎大付 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

8月24日 二松学舎大付 (東東京) vs. 京都国際 (京都) ハイライトvsホームラン | 第103回高校野球選手権 – YouTube

コメント

  1. […] […]

  2. […] […]

タイトルとURLをコピーしました