2021年選抜1回戦予想 東海大菅生vs聖カタリナ

2021年

2021年選抜1回戦

東海大菅生vs聖カタリナ

55% 45%

 

常連校と初出場校の激突。好投手を複数擁して東京の強豪校を倒してきた東海大菅生と強打で打ち勝つ野球を掲げて上がってきた聖カタリナの対戦。

 

東海大菅生は昨秋は決勝で対戦した日大三打線をエース本田が7回1失点で封じたように、準決勝の関東一戦以外は全試合2点以内に相手を抑え込んできた。特に本田はプレートの一塁側を踏んで横の角度をつけたクロスファイヤーを右打者のインサイドに突き刺して、投球を楽にした。鈴木、千田とその他の投手陣も計算が立ち、ある程度失点は計算できそうだ。

その東海大菅生の投手陣をなんとか攻略したい聖カタリナは「アルティメットチャレンジ」の指標の元、打ち勝つ野球で秋の四国を勝ち上がった。特に4番の川口は4割以上の打率を残し、相手投手が臭いところをついて四球を出しがちな中でも結果を残し続けた。初出場で初優勝を飾った済美のように、四国からのNEW FACEは侮どれない存在が多く、下位まで切れ目のない打線で甲子園を沸かせたいところだ。

 

一方、聖カタリナのエース櫻井は最速145キロを誇る本格派右腕。打線が注目されるチームだが、櫻井の成長なくしてチームの甲子園出場はなかっただろう。90キロ台のカーブとの緩急も活かして打者を打ち取っていくスタイルで、四国大会準決勝では延長12回を一人で投げ抜いたようにスタミナも十分だ。簡単に攻略できる投手ではもちろんないだろう。

対する東海大菅生打線は東京大会6試合で53得点をたたき出したように今年も強力だ。4強入りした2017年のようにここというところで長打攻勢で畳みかける力を持つ。特に4番深町は昨秋は5割を超す打率でチーム最多の13打点をマーク。準決勝では関東一のプロ注目右腕・市川からも7得点したように、少々コースが甘ければスピードボールをものともしないで打ち返す。相手にとっては怖い打線だ。

ここ数年の経験値という点では東海大菅生に分があるか、聖カタリナとしては持ち前の強打で先行して流れを引き寄せたいところだ。

 

主なOB

東海大菅生…笹川隆(ソフトバンク)、金森敬之(日本ハム)、南要輔(楽天)、高橋優貴(巨人)、勝俣翔貴(オリックス)

聖カタリナ…徳野涼子(ビーチバレー)

 

東京 愛媛

春  1勝  2勝

夏  2勝  7勝

計  3勝     9勝

対戦成績は愛媛県が9勝3敗と圧倒。特に夏は1932年から1996年にかけて7連勝を記録し、好相性を誇っている。東京勢の連敗ストップは2015年の夏。清宮(日本ハム)擁する早稲田実が春夏連続出場の今治西に6-0と快勝し、長い連敗のトンネルを抜けた。

 

思い出名勝負

2015年選抜1回戦

松山東

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 2 0 2 1 0 0 5
0 0 0 1 0 3 0 0 0 4

二松学舎大付

 

松山東     亀岡

二松学舎大付  大江

 

松山東は21世紀枠での選出だったが、愛媛県屈指の進学校で第32回大会では優勝(当時は松山商と合同校だった)しているように、伝統あるチームであった。亀田-米田のバッテリーは頭脳的な配球で相手打者を打ち取っていき、打線も大物うちは4番の米田くらいだが、ミート力に長けた打者が並んでいた。

また、進学校らしく試合前のデータ班は対戦相手を丸裸になるまで研究。四国屈指の伝統校が油断できない存在として甲子園に乗り込んできた。

対する二松学舎大付は前年夏に11度目の決勝進出で初めて甲子園切符をつかみ取っていた。しかも相手は永年煮え湯を飲まされてきた帝京で、1年生捕手の今村が終盤に同点3ランを放って追いつき、延長で勝負を決め、夏の甲子園でも1勝を挙げた。

新チームはその時のメンバーで1年生として出場していた左腕・大江(巨人)、小柄なセカンド・三口が残り、4番主将の北本を中心にを秋は東海大菅生に敗れたものの、決勝まで進出。見事選抜に選出された。前評判では優勝した東海大菅生より上なのではないかという声も上がっており、1982年以来となる決勝進出も狙っていた。

 

序盤は両チームのエースが好投を見せ、0行進で進む。松山東の亀岡がカーブを軸に技巧的な投球で組み立てれば、二松学舎の大江は140キロに迫る速球とスライダーで押す力の投球で三振を量産。静かな立ち上がりとなる。

しかし、球場のムードは序盤から21世紀枠でかつ伝統校の松山東一色となっていた。判官びいきの多い甲子園ファン(かくいう自分もそうだが)に押され、二松学舎大付としては何とも戦いにくい雰囲気だっただろう。

そんな流れの中で4回表に松山東が先制点を奪う。先頭の2番石山が四球で出塁すると、3番酒井の打球はファースト前でぎりぎりラインアウトせず内野安打に。ツキも徐々に松山東に味方していき、4番米田も死球で満塁とチャンスを広げる。ここで5番亀岡が高めに浮いたストレートをライト前に流し打って1点を先制。さらに1アウト後に7番山田大がスクイズを決めてこの回2点を先制する。

それまで三振を量産して全く失点の気配すらなかった2年生エースが許した先制点。二松学舎ナインに動揺が走る中、頼れるキャプテンが仕事をやってのける。1アウトから4番北本が亀岡の高めに浮いたストレートをとらえると、打球はレフトスタンドへ飛び込むホームランとなって二松学舎が1点差に詰め寄る。

5回を3人で退けてリズムを取り戻したかに見えた二松学舎・大江。しかし、力の投球はもろさと背中合わせだったか、6回表に松山東の打撃陣とボールがかみ合ってしまう。3番酒井、4番米田が連打を放って1,3塁とすると、5番亀岡は低めのスライダーを救い上げてレフトオーバーのタイムリー2塁打として2点を追加。亀岡のこの日3打点の活躍で松山東が完全に主導権を握る。

しかし、この攻撃で逆に火が付いたのか、その裏に二松学舎が再び猛攻を仕掛ける。松山東・亀岡の投球にようやくタイミングが合い始め、こちらも3番三口、4番北本の中軸コンビの連打などで満塁のチャンスを迎える。ここで6番今村は松山東バッテリーが活用していた高めのボール気味のストレートを捕手らしく狙い打って2点タイムリーとし、1点差に。さらに8番大江も自らセンターへのタイムリーを放って同点。このまま引き下がれないという意地の詰まった攻撃だった。

ただ、一度狂った大江の歯車がなかなか戻らない。同点になった直後の7回表、先頭の1番清水のヒットと四球でランナーをためると3番酒井にはまたもスライダーを狙い打たれて再び松山東が勝ち越し。投球の軸となっていたスライダーを攻略され、序盤の三振ショーが嘘のような中盤以降の乱調だった。

結局、この7回の1点が最後まで重く響いて試合はそのままゲームセット。最終回に二松学舎大付も最後の反撃を見せたが、後続を松山東バッテリーが落ち着いて打ち取り、見事なジャイアントキリングで2回戦進出を果たした。

 

松山東は続く2回戦ものちに準優勝を飾る東海大四に善戦。初回に米田の2ランで先制し、7回まではリードを奪う素晴らしい戦いぶりだった。決して能力に恵まれた選手が揃っていなくとも、頭を使って基本に忠実な野球をすれば強豪相手にでも勝てるというお手本を見せた大会であった。

一方、二松学舎大付の大江にとってはピッチングの難しさを思い知らされる日となった。16もの三振を奪っており、ストレートもスライダーも走っていただけに、単調になってタイミングのあった失点イニングが悔やまれた。

大江、今村、三口の3人は結局この日が甲子園でプレーした最後の試合に。経験者を持ってしても激戦の東京を勝ち続けることは難しかったのだろう。野球とは本当に難しく、そして面白いスポーツである。

2021年選抜1回戦 東海大菅生vs聖カタリナ(5日目第1試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

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