• 2022年選手権準々決勝 仙台育英vs愛工大名電(12日目第1試合)

    大会12日目第1試合

    愛工大名電

    1 2 3 4 5 6 7 8 9
    0 0 0 0 0 0 0 1 1 2
    1 2 2 0 1 0 0 0 × 6

    仙台育英

     

    愛工大名電   有馬→岩瀬→山田

    仙台育英    斎藤蓉→古川

    甲子園を代表する強豪校同士の準々決勝第1試合は、序盤から仙台育英打線んが愛工大名電のエース有馬を攻略。内野陣が堅い守備で併殺の山を築き、斎藤からエース古川への継投で2015年以来7年ぶりの4強進出を決めた。

    試合

    愛工大名電はエース左腕・有馬がこの日も先発。一方、仙台育英は豊富な投手陣の中から左腕・斎藤蓉を先発に指名した。左の好打者の多い名電打線を考えての起用だっただろう。

    斎藤蓉は立ち上がり、好調な愛工大名電の上位打線を併殺3人で抑える。力みの抜けたフォームから繰り出す切れのある速球と多彩な変化球で各打者を翻弄し、流れを作る。特にストレートは手元で非常にキレがあり、名電の各打者のバットを押し込む。斎藤蓉自身の実力もそうだが、後ろに好投手が何人も控えている安心感がより普段の力を発揮させるのだろう。

    その裏、名電の有馬は疲労がなければと思っていたが、やはり体が重そうだ。先頭の1番橋本に対して明らかなボール球が続いて四球を与えると、2番山田には初球をのスライダーを左中間に運ばれ、無死2,3塁とピンチを迎える。ここで3番森は高めの速球をきっちり外野に運び、仙台育英が1点を先制する。

    有馬が後続を打ち取るも、仙台育英の左腕・斎藤蓉の緩急自在の投球の前に名電は、2回も3者凡退に終わる。すると、その裏、仙台育英はこの試合4番から打順が下がった7番齋藤陽がセンターへクリーンヒットを放つ。有馬もしっかりインサイドを突いていたが、斎藤陽の軸はぶれない。犠打と暴投で3塁を進むと、9番尾形は2アウトからまさかのセーフティスクイズを敢行。選抜優勝時の名電を見るような攻撃で1点を追加する。

    この1点が名電に与えたショックは大きかっただろう。これが須江監督の作り上げた仙台育英だ。さらに、尾形が盗塁で2塁へ進むと、1番橋本にもタイムリーが飛び出して3点目を手にする。有馬のボールが少し勢いがないようにも見えたが、それにしても仙台育英のセンター中心に鋭くはじき返す打撃と足を使った攻めは見事だ。

    名電は3回裏から2番手で右腕・岩瀬を送るが、仙台育英の攻撃は止まらない。1アウトから4番遠藤がまたもセンターへの痛烈なヒットで出塁。盗塁と振り逃げでチャンスを拡大すると、3回戦で大活躍を見せた6番岩崎のタイムリーと7番齋藤陽の犠飛で2点を追加する。分厚い投手陣を誇る仙台育英だが、やはり強打の名電打線を相手に前半で5点差をつけられたことは安心材料だっただろう。

    中盤以降、名電は4番山田のヒットなどランナーが出るようになるが、やはり5点差があることで攻撃の選択肢は狭まる。強攻を続けるも、ことごとく仙台育英内野陣の併殺網に引っかかり、得点を挙げることができない。7回には1番加藤が2塁打で出塁するも、2番大森のショートライナーで飛び出してしまい、5回から3イニング連続のダブルプレーとなる。

    苦しい状況の名電だが、3番手でマウンドに上がった右腕・山田が流れをせき止める。5回裏に1点は失ったものの、角度のある速球を武器に後半は仙台育英だ戦意得点を与えない。2回戦の八戸学院光星戦でも好リリーフを見せたが、打って投げてチームを支える選手だ。

    すると、名電は8回表に反撃を開始する。2番手でマウンドに上がっていたエース左腕・古川に対し、1アウトから5番有馬がサードへの内野安打で出塁。エースが意地で塁に出ると、6番市橋は初球のスライダーを狙い打ってライト線へはじき返す。1アウト2,3塁とこの日最大のチャンスを迎え、ここで代打・河田のファーストゴロの間に有馬が生還してついに1点を返す。

    8回裏の仙台育英の攻撃を山田がしのぐと、9回表にも名電は最後まであきらめない攻撃を見せる。代打・石黒、1番加藤を打ち取られて2アウトとなるが、野球は2アウトからの格言通り、代打・金森が執念の内野安打を放つ。さらに3番伊藤のショート正面のゴロは不規則な回転となり、捕球できずにオールセーフ。何か不思議な力が働いたかのような打球で、4番山田へとつなぐ。

    ここで山田は天にバットを突き上げ、亡きチームメイトの力を借りてバッターボックスに立つ。古川のインサイドの速球を渾身のスイングで振り抜くと、打球は前進守備の外野の頭を超すタイムリー2塁打となって2点目を挙げ、「サクラサクラ」が大音量で鳴り響く。続いて5番有馬が打席に入り、さらなる反撃が期待されたが、最後はこの日再三好守を見せてきたセカンド秋元が打球を処理してゲームセット。仙台育英が盤石の内容で愛工大名電を下し、準決勝進出を決めた。

    まとめ

    仙台育英は序盤から愛工大名電投手陣を攻略して快勝。名電の左腕・有馬の調子が悪かったのもあるが、鍛え上げてきた機動力が名電バッテリーに落ち着く間を与えなかったことが大きかっただろう。投げては左腕・斎藤蓉がのびのびと投げて5回を無失点。エース古川も2点は失ったものの、立ち直りのきっかけをつかむ投球になっただろう。

    投打に選手層の厚い仙台育英だが、これだけ厚いと指揮官に迷いが出ることも往々にしてある。しかし、須江監督の場合は、投打の戦力を見事に使いこなしており、選手たちも見事にその起用に応えている。3試合を戦ったが、まだ余力は十分。大会前は正直、そこまで予兆を感じていなかったが、ここにきて一気に東北勢初優勝が現実味を帯びてきた。

    一方、愛工大名電はこの日は投打に良さが出なかったが、今大会の戦いぶりは本当に素晴らしいものであった。特に4点差をひっくり返した2回戦の八戸学院光星戦は、ナインの不思議な力が宿っているかのように感じさせる戦いぶりであった。これまで夏に弱いと言われてきた声も今大会の躍進で完全に過去のものとなった。亡きチームメイトに捧げたこの夏の3勝は、部の歴史をも覆す大きな勝利であった。

    2022年選手権準々決勝予想  愛工大名電vs仙台育英 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

    二死 セーフティスクイズ [2022夏 愛工大名電vs仙台育英] – YouTube