• 2022年選手権3回戦 聖光学院vs敦賀気比(11日目第3試合)

    大会11日目第3試合

    聖光学院

    1 2 3 4 5 6 7 8 9
    1 0 3 0 4 0 0 0 0 8
    0 1 0 0 0 0 0 0 0 1

    敦賀気比

     

    聖光学院   佐山→小林剛

    敦賀気比   上加世田→竹下→上加世田→清野→大味

    2013年選抜準々決勝の再戦となったカードは、聖光学院打線が敦賀気比投手陣を完全に攻略。エース佐山から左腕・小林剛への継投も決まり、8-1と大差で5度目のベスト8進出を決めた。

    試合

    敦賀気比は上加世田、聖光学院は佐山とそれぞれ両エースが先発マウンドに登った。ともに打線に破壊力があり、相手エースをどう打ち崩すか注目された。

    聖光学院は1回表、好調の1番赤堀が上加世田の甘く入ったスライダーをとらえてヒットで出塁。犠打で二進すると、3番安田はインサイドのチェンジアップをうまく拾ってライトフェンス直撃のタイムリーとし、1点を先制する。内外への投げ分けと狙い球を絞らせない投球が持ち味の上加世田だが、この夏はなかなか調子が上がらず、甘く入ったボールをとらえられてしまった。

    聖光学院のエース佐山に対し、こちらも打撃好調な敦賀気比打線が襲い掛かる。1回裏、1番浜野がアウトコースのスライダーをとらえてセンター前に落とすと、好走塁で一気に2塁を陥れる。さらに2番河合のバントを佐山がはじいてしまい、オールセーフで1,3塁。1回から大チャンスを迎える。

    ところが、ここで敦賀気比の強力クリーンアップに対して、佐山は粘り強くコーナーをついて3番の好打者・春山を三振に取ると、続く4番上加世田の打席では1塁ランナーの盗塁を捕手・山浅が好送球で刺す。重盗もある場面だったが、山浅の矢のような送球を前に3塁ランナーが突っ込む余裕はなかった。後続も打ち取り、敦賀気比は大きなチャンスを逃す。

    それでも敦賀気比打線がこのまま引き下がるわけもない。2回裏、先頭の5番高見沢が高めに浮いたスライダーをとらえてライト前ヒットを放つ。内野ゴロで二進すると、2アウト後に8番米満が高めに浮いた速球を思い切りひっぱたいてレフトオーバーのタイムリー3塁打として同点に追いつく。好球と見るや躊躇なく手を出す両チームの打線の破壊力は恐れ入る。

    試合は振り出しに戻ったが、3回表になってもやはり上加世田の制球力は思わしくない。1アウトから2番高中に真ん中に入ったカーブをセンターにはじき返される。今大会、変化球が甘いコースに入るケースが目立つ。ここでこの大会で過去2試合あまり当たりの出ていなかった3番安田に対しても、スライダーが高めに入ると打球は高々と舞い上がって勝ち越しの2ランホームランとなる。大会前から東監督が懸念していたエースの不調。舞台が上がるほどごまかしは効かなくなる。

    続く4番三好にヒットを許したところで、敦賀気比は上加世田が降板。しかし、過去2試合リリーフ登板していた左腕・清野ではなく、1年生左腕・竹下を登板させる。好調を買われての起用だったが、2アウト2塁となって6番狩野に右中間へタイムリー3塁打を打たれ、4点目が入る。相手の継投策にも惑わされることのない、聖光学院の集中打が光った。

    再びリードをもらった聖光学院・佐山は力の抜けたフォームからキレのあるボールを投じ、内外の揺さぶりで3回、4回と敦賀気比打線を3人で片付ける。もともと実力の高い投手だったが、前回の横浜戦の終盤からさらにピッチングのコツをつかんだような気がする。

    逆に苦しい投手事情となっている敦賀気比に対し、聖光学院が5回表にさらなる追い打ちをかける。1アウトから6番狩野が四球を選ぶと、暴投と内野ゴロで3塁へ。ここで、今大会当たっている8番生田目にタイムリーが飛び出し、5点目が入る。素質は十分な一年生だったが、百戦錬磨の聖光学院ナインが相手では荷が重かったか。この回、1番赤堀のタイムリーや暴投が絡み、計4点を追加する。

    大量リードを許した敦賀気比は6回から左腕・清野がマウンドへ。5番山浅、6番狩野に連打を許すも、7番伊藤を併殺に打ち取ってリズムを作る。低めにスライダーを集める投球で7回も無失点にしのぎ、敦賀気比にようやく守りのリズムが生まれてきた。

    このリズムに乗って7回裏、敦賀気比は自慢の打線がつながり、四球と6番岡村のヒットに失策が絡んで無死2,3塁の大チャンスを迎える。しかし、ここでも佐山は低めをついて内野ゴロを打たせ、バックも堅い守備でホームへの生還を許さない。過去2戦もそうだったが、佐山-山浅の聖光バッテリーは得点圏に進んでからが本当にしぶとい。これぞ全国で勝てるバッテリーなのだろう。

    聖光学院は、8回からは初戦の日大三戦で先発した左腕・小林剛が登板。打たせて取る投球で、敦賀気比打線に一人のランナーも許さず、無失点で終盤2イニングを締めた。エースの調子が勝敗を分ける結果となったが、聖光学院が投打に実力の高さを見せつけ、ベスト8へ進出。これで3試合連続で優勝経験校を破っての勝利であった。

    まとめ

    聖光学院は、前半で敦賀気比の投手陣を攻略。好球を逃さず、積極果敢に打っていく姿勢は相変わらずで、上加世田の高めに浮いた変化球をことごとく痛打した。しかし、この打線が昨秋まではエースにおんぶに抱っこと言われていたなどと、今の姿を見ると信じがたいものがある。佐山も大量リードをバックにヒットは許してもホームへは返さない投球で7回を1失点。危なげないピッチングであった。

    過去4度の8強入りがあったが、このどれよりも今年の方が充実しているように感じる。もはやどこと戦っても名前負けしなくなったみちのくの強豪が、次戦は5度目の挑戦で初となる4強入りを狙う。

    一方、敦賀気比はエースの不調が痛かったが、東監督も試合後に自ら認めたように、継投策で相手に主導権を渡してしまった。過去、何度もそのピッチングで流れを変えた1年生投手が甲子園に現れたが、やはり3回戦まで上がってくると、相手打線のレベルも高くなってくる。ただ、竹下にとっては酷な経験に放ったが、彼が甲子園でやり返すチャンスは後2年残っているのだ。

    選抜では広陵に0-9と大敗し、弱い弱いと言われながらも、夏の甲子園で2勝を挙げた今年の敦賀気比。バッテリーを中心に屈辱から這い上がる姿を見た下級生たちが、再び今日の悔しさを晴らしに甲子園へ戻ってくるはずだ。

    ハイライト 斎藤智也監督・選手インタビュー [2022夏 聖光学院vs敦賀気比] – YouTube