2022年選手権甲子園大会前ブロック別予想

2022年

Aブロック

勝ち抜き予想:仙台育英

仙台育英、明秀日立が中心になりそうか。鹿児島実も地力は高く、この2校に食らいつく。

明秀日立は選抜に続いて鹿児島勢との対戦となる。投打にパワフルなチームでエース猪俣、主砲の佐藤、石川と軸がしっかりしている。ただ、鹿児島実はエース左腕・赤崎を中心に神村学園、大島と強豪を競り落としてきた底力があり、試合運びのうまさでという点では鹿児島実に分があるか。夏は初めてとなる明秀日立としては序盤から持ち味の打力で主導権を握りたい。

仙台育英は140キロ台の速球を持つ投手を複数擁し、打線も破壊力十分。打倒・大阪桐蔭の有力候補の一角だ。エース左腕の古川はすでに昨年選抜のマウンドを経験している点も心強い。鳥取商としてはエース山根を中心にまずは失点を抑えてロースコアの展開に持ち込みたいところ。県大会決勝でタイブレークを経験していることもあり、競り合いになれば勝機はある。

Bブロック

勝ち抜き予想:明徳義塾

打力の高い4校が揃ったが、明徳vs九国の勝者がやはり一枚上手か・

高松商vs佐久長聖の対戦は打撃戦になる可能性がかなり高い。今大会注目の1番浅野を筆頭に初回から高松商は長打で攻勢をかけてきそうだ。一方、佐久長聖ととしては自慢の機動力を活かして、高松商バッテリーをかき回すだろう。打線のバランスの良さでは佐久長聖がやや上か。高松商としては浅野の打撃もさることながら、エース左腕の渡辺和の出来がかなり重要となってくる。

明徳義塾vs九州国際大付は初戦屈指の好カード。野手陣のポテンシャルでは九国が上だが、明徳には相手に良さを出させないうまさがある。エース左腕・吉村は横の角度の効いたボールで、初対戦の打者にとっては攻略が難しい。黒田、佐倉ら左の強打者がとらえきれるか。九国にとって少し不安があるのはエース左腕・香西が怪我明けな点。右腕・池田がカバーして勝ち上がったが、明徳の縦横無尽な攻めに耐えられるか。

Cブロック

勝ち抜き予想:下関国際

コロナウイルスの関係で4校別枠で集められたゾーン。下関国際が頭一つ抜けているか。

下関国際vs富島の試合は、下関国際の攻撃力が富島のエース日高をとらえられるかが焦点になるだろう。最速148キロの速球を誇る日高は大会でも屈指の好投手。昨年の選抜出場時のメンバーが多く残る下関国際打線は機動力と終盤の集中打で打ち崩したいところだ。下関国際は力のある3投手を擁しており、富島打線としては1点1点確実に積み重ねてエースを援護したい。

一方、有田工浜田の対戦は、県立校同士の激突となった。有田工のエース塚本は抜群の制球力を武器にクレバーな投球が光る右腕。1試合通して大量失点は考えにくく、有田工の大黒柱だ。浜田は機動力野球で島根大会を勝ち上がったが、1番打者も務める塚本を乗せないためにも、森井・波田の左右の両輪が初回の有田工を慎重に抑えたい。

Dブロック

勝ち抜き予想:智辯和歌山

49代表校中、最後の登場となった昨夏の王者・智辯和歌山。残りの4チームが止めることができるか。

帝京五九州学院の対戦は投打ともにやや九州学院が上回るか、2年生エース直江の安定感、4番村上慶を中心とした打力ともに充実している。帝京五は愛媛大会決勝で新田の好右腕・向井を攻略したように粘り強い攻撃が持ち味。鍛え抜かれた選球眼で直江を苦しめたい。国方、積田の両投手は九州学院の分厚い攻撃を最少失点でしのぎたいところだ。

開幕戦は国学院栃木日大三島の対戦に。国学院栃木の柄目監督は選手時代に2000年の選抜で開幕戦を経験しており、先頭打者として巧みなバントヒットで近畿王者の育英をかく乱して経験を持つ。この試合でも持ち味の機動力野球を見せられるか。一方、秋の東海王者・日大三島はエースで4番の松永が中心。選抜では初回の失点で敗れただけに、この夏は初回に入りに注意したい。地力では日大三島がやや上か。

最後の登場となる智辯和歌山は塩路・武元の両右腕に強力打線と投打に充実している。調整がやや難しいが、中谷監督の手腕やいかに。もし、国学院栃木との対戦となれば、選抜での2度の対戦に続く3度目の激突となる。

Eブロック

勝ち抜き予想:京都国際

昨夏4強の京都国際、選抜8強の星稜が中心となりそう。そのほかにも明豊や愛工大名電など実力校が集った厳しいブロックだ。

明豊樹徳の対戦は、明豊の強力打線vs樹徳の好投手・亀井の対決が焦点になる。勝負強い竹下を中心に切れ目のない打線が亀井の伸びのある速球をどうとらえるか。樹徳としては県大会決勝のように先行して、亀井がリズムよく投げられる展開を作りたい。逆に明豊としては先手先手の継投策で樹徳の攻撃をかわしたいところだ。

京都国際は昨年の甲子園を経験した森下、平野の両輪に右腕・森田が加わり、盤石の投手陣を形成。打力も高い森下や辻井を中心に打線も充実している。コロナウイルスで選抜を逃したため、この夏にかける思いも強い。一方、一関学院は岩手大会決勝で盛岡中央の好投手・斎藤を打ち崩したようにストレートにはめっぽう強い。森下のキレのあるボールにどれだけ食い下がれるか。

八戸学院光星創志学園の対戦も、強力打線の光星と創志学園の好投手・岡村の激突の結果が試合の勝敗に直結しそうだ。サイドから速球を投じる岡村のボールはなかなか練習で想定することは難しそうだが、光星打線のシャープなスイングがとらえられるか。光星投手陣としてはある程度の失点は覚悟して継投でしのぐことになりそうだ。

愛工大名電星稜は強豪同士、実力伯仲の好カード。星稜のエース・マーガードは恵まれた体格から威力十分の速球とスプリットで相手打者を封じ込める。東邦の好投手を攻略した名電の打線がどうとらえるか。一方、名電のエース左腕・有馬は強気な投球が持ち味。好打者が並ぶ星稜打線だが、攻略のかぎは中軸の右打者が握っていそうだ。

Fブロック

勝ち抜き予想:鳴門

近江vs鳴門、天理vs山梨学院は1回戦屈指の好カード。好投手を擁する日本文理も含め、5校がトップ集団を形成しそうだ。

盈進鶴岡東の対戦は、打力の高い盈進と投手力の高い鶴岡東という構図になる。盈進はノーマークから広島大会を制したが、3番秋田を中心に勝ち上がるたびに攻撃力が増していった。機動力も絡めて着実に得点を重ねる。鶴岡東は準決勝まですべて無失点と鉄壁の投手陣を軸に勝ち上がってきた。右の小林廉、渡辺に左腕の矢部と質量ともに豊富な投手スタッフを擁し、守備陣も5試合で1失策と堅い。ここ数年の経験では鶴岡東に分があるが、盈進の勢いがどこまで迫るか。

近江鳴門は好投手同士に激突となる。近江の山田は3季連続の甲子園で昨夏は4強、今春は準優勝と着実に結果を残してきた。角度のある速球にフォーク、ツーシームと変化球もハイレベルだ。鳴門のつながりの良い打線がどう攻略するか。一方、鳴門の左腕・冨田も選抜で大阪桐蔭打線を3失点に抑えた好投手。津田、中瀬ら上位に左打者が並ぶ近江打線は苦労しそうだ。ちなみに2014年夏にも対戦しており、その時は近江が8-0と圧倒している。

海星日本文理はともに好投手を擁するチーム同士の対戦。日本文理は最速150キロを誇り、2年連続でマウンドを踏む右腕・田中を擁する。今大会注目の速球派右腕であり、大会最速を記録する可能性も十分だ。一方、海星も1試合の最大失点は2までと安定した投手力が光り、向井・宮原と計算できる投手を2人擁しているのも心強い。どちらの打線が相手の好投手を打ち崩せるか。この2チームも2002年夏に対戦経験があり、8-1で海星が勝利している。

天理山梨学院もハイレベルなチーム同士の激突。天理は長身サイド右腕の南沢と戸井、内藤の中軸を中心とした打線ががっちりかみ合って、奈良大会を勝ち上がった。一方、山梨学院はエース榎谷に加えて右腕・山田が台頭し、投手力が上積みされた。選抜で沈黙した打線が南沢の角度のあるボールをどう攻略するか。がっぷり四つの好勝負が期待される。

Gブロック

勝ち抜き予想:日大三

強豪が終結した最激戦ブロック。どこが勝ち上がるか全く読めないが、日大三がわずかにリードしているか。

敦賀気比高岡商は北陸対決に。高岡商は昨年の松商学園戦に続いて初戦で北陸勢との対戦となった。ともに打線の破壊力は一級品だが、エース上加世田が引っ張る敦賀気比に比べて、絶対的エースのいない高岡商はやや不安が残る。選抜で広陵の左打者が上加世田を攻略したように高岡商の左打者陣がカギを握るか。地力では敦賀気比に分があるだけに、高岡商はなんとか小差で食らいつきたい。

興南市立船橋も実力校同士の好カード。興南は生盛、木更津総合は森本哲星、坂元とそれぞれ実力十分の好投手を擁している。打線の破壊力では市立船橋にやや分があるかもしれないが、興南には臨機応変に相手を攻略する柔軟性がある。ともに激戦地区で強力なライバルを蹴落としてきただけに、スキを見せると一気に付け込んでくるリスクがあると言えるだろう。

横浜三重も注目のカード。2年生主体で勢いに乗る横浜に対し、三重は昨年甲子園で完封勝利を挙げたエース上山が君臨する。抜群のコントロールを誇る成熟したエースに、若いメンバーの横浜打線がどう立ち向かうか。横浜は従来の細かく抜け目のない攻撃が戻ってきており、上山を苦しめたい。また、横浜のエース左腕・杉山が粘っこい三重打線をどう封じ込めるかも見どころの一つだ。

日大三聖光学院は2012年夏の再戦となる(聖光学院2-1日大三)。聖光学院は選抜でも二松学舎大付と対戦しており、春夏連続で東京勢との顔合わせとなる。日大三は投打ともに分厚い戦力を持ち、特に打線は上位から下位まで強打者がずらりと並ぶ。制球力が持ち味の聖光学院のエース佐山がどうかわしていくか。また、聖光学院打線も春から力を増してきており、安田・山浅ら中軸の左打者に期待がかかる。

Hブロック

勝ち抜き予想:大阪桐蔭

優勝候補最右翼の大阪桐蔭がこのブロックに入った。ストッパ・ザ・大阪桐蔭に他の7校が挑む。

二松学舎大付札幌大谷はともにエース左腕の出来が試合を左右しそう。札幌大谷のエース森谷はややコントロールに難があるものの、速球の威力は十分。力で相手打者のバットを押し込める。一方、選抜以降にエースの座を奪った二松学舎の左腕・辻はインサイドを攻めるメンタルの強さが売りだ。ともに打線は破壊力を秘めており、甘く入ると痛い目を見そうだ。

県岐阜商も実力伯仲の好勝負になりそう。県岐阜商は県大会決勝で4点差を追いついたように終盤の打線の粘り強さは特筆ものだ。一方、社は堀田・芝本の両右腕を中心にディフェンス力が高く、安定した試合運びが持ち味だ。3番ショートの福谷は打って良し、守って良しの好選手で、県岐阜商サイドとしては彼を乗せないようにしたい。打撃戦なら県岐阜商、投手戦なら社のペースと言えるだろう。

選抜王者の大阪桐蔭がここで登場。旭川大との対戦となる、大阪桐蔭は2年生エース左腕の前田に加え、川原・別所の両3年生右腕も安定感が増してきた。打線も上位から下位まで切れ目がなく、1番伊藤・3番松尾を中心に長打も飛び出す。旭川大は山保・池田の両投手がともに140キロ台の速球を持つが、中途半端なコースは打ち返されるため、コントロールに細心の注意を払いながら投げていきたい。大阪桐蔭の優位は揺るがないが、勝負は下駄を履くまでわからないだろう。

1回戦最後のカードは能代松陽聖望学園の対戦に。聖望学園はエース岡部が右スリークオーターからコントロールよく変化球を投げ分け、試合を作る。県大会決勝で浦和学院の打線を完封したことは大きな自信になっているだろう。一方、11年ぶりの全国出場を果たした能代松陽も速球派右腕・三浦を軸に守りは堅い。エースを中心とした守り合いになりそうだ。

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